「日勤ドライバーはある程度採用できるのに、夜勤の募集になると応募がまったく来ない…」
運送会社の採用担当者の中には、このように思っている方も多いはずです。
しかし、本当に夜勤ドライバーの採用は、日勤よりも格段に難しいものなのでしょうか?
私たちミズサキは、日勤・夜勤を問わず、ドライバー採用に悩む企業を数多く支援してきましたが、日勤同様に夜勤ドライバーの応募数を増やすことは可能だと考えています。
本記事では、夜勤ドライバーの採用に苦戦する企業が陥りがちな失敗パターンと、日勤との違いを踏まえた求人作成のコツを解説します。
運送企業の90%は、夜勤ドライバー採用の正しいノウハウを知らないので、採用するなら今がチャンスです。夜勤ドライバーからの応募が入らない理由から、夜勤ドライバーからの応募を集める方法を網羅したので、最後までご覧ください。
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夜勤ドライバーを採用できない運送会社の特徴
「日勤は集まるのに、夜勤ドライバーだけ採用できない」
そう悩む運送企業の多くは、夜勤ドライバー特有の課題とニーズを見落としています。
夜勤ドライバーの失敗パターンを3つに分類しました。
特徴1:日勤と夜勤で求人票を分けていない
日勤ドライバーと夜勤ドライバーを分けず、一つの求人票としてまとめて作成していませんか?
求人票は1件作るだけでも大きな労力がかかるので、できるだけまとめたくなる気持ちはわかります。
ですが、日勤ドライバーと夜勤ドライバーは、希望するライフスタイルや価値観が異なり、当然、職場に求めている待遇や条件も違います。
ですから、夜勤ドライバーを採用したい場合は、日勤ドライバーとは別の採用ターゲット像を決めて、ターゲットにあわせた個別の求人票を作成してください。
特徴2:夜勤ドライバーに向けた待遇改善の欠如
夜勤独自の待遇改善を行っていない求人は、求職者からは決して選ばれません。
夜間労働は心身への負担が大きいため、法律で定められた深夜割増賃金だけでは、求職者を動機付ける対価として不十分といえます。
日勤と同じ基本給に深夜割増を足しただけという待遇では、採用競争力の観点から他社に見劣りします。
採用に成功している企業は、以下のような労働環境の改善を進めています。
日勤と同じ待遇に深夜割増をつければ集まるという見通しは捨て、夜勤という負担に対して会社がどのような見返りと配慮を用意しているかを提示しなければ、応募は獲得できないでしょう。
特徴3:ネガティブな情報を隠している
求職者を集めるためにネガティブな情報を隠すことは、面接時の不信感や入社後の早期離職を招きます。
採用活動において、業務の厳しさやデメリットをあえて事前に伝える手法は「リアリスティックジョブプレビュー」と呼ばれ、定着率向上に有効であることが知られています。
夜間の眠気対策の難しさや、最初の数ヶ月は生活リズムの調整で体調を崩しやすいといった実態を伏せて入社させても、現場に出た直後にギャップを感じて辞めてしまいます。
「夜勤=採用できない」は思い込み!日勤にはない5つのメリット
ターゲットを明確に絞り込めば、夜勤ドライバーは十分に採用可能です。
夜間労働には、日勤にはない強力なメリットが5つ存在します。
これらを夜勤ならではの魅力として求人票でアピールすることで、特定のニーズを持つ求職者からの応募を獲得できるでしょう。
メリット1:深夜割増による高収入
夜勤ドライバー最大の魅力は、日勤と同じ労働時間でも効率よく高収入を得られる点でしょう。
労働基準法第37条に基づき、22時から翌5時までの労働には通常の賃金の25%以上の深夜割増賃金が発生します。さらに、この労働が1日8時間を超える残業(法定時間外労働)である場合には、割増は合計50%以上となります。

したがって、同じ基本給であっても、深夜帯に稼働するだけで月額数万円単位の収入差が生まれます。
短期間で効率的に稼ぎたい層や、収入アップを最優先する求職者にとって、この点は非常に魅力的な選択肢となります。
メリット2:人間関係のストレスが少なく一人で黙々と作業できる
「運転席」というプライベート空間で、自分のペースで業務を進められることも大きなメリットです。
具体的には、以下のようなストレス要因が日勤と比べて大幅に軽減されます。
一見すると孤独はネガティブな要素に捉えられがちですが、人間関係の煩わしさを避け、一人で黙々と作業に集中したい層には、この環境こそが強力なアピールポイントになります。
メリット3:日中の自由時間が多い
平日の日中の時間を有効活用できることも、ライフスタイルを重視する層に刺さる利点です。
勤務時間が夜間に固定されることで、世間一般の人々が働いている日中がフリータイムになります。
平日の日中に行える活動の例としては下記が考えられます。
- 平日しか開いていない役所や銀行窓口の利用
- 混雑を避けた通院
- 資格取得勉強や、副業に充てる
プライベートな時間を充実させたい求職者に対して、明確なメリットとして提示できるでしょう。
メリット4:不在や再配達リスクがない
確実に荷物を届けられ、再配達のストレスがない点も夜勤の強みです。
夜間の配送は、企業向け(BtoB)の幹線輸送や店舗への納品が中心となります。
個人宅への宅配業務で社会問題となっている、受取人不在による持ち戻りや、再配達に伴うタイムロスが発生しません。指定された拠点へ確実に納品できるため、スケジュール通りに業務を終えやすくなります。
スムーズに業務を完遂したいドライバーにとって、心理的負担の少なさは大きな利点といえます。
メリット5:手積みなどの手作業が少ない
日勤のルート配送などと比較して、バラ積み(手積み・手降ろし)による肉体的な負担を軽減できる傾向にあります。
