若手採用の手段の1つとして近年注目を集めている高校新卒採用。高卒採用には、大卒採用や中途採用とは異なるルールや手順があります。この記事では高校に求人を出すまでの手順・やっておくべきことを解説していきます。
高校へ求人を出すためには、ハローワークに高卒専用の求人票を登録する必要があります。ハローワークから承認をもらったら求人票が届くので、コピーを高校に送付しましょう。
ハローワークに高卒専用の求人票を登録する方法は2つ
- ハローワークインターネットサービスから申請する
- 求人申込書に必要事項を記入して申請する
これまでに中途採用などでハローワークを使ったことがある場合は、慣れている方法で高卒用の求人票登録を行いましょう。初めてハローワークを利用する場合は、ハローワークインターネットサービスを使うことをおすすめします。
※管轄のハローワークによっては、書類の名称が変わったり、その他の書類が必要な場合があります。初めて高卒採用を実施する方は管轄のハローワークに確認しておくとスムーズに進められるでしょう。(ハローワークへの申請を進めていくうえで、必要な書類などに関する情報はハローワークの職員から連絡してもらえますので、そこまで神経質になる必要はありません。)
高卒用の求人票 見本画像
高卒専用の求人票は充足するまで原則取り下げができない
高卒専用の求人票は、その他の新卒・中途採用の求人票とは扱いが異なります。募集定員に達することなく取り下げることができず、求人票の内容修正をする際には必要書類をハローワークに提出する必要があります。
ハローワークの中途採用では、ハローワークインターネットサービスで求人票の取り下げ/修正ができましたが、高校新卒ではできませんので、これまで中途採用でハローワークを使っていた方はご注意ください。
ハローワークに申請した高卒用の求人票は7月1日の求人解禁日から受け取りができます。求人票をコピーして高校に送付、または高校への訪問時に持参しましょう。
求人票の登録・高校への求人開始をする際に、応募者を効果的に集めるためのポイントや、注意点がいくつかあります。
管轄のハローワークによっては、説明会に参加しないと求人票を発行できないことがあります。事前に管轄のハローワークに連絡して確認しておきましょう。
地域によって説明会を開催している場合とそうでない場合があります。初めて高卒採用に取り組む企業の方、初めてハローワークを利用する企業の方は、高卒採用の全容や注意点を知っておくためにも参加しておいて損はありません。説明会の有無を確認して時間があれば参加してみましょう。
6月1日以降にハローワークに求人票を申請できますが、できれば6月中旬までには申請を済ませておきましょう。
高校が夏休みに入る前に求人票を届けるのが高卒採用のセオリーです。6月の後半には多くの企業が高卒用の求人票を申請するため、申請が遅れてしまうと求人票の受け取りも遅れてしまう可能性があります。
高校に対して求人票だけを送付する企業は多く、採用パンフレットなどのPRコンテンツを併せて送付/持参することで、他の企業と差別化することが可能です。
以前に神奈川県の高校で進路指導を担当する先生にインタビューした際、その高校には年間3,000件ほどのハローワークの求人票が届くと聞きました。この中で高校生に選ばれる企業となるためには、求人票の質だけでなく、PRコンテンツを用意するほうが良いでしょう。
初めて高卒採用にチャレンジする企業様におすすめのPRコンテンツは以下の2つです。
- 社長から先生に向けたレターコンテンツ
- 若手社員(できれば新卒社員)のインタビュー記事
別の記事で詳しく紹介しているので、詳しく知りたい方は下の記事をご覧ください。
高卒採用に参入する企業が増えている中で、求人票やパンフレットなどの郵送代行サービスが流行してきています。中には多数の企業の求人票をひとつの郵便物としてまとめて高校に発送する、というサービスもあります。そのような一括で郵送された求人票は、高校側で「そこまで採用意欲が高くない企業」と思われてしまうので、高卒採用に本格的に取り組みたい場合はデメリットが多いです。
自社で郵送するか、企業ごとに個別に郵送を行う業者に依頼しましょう。
高卒採用に限らず、なんとなく採用活動をしていても成果が出ない企業が多いです。また、採用したい人物像を明確にしないままでは、入社後のミスマッチが生じやすく、早期の退職が増えてしまうこともあります。
採用活動の目的を定め、どのような人物を採用する必要があるのかを明確にし、採用したい人物像から逆算して採用計画を立てていきましょう。
高卒採用では、「対象とする高校選び」「求人票を含むPRコンテンツの作り込み」が成功するかどうかのカギを握ります。いずれも採用したい人物像を明確にすることで、どのくらい対象者を絞り込んだらよいのか、自社のアピールポイントが自ずと決まってきます。
▼採用人物像の作り方について、こちらの記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください▼
高卒採用は7月になるまで高校に求人票を送ることはできませんが、就職意欲が強い高校生は、早ければ2年生の2~3月頃から企業の情報収集を開始します。これは2年生の年度末に実施される3者面談のタイミングで進路を真剣に考えるケースが多いためです。
実は、求人票を除く企業のPRコンテンツは6月以前に高校に送付しても問題ありません。高校生の情報収集が活発になる時期に採用パンフレットなどを高校に郵送しておき、情報を集めたい高校生、採用意欲の高い企業を見定めたい進路指導の先生にアピールを行っていきましょう。
高卒採用を始める際に何をしたら良いか、その時に気を付けるべきこと、高卒採用を成功させるためのポイントをお伝えしました。
スムーズに採用活動を進めるためには、高校に求人を出すまでの流れ・スケジュールの全体像を把握しておくことが重要です。
また、ただ求人票を送るだけでは他の企業の中で埋もれてしまうため、求人票以外のPRコンテンツを送付したり、高校への訪問も併せて実施していくと効果的です。
まずは自社が使える時間の中でできることから挑戦して、必要であれば採用支援会社や代行会社への依頼も検討していくと良いでしょう