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応募が来ない採用広報を脱却する方法|逆算思考で作る戦略ロードマップ

成果が出ないを解消!プロが現場で使う採用広報の戦略ロードマップ
  • 公開日:2026/02/09
  • 更新日:2026/02/09

「noteで投稿しているのに応募が来ない」「フォロワーは増えたが採用につながらない」

そんな採用広報に限界を感じていませんか。

実は、採用広報で成果が出ない企業の共通点は、施策を仕掛ける順番、つまり戦略の設計ミスにあります。

マッチングアプリでプロフィールが空欄のまま「いいね」を押し続けても意味がないように、採用広報も認知から始めてはいけません。

必要なのは、求職者との関係性構築プロセスに対して、逆算して進める採用広報の戦略です。

本記事では、採用広報の支援会社であるミズサキが、実際の現場で使用する戦略とその具体例について、ファーストステップから実践できるように、戦略の全体像と具体的なロードマップを公開します。

遠藤真
この記事を書いた人

ミズサキ株式会社共同創業者。静岡県出身、慶応大卒。医療系IT企業での統括経験を経て、採用広報代行「リクルーティングPR-X」を創設。SEOやWebライティングの知見を掛け合わせた「採用ブランディング」と戦略的な「広報」支援に強みを持つ。企業の魅力を最大化する採用広報のスペシャリスト。

[ 目次 ]

  1. 採用広報の戦略ロードマップは応募に近いポイントから構築する
    1. 【全体像】正しいロードマップは「ゴール」から始まる
    2. 理由1:成果までのタイムラグをなくし、最速でPDCAを回すため
    3. 理由2:全チャネルの歩留まりを改善し、投資対効果を高めるため
    4. 理由3:発信に一貫性が生まれ、運用工数を最小化できるため
  2. ステップ①:求職者の最終到達地点「ゴールコンテンツ」を作る
    1. ゴールコンテンツとは求職者が応募前最後に見る情報
    2. ゴールコンテンツの目的
    3. ゴールコンテンツの具体例
    4. ステップ①におけるKPI
    5. ゴールコンテンツの必須要素
  3. ステップ②:認知と応募をつなぐ「資産型コンテンツ」を蓄積する
    1. 資産型コンテンツとは「消えずに残り続ける」情報
    2. 資産型コンテンツの目的
    3. 資産型コンテンツの具体例
    4. ステップ②におけるKPI
    5. 資産型コンテンツに迷ったら、まずはこの3本から作る
  4. ステップ③:最初の接点を作る「認知拡大型コンテンツ」の構築
    1. 認知拡大型コンテンツの役割とタイミング
    2. 認知拡大の具体的な手法
    3. 運用を効率化する「切り抜き・再利用」戦略
    4. ステップ③におけるKPI
  5. 戦略実行の鍵となる「採用ペルソナ」と「心理変容」の設計
    1. デモグラフィックよりも「サイコグラフィック」
    2. 【実践編】価値観で惹きつけるサイコグラフィック採用ペルソナの作り方
    3. 3つのフェーズで描く求職者の心理変容
  6. 媒体選びのポイント|流行りではなく相性と役割で選ぶ
    1. ミズサキが推奨する基本構成
    2. 資産型と認知拡大型のバランス
    3. 認知拡大ではターゲット職種ごとの生息領域が重要
    4. 運用リソースに見合った媒体を選ぶ
  7. 採用広報の戦略に関するよくある質問
    1. 採用広報で成果が出るまでどれくらいの期間が必要ですか?
    2. 専任の担当者がいなくても採用広報に取り組めますか?
    3. 外部パートナー(運用代行)にはどこまで任せるべきですか?
  8. 成果を出すための採用広報3つの鉄則

 

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採用広報の戦略ロードマップは応募に近いポイントから構築する

採用広報において、採用人数の増加という成果を出すためには、応募に近いポイント(ゴール)から逆算して仕組みを作る必要があります。

一般的なマーケティングファネルでは「認知→興味・関心→比較・検討→応募」と進みますが、広報の仕組みを作る際は、この矢印を逆向きにたどらなければなりません。

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遠藤
なぜ、一般的な順序ではなく、ゴール起点で進めるべきなのか。その全体像と3つの戦略的メリットを解説します。

