求職者との面接や面談を重ねてもなかなか採用につながらない...
いろいろな施策へ手を出した結果、採用コストばかりかさんでしまう...
中小企業の採用担当や人事、会社を経営しているあなたが一度は経験のあることではないでしょうか。
自社にあった人材を確保する。そのうえで採用にかかるコストや時間はできるだけ抑えたい。
そのような採用戦略を作るには、自社に合った採用方法を知る必要があります。
今回は「中小企業の人材不足解消」について、他社の人材確保の実情や実際にとるべき施策も交えながら、自社にもっとも適した採用戦略、採用コストを更に下げる方法を解説します。
中小企業庁の調査によると、2013年第4四半期に中小企業は全ての業種で従業員過不足がマイナスになり、その後も人手不足感は強まり続け、足元では改善が見られるものの、人手不足感は依然として強いとあります。
また、従業者規模別に見た大卒予定者の求人数及び就職希望者数の推移をみると、従業者数299人以下の企業は、求人数の減少と就職希望者数の増加により、足元の求人倍率は2019年卒の9.9倍から2020年卒の8.6倍と低下したものの、依然として高水準となっています。
しかし、従業者数300人以上の企業は、足元の求人倍率は横ばいですが、求人倍率が1倍を下回っており、求人数より就職希望者が多い状況が続いています。
このデータからも就職希望者の売り手市場となっている採用市場において、中小企業は今なお厳しい戦いを強いられていると言えます。
今回は「中小企業の人材不足解消」について、他社の人材確保の実情や実際にとるべき施策も交えながら、自社にもっとも適した採用戦略、採用コストを更に下げる方法を解説します。
この記事を読むメリット
- 自社の人材不足を解決するための改善点が見つかる
- 自社の課題の解決策が見つかる
- 採用コストを下げる方法が見つかる
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帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2022年8月)」によると、正社員が不足している企業は49.3%と非常に高い水準です。
この章では中小企業の人材不足における原因を見ていきましょう。
代表的な人材不足の原因が労働人口の減少です。労働人口が目減りしている現状が、中小企業の人材不足に拍車をかけています。
総務省の「労働力調査(基本集計)2021年」によると、労働人口は2021年平均で6,860万人と、前年に比べ8万人の減少(2年連続の減少)となりました。
総務省の「令和2年国勢調査」によると、全国1,719市町村のうち、人口が減少したのは1,419市町村で、これは全体の82.5%にあたります。日本の人口減少は加速度を増し、都市部の東京、大阪、名古屋などの都市部への一極集中が続いているなか、地方部の人口は大きく減少しているのが現状です。
都市部への人口集中と地方の過疎化が顕著となっているうえ、2048年には9,913万人程度となり、2060年には8,674万人程度になるものと推計されており、過疎化が進む地域では、現在だけではなく将来にわたって人材不足が予想されます。
(厚労省)~就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者37.0%、新規大卒就職者32.3%~
ここ数年ほど「若者がすぐに仕事を辞めてしまう」という内容のニュースを目にする機会も多いと思います。
企業にとって退職者が出てしまうデメリットは、既存社員の業務量が増えることだけではありません。採用にかかったコストが無駄になってしまうことや業務量が増え過ぎたことによる既存社員のモチベーション低下など多岐にわたります。
そうした悪循環に陥らないためにも、採用活動に力を入れるだけでなく、既存社員がイキイキと活躍し続けられる環境を整える施策が必要です。
続いて、中小企業ならではの採用の悩みをご紹介します。
大企業と比べて知名度で不利になりやすい中小企業では、「求人を出しても応募が集まらない」と悩む人事担当者も多いです。
大手企業に比べると知名度の面でハンデがあるのは事実。知名度のない中小企業は、知名度のある大企業に応募者が取られてしまう…というのも、よくある悩みです。
応募者が集まらない原因としては、「自社の魅力をアピールできていない」「ターゲットに適した場所での求人ができていない」等、いくつかの要因が考えられます。
2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査によると、採用費総額の平均は、上場企業1,783.9 万円に対し、非上場企業は 375.1万円と約1/4程度です。予算の規模が小さいと、活用できる採用手法や媒体も限られてきます。
中小企業庁『中小企業白書』によると、中小企業の採用手法の利用実績で最も利用実績が多いのは「ハローワーク」(69%)。次いで多いのは「知人、友人(親族含む)の紹介」(46.7%)となっています。
人手不足で担当者が採用活動にかけられる時間がないことも悩みの1つです。 中小企業庁『中小企業白書』によると、中小企業では73.3%、小規模事業者では80.4%の割合で、採用担当者を社長が務めています。
さらに、採用に専従する社員がいる中小企業は3.2%。人手不足により採用業務を兼任で行う企業がほとんどです。
この章では、3章で紹介した課題・悩み別の具体的な解決策を紹介します。
「求人を出しても応募がない」場合の解決策は以下の通りです。
1.求人内容の見直し
「求人を出しても応募がない」のは、自社の待遇や知名度が他社に比べて劣っているからだと諦めてしまってはいないでしょうか?
