navigation

新卒、若手社員の早期退職理由とは?他社の実態や退職を防ぐ方法を解説

  • 公開日:2024/11/02
  • 更新日:2024/11/27
藤村俊太郎
この記事を書いた人
藤村俊太郎

愛知県知多市出身。愛知県立明和高校→慶應義塾大学卒業。高卒採用・大卒採用・中途採用のプロフェッショナル。年間5000件以上の採用をマッチングさせる転職サービスの開発・運用を経験。自社採用部署における、新卒採用の立ち上げ・採用広報部署の立ち上げ・社員定着戦略/仕組みの構築を行う。採用戦略の構築とインハウス化が得意。

ようやく採用出来たと思ったらすぐに退職してしまう...
退職時の退職理由が本音ではないため、今後の改善に活かすことが出来ない...

採用担当や人事、会社を経営しているあなたが一度は経験のあることではないでしょうか。

防ぐことができる新卒、若手社員の早期退職をなくし、社員が伸び伸びと育って輝き、会社の成長にも貢献してくれるようになる。そのような職場環境を作るには、まずは新卒、若手社員の早期退職の本当の理由について知る必要があります。

今回は「新卒、若手社員の早期退職の理由」について、他社の新卒、若手社員の早期退職事情や、実際に起きたケースも交えながら、新卒、若手社員の早期退職を防ぐ方法をご紹介します。

関連記事
人材戦略におけるリテンションとは?メリットや今すぐ真似できる成功事例を交えて解説
エンゲージメントを高める│内定辞退、早期退職0のために

採用支援4000社のノウハウが詰まった
「採用戦略・実務の教科書」を無料でプレゼント中
PDF特典

知名度が低くて時間とリソースがないから、
これ以上の採用人数は望めない…
そう思っていませんか?

正しい採用戦略とノウハウを用いれば、今あるリソースでも採用人数を増やすことは可能です。4000社以上の採用支援から導き出した、”現場で使える採用戦略・実務の教科書”を無料でプレゼント中です。

今すぐ無料で手に入れる
 

新卒、若手社員の早期退職とは?

一般的には、3年以内の離職を「早期離職」と定義します。

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」でも就職してから3年以内の離職率を計算しており、一般的に基準は3年です。

 今回は「新卒、若手の早期退職の理由」について、他社の新卒、若手の早期退職事情や、実際に起きたケースも交えながら、新卒、若手の早期退職を防ぐ方法をご紹介します。

この記事を読むメリット
  1. 他社の新卒、若手社員の早期退職事情がわかる
  2. 本音を言わずに辞めていった新卒、若手社員が早期退職した本当の理由がわかる
  3. 新卒、若手社員の早期退職を防ぐために明日から実行すべきアクションが見つかる

新卒、若手社員の早期退職Q&A!他社の新卒、若手社員の早期退職事情が丸わかり!

自社の新卒、若手社員の早期退職を防ぐために、まずは新卒、若手社員の早期退職が発生する理由を知る必要があります。

新卒、若手社員の早期退職が発生する理由は会社の数だけありますが、まずは他社の新卒、若手社員の早期退職事情を見ていきましょう。

こちらの章では、人事担当が知っておくべき、他社の新卒、若手社員の早期退職事情をQ&A方式で紹介していきます。

どれくらいの割合で新卒、若手社員の早期退職は起きている?

新卒入社した従業員が3年以内に離職する「早期離職」が増え、3年以内に3割が新卒離職すると言われています。 同様に、中小企業庁の調査によると、中小企業において中途採用者が採用の3年後に離職する割合は約3割とされています。

この結果から、新卒・若手社員が入社から3年後に離職する割合が3割を超えている企業は新卒・若手社員の離職率が高いと捉えても問題なさそうです。

新卒、若手社員の早期退職が多い業界は?

先ほど、新卒・若手社員が入社から3年後に離職する割合が3割を超えている企業は新卒・若手社員の離職率が高いといえると紹介しましたが、もちろん業界によって早期退職の割合は異なります。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」によると、早期退職が多い業界は上から、「飲食サービス・宿泊業界」「娯楽業界・生活関連サービス業界」「教育・学習支援業界」となっています。1位の「飲食サービス・宿泊業界」では半数以上の51%、「娯楽業界・生活関連サービス業界」でも48%、「教育・学習支援業界」46%と新卒の2人に1人が早期退職をしています。

そのほか、早期退職と検索するとサジェスト上位に表示される看護師が活躍する「医療・福祉業界」も39%と比較的高い数字になっています。

新卒、若手社員の早期退職が発生しやすい時期は?