【全体像】正しいロードマップは「ゴール」から始まる

多くの企業が認知から始めて疲弊してしまうのに対し、成果を出す企業は以下の順序で進めます。

正しい採用広報戦略の図解・応募者の行動と逆の順番でコンテンツを作る

「認知拡大」は最後に取り組むべき工程です。

まずは受け皿となるゴールを固め、そこから興味、認知へとさかのぼるように採用広報を進める成果が出ている企業が、このように逆算のロードマップを描いているのは、3つの理由があります。

それぞれ具体的に見ていきましょう。

理由1:成果までのタイムラグをなくし、最速でPDCAを回すため

1つ目の理由は、施策を行ってから成果が出るまでの即効性です。

Web上での認知獲得を目指してSEOやSNS運用を始めた場合、アルゴリズムに評価され、目に見える数字として成果が出るまでには、例えばSEO(検索流入)を狙う場合、半年以上の期間を要します。

これでは、施策が正しいのかどうかの判断が遅れ、担当者のモチベーションも維持できません。

一方で、ステップ①と定めたゴールコンテンツの改善は、既にあるタッチポイントの改善なので、即効性があります。

例えば、スカウトメールに添付する採用ピッチ資料を刷新すれば、その直後に送ったメールの返信率や、一次面接への移行率といった数字に変化が現れます。

endo
遠藤

「求職者から『資料がわかりやすかった』と感想をもらえた」
「面接での食い違いが減った」

といった、フィードバックを早期に得られるため、高速でPDCAを回すことができ、採用活動全体の質が短期間で向上します。

理由2:全チャネルの歩留まりを改善し、投資対効果を高めるため

2つ目の理由は、採用活動全体の投資対効果の最大化です。

ゴールコンテンツが不十分な状態で集客を行うことは、貴重な予算とリソースを浪費することと同義です。

興味を持ってサイトを訪れた求職者が、情報の少なさに失望して離脱してしまえば、そこにかけた広告費や人件費はすべて無駄になります。

逆に、最初に魅力的なゴールコンテンツを作り込んでおけば、Web集客だけでなく、既存の流入経路の決定率が向上します。

既存の流入経路 効果
エージェント紹介 エージェントが求職者に推薦しやすくなり、紹介数が増える。
リファラル採用 社員が友人を誘う際、「とりあえずこれ見て」と資料を渡せるため、紹介のハードルが下がる。
スカウトメール 添付資料の質が上がることで、返信率が高まる。

このように、ゴールを固めることは、採用チャネル全体の底上げに直結します。

理由3:発信に一貫性が生まれ、運用工数を最小化できるため

3つ目の理由は、情報発信の一貫性運用の効率化です。

採用ピッチ資料などのゴールコンテンツは、企業の魅力が最も凝縮された「情報の源流(親コンテンツ)」となります。これさえ完成していれば、求職者に対するスタンスが明確になり、あとの工程は非常に楽になります。

ゴールコンテンツ=源流があれば、発信に一貫性が生まれ効率も上がる図解

  • ブログ(資産): 資料内の「創業ストーリー」のページを広げて記事にする。
  • SNS(認知): 資料内の「データで見る働き方」の図解を切り抜いて投稿する。

「SNS投稿の方向性が定まらない」「投稿ネタがない」と悩むのは、この源流がないからです。

最も濃い情報としてゴールコンテンツから作り、それを薄く広く展開していくことで、一貫性を保ちながら最小限の工数で情報発信を継続できます。

ここからは各ステップの具体的な取り組み方を紹介します。

ステップ①:求職者の最終到達地点「ゴールコンテンツ」を作る

採用広報戦略のファーストステップは、求職者が応募の意思決定をするためのゴールコンテンツの作成です。

具体的には、「採用ピッチ資料」「採用サイト(LP)」「長尺の会社説明動画」などがこれに該当します。

endo
遠藤

このステップでゴールコンテンツを制作する意図は、PV数を稼ぐことではありません。

自社の実情を正確に伝え、求職者とのミスマッチをなくすこと、すなわち応募後の入社率定着率を高めることが最大の狙いです。

ゴールコンテンツとは求職者が応募前最後に見る情報

ゴールコンテンツは、求職者が応募ボタンを押す前、最後の判断材料として閲覧する情報です。

(厳密には、選考中や内定後にも見ている求職者が多い。だから選考中の離脱や定着率を高める役割がある。)