どんな企業であっても、実際に働く社員の方に自社の良いところを聞くと、全く出てこないということはありません。
まずは、実際に働いている社員に「この会社のどんなところを気に入っているか?」をヒアリングしてみてください。(もちろん、人事担当の方が思う良いところでも問題ありません。)
そうして出てきた自社の良いところ1,2点を掘り下げて具体化していくことで、求人の内容・求人への反応は大きく変化していきます。
2.求人以外の採用活動の検討
「求人を出しても応募がない」としても、採用は計画通りできているという企業もあります。採用活動は求人を出して応募を待つことがメジャーですが、それ以外の方法も多数あります。
中小企業庁『中小企業白書』によると、採用実現率のトップは、「知人、友人(親族含む)の紹介」(83.2%)。次いで「取引先からの紹介」(79.8%)、「ハローワーク」(76.4%)となっています。
ここ数年注目を集めている採用手法では、
・自社の社員に、採用候補者として友人・知人を紹介してもらう「リファラル採用」
・一度退職した社員を再雇用する採用する「アルムナイ採用」
など自社にあった採用活動に切り替えて成功する例も多数あります。
3.人材紹介エージェントの利用
採用コストに余裕がある企業の採用担当者は人材紹介エージェントの活用も1つの解決策です。求人よりもコストがかかるというデメリットはありますが、採用があれば料金が発生する成果報酬型のエージェントもあります。エージェント選択を誤らなければ、エージェントを利用するメリットは多数あります。
1.ハローワークの採用強化
採用コストを下げると聞いて、まず思いつくのがハローワークでの採用ではないでしょうか?ハローワークでの採用強化におけるポイントは以下の6点です。
- 職種は最大28文字のキャッチコピー
- 仕事内容の最初の3行が第一印象を決める
- 就業時間における特記事項
- 休日の記載方法
- 事業内容と会社の特長の記載方法
- 特記事項の記載方法
詳しくは以下の記事で紹介していますので、ネクストアクションの参考にしてください。
2.活用できる補助金・助成金の活用
採用コストを下げるには、国や自治体から支給される補助金・助成金の活用も大いに役立ちます。
「忙しくて知らている必要はない」という担当者様にはミイダス株式会社のこちらのツールがオススメです。アカウントの登録は必要ですが、自社の情報で検索すると利用可能な補助金・助成金の一覧が表示されます。
申請可能な助成金・補助金を簡単検索 - ミイダス
3.リテンション施策
優秀な人材の離職を防ぎ、継続して活躍してもらうための施策を人材用語で「リテンション」や「リテンションマネジメント」「リテンション戦略」などと呼びます。
リテンション施策を実行するメリットとして、「採用・育成コストの削減」「社内体制の強化」があげられます。既存社員の維持は採用コストを抑えることを狙う場合有効な施策です。
リテンション施策について、以下の記事で詳しく紹介していますので、ネクストアクションの参考にしてください。
「採用活動に割く時間がない」場合は、自社の採用体制を見直してみましょう。
見直すうえで大事なポイントは2つあります。
1つ目は「他の社員に任せるところは任せる」
言うまでもなく、会社の成長のカギを大きく握る人事担当は社内での評価が高い社員が任される傾向にあります。
そのため「自分にしかできない」と考えてしまいがちですが、選考の前の面談や1次面接は他の社員に任せることで、人事担当の負担は大きく軽減されます。
2つ目は「採用ターゲットの見直し」
「面接や面談の数は増えても内定・採用に至る人数が少ない」という悩みは、
中小企業に限らず、多くの人事担当の方がおっしゃる悩みです。
ターゲットの選定は施策を始める際は時間がかかりますが、
自社が求める人材を細かく掘り下げることで、長期的にみると採用活動に割く時間を削減することができます。
- 中小企業の約半数が人材不足に苦しんでいる。
- 中小企業の人事担当者の主な悩みは「求人への応募が集まらない」「採用コストがかけられない」「採用活動だけに割く時間が少ない」こと。
- 「求人への応募が集まらない」ことへの解決策は、「求人内容の見直し」「求人以外の採用活動の検討」「人材紹介エージェントの活用」。
- 「採用コストがかけられない」ことへの解決策は、「ハローワークでの採用強化」「補助金・助成金の活用」「リテンション施策」。
- 「採用活動だけに割く時間が少ない」ことへの解決策は、「他の社員に任せるところは任せる」「採用ターゲットの見直し」。
ここまで、「中小企業の人材不足の解決」を狙いに、取り組むべき施策をご紹介しました。
ミズサキではこうしたノウハウを生かしながら、採用戦略設計、入社後のフォロー体制の支援を行っています。
無料でご相談を承っておりますので、「人材不足の解決」にご興味のある方は是非お問い合わせください。