新卒、若手社員の早期退職が発生しやすい時期は、ズバリ入社直後です。
「もう少し様子を見ればいいのに・・・」という意見もありますが、特にZ世代と呼ばれる新卒・若手社員は早期退職をするタイミング自体が早くなっていることも大きな特徴です。

人間関係?パワハラ?体調不良?新卒、若手社員の早期退職の理由ランキング 

リクルート社の調査によると、
実際に退職した新卒、若手社員が退職した理由は、「労働環境・条件がよくない(労働時間、休日のとりやすさなど)」(25.0%)、 「給与水準に満足できない」(18.4%) 、「職場の人間関係がよくない、合わない」(14.5%)などが上位でした。

2位にランクインした 「給与水準に満足できない」は早急な改善が難しそうですが、その他の理由は、人事担当者の働きがけによって改善することができそうです。

若者はすぐ辞めるから仕方がない?新卒、若手社員の早期退職が起きるデメリット

この章では、新卒、若手社員の早期退職が起きるデメリットを2点紹介します。

採用・育成コストの増加

企業による大小の差はあれ、新卒、若手社員の離職率が悪化すれば採用・育成コストは更なる出費を迫られます。

・採用コスト:エージェント費用や求人サイトの掲載料など
・育成コスト:研修やOJT等でかかるサービス利用料や業務工数など

社内体制が強化されない

1年目、2年目の社員が多い組織と比べると、入社10年目の社員が多数いる組織は、個人の業務の質だけでなく、企業風土の浸透など社内体制が強化されやすいことは言うまでもありません。

新卒、若手社員の早期退職が続けば、長期的にみた場合の業績にも悪影響を及ぼします。

新卒、若手社員の早期退職の具体的なケース〜1年間のインターンシップ後、入社2週間で退職したAさんの場合〜

この章では、実際に起きてしまった新卒、若手社員の早期退職のケースを紹介します。

筆者の大学の後輩であるAさんは新卒で入った会社を2週間で退職してしまいました。1年間のインターンシップ後、入社2週間で退職してしまったAさん。退職に至った理由は何だったのでしょうか?主な理由は3つありました。

1つ目はなかなか自分の本音を言い出せず、無理をして職場の人間関係を続けてしまったこと。
インターンシップの時点で、「職場の雰囲気に合わない」という感想を持っていたそうですが、せっかく内定をもらった会社ということで周りに合わせてしまったそう。
この点は人事担当者の責任だけではありませんが、面談や普段のコミュニケーションからAさんの心を開かせるようなやりとりができていれば少しは変わったかもしれません。

2つ目は労働時間の長さでした。
Aさんはインターンシップの頃から「社員の人はいつも働いているな」と言う感想を持っていたそう。
実際に入社してみると、平日の残業は当たり前。土日に至っても、朝から晩までミーティングや研修が続き、「この環境ではやっていけない」という感想を持ったそうです。

3つ目は、会社に何を期待されているか分からないことでした。
新卒で社会人経験のなかったAさんは、「すぐに会社の戦力として一人前にならなければいけない」と強く思ってしまいました。
その結果、入社直後の自分と会社の戦力である先輩社員とのギャップに悩み、退職してしまいました。
この点は、「この時期までにこれができるようになろう」といった指標があれば、Aさんも安心して勤務を続けられたのではないかと思います。
また、Aさんは退職の際に、退職理由を「続けていく自信がない」とだけ伝えたそうで、具体的な点は一切ふれなかったそうです。

新卒、若手社員の早期退職を防ぐ具体的な施策

前章までに新卒、若手社員の早期退職に関する実態や新卒、若手社員の早期退職の理由ランキング、早期退職の実際にあった具体的なケースをご紹介しました。

最後にこの章では、新卒、若手社員の早期退職を防ぐための具体的な施策をご紹介していきます。

  1. 待遇の充実
  2. 労働時間の改善
  3. 上司や人事と定期面談する機会をつくる
  4. 育成・研修方法の変更
  5. メンター制度をつくる
  6. 採用基準を見直す

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.待遇の充実

リクルート社の調査でも新卒、若手社員の早期退職理由の2位にランクインしたように、待遇を充実させる事は新卒、若手社員の早期離職防止に役立ちます。
急激な改善と言うのは難しい分野になりますか、自分の会社が良い方向に向かっていると言う実感だけでも、社員は前向きに働くことができます。
スモールステップで良いので徐々に進めていきましょう。

2. 労働時間の改善

新卒、若手社員の定着には、働きやすい職場環境であることが必須です。そのために、新卒、若手社員がワークライフバランスのとれた生活を送れるよう、有給休暇や残業の制度を見直してみましょう。

3.上司や人事と定期面談する機会をつくる

定期的に社内面談を行うことで、新卒、若手社員の定着につながります。
この施策で最も良い点は、会社と社員側での認識の違いや誤解を解ける機会であること。会社が期待する成長の方向へ若手社員を導きやすくなります。