夜間は物流センター同士を結ぶ拠点間輸送(幹線輸送)がメインとなり、パレットやカゴ車を使用した荷役作業が中心となるからです。
国土交通省の調査によれば、幹線輸送ではパレット利用率が7割を超えており、地場配送に比べれば手積みの負担は軽減されていることが分かります。
体力に不安を感じ始めた40代から50代の経験者層や、運転業務そのものに専念したい求職者に対して、有効な訴求材料になるでしょう。
夜勤ドライバーだけが抱える不安とは?
求職者が夜勤への応募を躊躇する背景には、夜勤という環境に対する5つの特有の不安が存在します。
前段で解説した通り、夜勤には収入面や人間関係のストレス軽減など明確なメリットがありますが、それ以上に求職者は、身体的・心理的な負担へのリスクを強く危惧しているのです。
これらのストッパーを企業側がプロとして正しく理解し、求人や面接で先回りして解消することが、採用成功の鍵となります。以下より、求職者が抱く具体的な不安要素を解説します。
1. 昼夜逆転による睡眠障害などの健康リスク
求職者が夜勤ドライバーを敬遠する最大の障壁は、昼夜逆転の生活による健康リスクへの不安です。
夜間労働は人間の本来の生体リズムに反するため、睡眠障害や慢性的な疲労を引き起こしやすい傾向があります。
厚生労働省の「過労死等防止対策白書」によれば、自動車運転従事者は他職種と比較して週労働時間が長い傾向にあり、それに伴い「睡眠による休養が十分に取れていない」と回答する割合が全職種平均よりも高いことが報告されています。
同白書のアンケートでも、多くのドライバーが睡眠時間の不足や質の悪化を訴えており、健康リスクへの不安は採用における明確な障壁となっています。
そのため、企業側は「勤務間インターバル制度」の導入や定期的な健康診断の徹底など、具体的なサポート体制を提示し、労働環境の透明性を高める必要があるでしょう。
2. 事故への不安
深夜の視界不良や眠気による事故に対する不安も、求職者の応募を妨げる要因です。
警察庁交通局が公表している交通事故の発生状況のデータを参照すると、交通量が集中する日中と比較して、深夜から未明にかけての事故発生件数は少ないことが示されています。
一方で、警察庁の交通事故統計によれば事故発生時の死亡事故率は、昼間の約3倍に達します。

交通量の少なさを「安全」と過信せず、面接の場でこうした客観的な事実と自社の安全対策(最新の安全装置の導入など)をセットで伝え、不安を払拭することが重要です。
3. 家族や友人との時間の減少によるすれ違い
生活リズムの違いから生じる、家族や友人とのすれ違いや孤独感も大きな心理的ハードルのひとつです。
世間一般の活動時間と真逆の生活になるため、家族と過ごす時間や友人との交友関係を維持することが物理的に難しくなるのです。
とくに既婚者の場合、休日のタイミングが合わず家族との団らんが減少することを懸念します。
また、このすれ違いや前述した健康面への不安が重なり、実際の応募時や内定承諾のタイミングで配偶者や親から反対される「家族ブロック」が発生するケースも頻発します。
孤独を感じやすいという心理的負担や家族からの反対リスクを想定し、固定休の導入や有給休暇の取得しやすさをアピールするなどの対策も求められるでしょう。
4. トラブル発生時のサポート体制(深夜の孤立)への不安
深夜帯のトラブル時に孤立無援になるのではないかという、サポート体制への不安も応募をためらわせる理由のひとつになります。
車両故障や、納品先での荷物トラブル、あるいは急な体調不良が発生した際、運行管理者と連絡がつかない状況は、ドライバーにとって致命的なストレスになりえます。
自社の現状に合わせ、以下の表を参考に求職者の不安を払拭するアクションを検討してください。
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自社のサポート体制の状況
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取るべき具体的なアクション
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すでに24時間体制の管理がある場合
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運行管理センターの常駐やトラブル時のエスカレーションフローを求人票に明記し、安心感を伝える
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夜間の管理体制が未整備な場合
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夜間の緊急連絡先の明確化や、ロードサービスなど外部窓口との連携を整える仕組み作りから着手する
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現場のドライバーが一人でトラブルを抱え込まない仕組みがあることを示すことが、深夜の孤立に対する不安を取り除くために不可欠です。
5. 深夜の休憩場所や防犯・セキュリティ面への不安
安全に休憩できる場所の確保や、防犯面への懸念も、夜勤特有のストッパーとなります。
国土交通省が設置する「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」の資料によれば、多くのドライバーが休憩施設の混雑により駐車場所の確保に苦慮しており、特に清潔なトイレやシャワーといった設備面への不満が強い実態が明らかになっています。
こうした背景から、深夜帯における休憩場所の不足や不便さは、とくに女性ドライバーや業界未経験者にとって「まともに休めないのではないか」という強い懸念材料となります。
