中小企業の採用活動において、「自社の強み」を明確にすることは、成功の鍵を握る重要な要素です。多くの中小企業では「自社の魅力がよく分からない」「他社とどう差別化すればいいか分からない」といった悩みを抱えています。
中小企業では、大企業のような知名度や資金力がないため、求職者にアピールする際に「何を売りにすればいいのか」が不明確になりがちです。しかし、実際には中小企業ならではの強みや魅力がたくさんあります。それを見つけて、効果的に伝えることで、採用活動は大きく変わります。
本記事では、中小企業の採用担当者が「自社の強み・売り」を見つけ、それを採用活動で活かすための具体的な方法やフレームワークを解説します。
この章では自社の強みを見つけるために必要な3ステップを紹介します。
何からやって手をつけていいかわからない」という採用担当者様はまずはこちらのアクションがオススメです。
まずは実際に自社で活躍中の社員や、自社のことをよく知っている取引先などから意見を集めましょう。
採用担当のあなたが強みだと思っていなかった意外な強みが見つかるかもしれません
社員へのヒアリングの質問
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「この会社で働いていて良かったと思う瞬間は?」 「他社と比べて、この会社ならではだと感じる点は?」 「この会社で改善してほしいと思う部分は?」
この質問をする際のポイントは「いかに自社社員の本音を引き出すか」。 本音ではない回答や表面的な回答しか集まらないことを防ぐため、アンケートを実施する目的を社内で浸透させたうえ、匿名での回答をしてもらうことがオススメです。
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取引先や顧客へのアンケートの質問例
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「当社の商品・サービスで特に満足している点は?」 「他社と比較して優れていると思う点は?」 「当社に期待する改善点は?」
取引先や顧客へのアンケートも、自社の強みを知るうえで有効な方法です。 また、自社のマーケティングチームなどがすでにアンケート施策を実施している場合、その回答を共有してもらうなどすれば工数の削減にもつながります。
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競合他社との比較も、自社の強みを知るうえで有効な方法です。
具体的な方法は、「1.分析項目の選定、2.比較する競合の選定」の2ステップ。
また、比較する競合の選定の際は「業界トップシェアのサービス」「自社と同規模の企業」を選定することで自社の強みがより具体的になります。
競合分析の具体例
分析項目 |
自社 |
競合A社 |
競合B社 |
商品・サービス |
地域密着型の商品展開 |
全国展開 |
高価格帯の商品展開 |
顧客層 |
地元住民 |
若年層中心 |
富裕層中心 |
働き方 |
柔軟な勤務時間 |
固定勤務時間 |
リモートワーク対応 |
このような表形式で整理すると、「競合にはないけれど、自社にはあるもの」が浮かび上がります。
最後のステップは「弱みを強みに変える視点」です。
アンケートや競合調査を経て浮かび上がった自社の課題は、見方によっては強みともいえる場合があります。
弱みが強みに変わる例
規模が小さい → 意思決定が早く柔軟性が高い 全国的な知名度が低い → 地域で愛される企業
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ここからは上記で紹介した「自社の強み」を知るための方法により具体性をもたせるフレームワークを紹介します。
SWOT分析は、企業や組織が内部環境と外部環境を整理・評価するための効果的なツールです。
「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」という4つの視点から、自社環境を整理する手法です。
例えば、以下のように具体的な内容を埋めていきます。
Strength(強み) |
地域密着型で地元顧客から信頼されている |
Weakness(弱み) |
若手人材が少なく、新しいアイデアが不足しがち |
Opportunities(機会) |
地域活性化プロジェクトへの参加 |
Threats(脅威) |
大手企業による市場参入 |
3C分析は、「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」という3つの観点から、自社環境を分析します。例えば、以下のように具体的な内容を埋めていきます。
Customer(顧客) |
顧客層は30~50代でリピーター率が高い。 |
Competitor(競合) |
大手企業には価格面で勝てない。 |
Company(自社) |
アフターサービスに定評あり。 |
VRIO分析は、「Value(価値)」「Rarity(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織力)」という4つの視点から、自社資源や能力を評価します。例えば、以下のように具体的な内容を埋めていきます。
Value(価値) |
独自の商品開発ノウハウ |
Rarity(希少性) |
地域密着型イベントへの積極的参加 |
Imitability(模倣可能性) |
長年培った顧客との信頼関係 |
Organization(組織力) |
全社員によるチームワーク |
この章では、自社の強みを効果的に伝えるための具体的な2つの方法を解説します。
自社の強みが分かったところで、求職者に理解してもらえなければ意味がありません。
まずは先述した方法で選定した自社の強みを求職者目線に変換しましょう。
求職者目線で考えた場合、以下のような具体的な表現が効果的です。
「入社2年目の社員が新規プロジェクトのリーダーを務め、年間売上の15%を占める主力事業に成長させました」
「地元密着型で転勤なしの環境。さらに、フレックスタイム制やリモートワークを導入し、ワークライフバランスを重視しています」
「20名規模の少人数チームで、社員全員が経営陣と直接コミュニケーションを取れる環境です」
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ここでのポイントはできるだけ具体的な数字を入れること。
「若手」「働きやすい環境」「アットホームな職場」などの曖昧な表現では求職者に刺さりません。
できるだけ具体的な数字を入れて求職者にアピールしましょう。
求職者目線での言語化を終えた後は、「求職者に知ってもらう」ことが最重要です。
採用に関する自社チャネルや面接の場面ではできるだけ活用しましょう。
また、求人票や採用ページでは、以下の3つのポイントを意識しましょう。
1.写真や動画で職場環境を具体的に伝える オフィスの様子、チームミーティングの雰囲気、社内イベントの様子などを視覚的に紹介する
2.社員インタビュー記事など、生きた声を掲載する 「自分の意見が尊重される環境で働けている。小さなチームだからこそ自分のアイデアが形になるスピードが速い」といった具体的な社員の声を掲載する。
3.面接時には「求職者自身との相性」を重視し、一方通行にならない対話形式で進める 求職者の経験や価値観を聞き出し、それに対して自社の環境や文化がどのようにマッチするかを具体的に説明する 例えば、「あなたが過去に経験した課題解決のアプローチは、我が社のこのようなプロジェクトで活かせると思います」といった形で、求職者の経験と自社の環境を結びつける。
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中小企業の採用活動において、自社の強みを明確化し、効果的にアピールすることは、内定承諾率を向上させる重要なポイントです。社員や顧客からの意見収集、競合他社との比較、弱みを強みに変える視点などを活用することで、自社ならではの魅力を発見できます。また、SWOT分析や3C分析などのフレームワークを活用することで、体系的に強みを整理しやすくなります。
さらに、求職者目線で強みを言語化し、具体的な数字やエピソードを交えて伝えることで、求職者に対して説得力のあるアピールが可能です。求人情報や面接でこれらの強みを効果的に活用すれば、求職者とのミスマッチを防ぎ、優秀な人材の獲得につながります。
中小企業ならではの柔軟性や地域密着型の特性など、大企業にはない独自性を最大限に活かし、自社の魅力を求職者に伝えることが成功への鍵となるでしょう。
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