4.育成・研修方法の変更

入社後のフォロー体制や独り立ちまでの期間が適正かを見直すことも新卒、若手社員の定着に役立ちます。
社内の教育体制や制度が、新卒、若手社員にとって適切なものになっているかを今一度見直しましょう。

5.メンター制度をつくる

厚労省によると、メンター制度とは、豊富な知識と職業経験を有した社内の先輩社員(メンター)が、後輩社員(メンティ) に対して行う個別支援活動を指します。キャリア形成上の課題解決を援助して個人の成長を支えるとともに、職場内での悩みや問題解決をサポートしやすくなる効果が期待できます。

6.採用基準を見直す

新卒、若手社員の早期退職があると、他の新卒、若手社員もこの会社で大丈夫なのか?と不安になってしまいます。
そうした悪循環を防ぐためにも、採用時のミスマッチを防ぐことが重要です。応募を集めるだけでなく、入社後に活躍・定着しやすい人物の採用要件を再検討することも重要な施策のひとつです。
取るべき戦略は企業の数だけあるため、自社に最適な施策を実行しましょう。

「新卒、若手社員の早期退職理由」のまとめ

・新卒、若手社員が退職する理由は、「労働環境・条件がよくない」、 「給与水準に満足できない」「職場の人間関係がよくない、合わない」などの理由が多い。

・新卒、若手社員の定着のためには「待遇の充実」、「労働時間の改善」、「上司や人事との定期面談」、「育成・研修方法の変更」、「メンター制度」、「採用基準の見直し」などの中から、自社の課題にあった施策を行うことが重要。
 
ここまで、「新卒、若手社員の早期退職を減らす」ことを狙いに、新卒、若手社員の早期退職が起きる理由、改善にあたり取り組むべき施策をご紹介しました。

ミズサキではこうしたノウハウを生かしながら、採用戦略設計、入社後のフォロー体制の支援を行っています。
無料でご相談を承っておりますので、「新卒、若手社員の早期退職の防止」にご興味のある方は是非お問い合わせください。

採用支援4000社のノウハウが詰まった
「採用戦略・実務の教科書」を無料でプレゼント中
PDF特典

知名度が低くて時間とリソースがないから、
これ以上の採用人数は望めない…
そう思っていませんか?

正しい採用戦略とノウハウを用いれば、今あるリソースでも採用人数を増やすことは可能です。4000社以上の採用支援から導き出した、”現場で使える採用戦略・実務の教科書”を無料でプレゼント中です。

今すぐ無料で手に入れる

人気の記事

2025年、2026年卒高校生採用スケジュール|高卒就活の独自ルールを解説

2025年卒、2026年卒(令和7年卒、令和8年卒)の高校新卒採用の独自ルールとスケジュールについて紹介します。ハローワークへの求人申込書受付開始から企業による選考開始まで、高校新卒採用で抑えておきたい日程について解説しています。

カジュアル面談で学生・転職者の志望度を高める14の質問|理想的な面談の流れ・進め方を解説します

効果的なカジュアル面談の質問と進行方法を解説し、求職者の志望度を高めるノウハウを紹介します。

最低賃金の月給計算ツール|あなたの会社の給与は大丈夫?最低賃金を2024年の最低賃金改正に対応

都道府県と労働時間を選ぶだけで、最低賃金の月額を簡単に計算できるツールです。年間休日数・月平均労総日数・月平均労働時間など、労働時間は様々な方法で計算可能です。2024年に改正された最低賃金に対応しています。毎年10月に施行される最低賃金の改正について併せて解説しています。

2026年卒、2027年卒の大学新卒採用スケジュール│ベンチャー、中小企業向けの採用スケジュールと採用戦略

2026年卒、2027年卒の大学新卒採用スケジュール。 ベンチャー、中小企業が大学新卒で成果を出すために重要なのが、競合企業の採用の動きを把握すること。 大学生、大手企業、ベンチャー・中小企業の3軸でスケジュールをご紹介します。 またスケジュールを踏まえたうえでのベンチャー、中小企業向け採用戦略を解説します。

エンゲージメントを高める方法|従業員のエンゲージメントが高い企業の特徴・採用活動への応用方法を解説

内定辞退、退職を0にし、社員が伸び伸びと育って輝き、会社の成長にも貢献してくれるようになる。 その力を持っているのが「エンゲージメント」です。 今回は「エンゲージメント」を向上する方法を、筆者の経験も交えながらご紹介します。

高卒採用の二次募集│スケジュールとポイント

実は高校新卒採用には「一次募集」と「二次募集」が存在します。 高校生は9月に学校を通して応募、選考に進み内定を得ます。 この時期が「一次募集」。 そして一次募集期間終了後に、予定採用人数に足らずさらに募集を継続するか、または追加で採用活動を行うのが「二次募集」です。 今回は二次募集について解説します。