自社に十分な休憩施設があるかどうかに応じて、以下のような対策を検討し、求職者に提示することが重要です。
このように、自社の拠点の有無にかかわらず「セキュリティ面と快適性が確保された休憩環境」を会社としてバックアップする姿勢を示すことが、他社との大きな差別化に直結します。
夜勤ドライバーの採用を成功に導く4つの実践ステップ
夜勤ドライバーの採用を成功させるには、夜勤のメリットに魅力を感じる層へターゲットを絞り込み、彼らが抱く不安を先回りして解消する戦略が不可欠です。
本セクションでは、採用の失敗パターンから抜け出し、具体的な応募獲得へと繋げるための4つの実践ステップを解説します。
ステップ1:夜勤ドライバー固有のペルソナを作成する
まず着手すべきは、夜勤のメリットに魅力を感じる具体的な人物像、すなわちペルソナの設計です。
日勤と夜勤では求職者の志向性が異なるため、日勤のターゲット設定を流用すると訴求力が著しく低下するからです。
前段で解説した「夜勤ならではの5つのメリット」が、それぞれどのような層に刺さるのかを具体的にイメージし、自社が求めるペルソナを設定します。

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夜勤ならではのメリット
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具体的なペルソナ(人物像)の例
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①深夜割増による高収入
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短期間で効率的に貯金をしたい20代〜30代の独身層
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②人間関係のストレスが少ない
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対人コミュニケーションの煩わしさを避け、一人で黙々と働きたい40代
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③日中の自由時間が多い
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昼間に副業や資格勉強、通院、行政手続きなどの予定を入れたい30代
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④不在や再配達リスクがない
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宅配ドライバーの再配達ストレスに嫌気がさしている経験者
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⑤手作業が少ない(拠点間輸送)
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体力的な衰えを感じており、バラ積みなしで長く働き続けたい50代の経験者
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全日本トラック協会が実施した現役ドライバーへの意識調査においても、今の仕事を選んだ理由や仕事の魅力として、下記のような回答が上位にランクインしています。
- 人間関係の煩わしさがないから
- 自分のペースで仕事ができるから自分のペースで仕事ができるから
ターゲットを日勤と切り離して絞り込むことで、求人票やスカウト文面で発信すべきメッセージを明確にできるでしょう。
ステップ2. ターゲットが利用する求人媒体を選定する
ペルソナを設定した後は、その層が日常的に利用する求人媒体を適切に選定することが重要です。
ターゲットが閲覧しない媒体に求人を掲載しても、応募は期待できないからです。
たとえば、設定したペルソナに合わせて以下のように媒体を使い分けます。
ペルソナの行動特性に合わせて媒体を使い分けることで、採用コストの無駄を防ぎつつ応募を増やすことが可能になるでしょう。
ステップ3. 夜勤専門の魅力的な求人票を作成する
求人票は、前段で挙げた特有の不安5つを先回りして払拭する内容で作成します。
求職者は不安要素がひとつでも残っていると、応募という行動を起こしません。
特に夜勤は体力的な負担が懸念されるため、作業の負担度が正確に判断できる情報が強く求められます。
具体的には、以下のように曖昧な表現を避け、詳細な情報を網羅して記載するようにしましょう。
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記載すべき項目
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悪い記載例
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良い記載例
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給与内訳
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月給30万円から
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入社1年目の月収例30万円\ (基本給20万円、深夜割増手当5万円、無事故手当2万円、家族手当3万円)
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作業内容
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4トンルート配送
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4トントラック使用、1日平均走行距離150キロ、\ 配送件数2件、全線高速道路利用、パレット積み下ろし(手積みなし)
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安全対策
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安全運転に努めています
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全車両に衝突被害軽減ブレーキ搭載、\ 定期健康診断の補助あり
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サポート体制
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トラブル時は会社に連絡
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24時間体制の運行管理センター完備、\ 深夜帯の明確なエスカレーションフローあり
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不安を打ち消すリアルな情報を詳細に記載することで、求職者に安心感を与え、応募意欲を高めることができます。
ステップ4. 夜勤希望者へのスカウト送信
求人票を公開して待つだけでなく、夜勤に抵抗がなさそうな経験者に対してダイレクトにスカウトを送る手法も効果的です。
採用難易度が高いターゲットに対しては、企業側からの積極的なアプローチが採用成功の確率を高めます。
具体的なスカウトの対象者と、メッセージに盛り込むべき要素は以下の通りです。
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スカウトの対象者
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メッセージに盛り込む要素・文面例
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過去に夜勤経験がある人材
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対象者の夜勤経験を高く評価している点など、特別感を伝える文面
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一人で黙々と作業したい人材
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自社の24時間サポート体制であれば、孤立せずに安心して活躍できる旨を伝える文面
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企業側からの期待と安全への配慮を直接伝えることで、応募の心理的ハードルを大きく下げることが可能になります。
それでも夜勤ドライバーが集まらない場合の対処法
社内でノウハウを実践しても限界があり、採用が長期化してしまう場合は、別のバックアッププランへの切り替えが必要です。
外部の専門的なリソースを活用するか、社内リソースの再配分を検討しましょう。
ここでは、自社努力だけでは採用目標に届かない場合の次の一手を解説します。
採用代行(RPO)会社に依頼する
確実性とスピードを上げるためには、採用業務を外部のプロに委託する採用代行(RPO)サービスの活用が有効です。
採用市場のトレンドや、運送業界特有のターゲット層へのアプローチ手法に精通しているため、自社で進めるよりも高い確率で成果が見込めるからです。
RPOサービスを利用すれば、以下のような専門的な実務をすべて丸投げすることが可能です。
社内の人事担当者の業務負担を大幅に削減しつつ、採用成功の確率を引き上げたい場合に最も適した選択肢となります。
日勤ドライバーの兼務やシフト見直しを検討する
外部からの採用がどうしても難しい場合は、既存の社内リソースを活用する配置転換も検討しましょう。
新たに人材を確保するよりも、すでに自社の業務に精通している既存社員に任せる方が、教育コストとリスクを抑えられることもあります。
既存社員への打診にあたっては、以下のポイントを整理して提案してください。
外部採用に固執せず、待遇改善と社内でのシフト見直しをセットで提案することで、夜勤の人員不足の解決策になりえます。
夜勤ドライバーの採用に関するよくある質問
ここまで夜勤ドライバーの採用を成功に導く具体的な手順を解説してきました。
最後に、採用活動を進める上で人事担当者や経営者からよく寄せられる疑問について回答します。
まとめ
正しい手順と戦略を用いることで、夜勤ドライバーの採用は十分に可能です。
日勤とは異なる夜勤ならではのメリットを理解し、ターゲットを的確に絞り込むことがすべての起点となります。
採用活動を進める際は、以下の要点を意識して求人や面接のプロセスを見直してください。
運送業界全体が採用難に直面している現在、他社と同じような漠然とした求人を出しているだけでは、人材を確保することはできません。
自社の夜間労働に対する環境整備を見直し、その魅力を正しく発信することで、自社にマッチした夜勤ドライバーを獲得するための第一歩を踏み出してください。