SNSやブログ記事が「きっかけ」を作るものだとすれば、ゴールコンテンツは「確信」を与えるものです。求職者は、SNSで興味を持ったとしても、それだけで人生の大きな決断である転職を決めるわけではありません。

必ず、「事業の将来性はどうか」「自分に合うカルチャーか」「待遇は希望通りか」といった詳細情報を確認し、納得した上で応募します。

この詳細情報が網羅された受け皿こそが、ゴールコンテンツです。

ゴールコンテンツの必須要素は後述するので、作成するときに参照してください。

ゴールコンテンツの目的

ゴールコンテンツには、自社の魅力を伝えるだけでなく、フィルタリングという重要な役割があります。

優れたゴールコンテンツの条件は、自社にマッチする人材には「ここで働きたい」と思わせることだけではありません。マッチしない人材には、「自分には合わない」と応募前に離脱を促すことが重要です。

全員に好かれようとして美辞麗句ばかりを並べると、入社後のリアリティショックを招き、早期離職につながります。

求職者にありのままの情報を提示し、相互理解を深めた状態で選考に進んでもらうことが、このコンテンツの本来の目的です。

ゴールコンテンツの具体例

具体的には、以下のような媒体や形式でコンテンツを用意します。

ゴールコンテンツ具体例 解説

採用ピッチ資料

  • 費用:内製可能 / 外注する場合 数十万円~
  • 必要人数:広報担当1人+資料内の登場社員+デザイナー
会社概要、事業内容、組織図、福利厚生などを1つのスライドにまとめた資料です。SpeakerDeckなどのプラットフォームで公開し、誰でも閲覧可能な状態にします。

採用ランディングページ(LP)

  • 費用:内製可能 / 外注する場合 数十万円~
  • 必要人数:広報担当1人+資料内の登場人物+Webデザイナー
企業の採用情報に特化したWebページです。社員インタビューや募集要項を集約し、応募フォームへの導線を設置します。

記事(note / Wantedly / オウンドメディア)

  • 費用:note 0円~ /  Wantedly 月5万円~
  • 必要人数:広報担当1人+資料内の登場人物

創業ストーリーや代表メッセージなど、テキストで深く読み込ませるコンテンツです。企業の「思想」や「背景」を伝えるのに適しています。

オウンドメディアに取り組む場合はSEOも重要なので、SEOコンサルティング会社の活用も選択肢です。

長尺動画

  • 費用:内製可能 / 外注する場合 数十万円~
  • 必要人数:広報担当1人+資料内の登場人物+動画編集者
30分〜1時間程度の会社説明会動画や、オフィスツアー動画です。文章では伝わりにくい職場の雰囲気や、経営陣の熱量を伝えます。

対面(カジュアル面談など)

  • 費用:0円
  • 必要人数:カジュアル面談担当者1人以上

面談もまた、強力なゴールコンテンツの一つです。単なる質疑応答の場ではなく、後述する必須要素を盛り込んだプレゼンテーションを行い、口頭で直接魅力を伝えます。

カジュアル面談の構成方法は以下の記事を参考にしてください。
カジュアル面談で学生・転職者の志望度を高める14の質問|理想的な面談の流れ・進め方を解説します

すべての媒体でゴールコンテンツを作成する必要はありません。

後述する「媒体選びのポイント」を参考に、運用するべき媒体を選定してください。

endo
遠藤

代表的なゴールコンテンツは採用ピッチ資料です。

「採用ピッチ資料がそもそも何かわからない……」という人は、以下の記事を参考にしてください。

採用ピッチ資料の作り方ガイド|構成案・テンプレート・事例を網羅解説

ステップ①におけるKPI

この段階で追うべきKPI(重要業績評価指標)は、PV数ではなく、応募後の入社率定着率(ミスマッチのなさ)です。

どれだけ多くの人が資料を見ても、そこからの応募者が選考で不合格になり続けたり、入社後にすぐ辞めてしまったりしては意味がありません。

「資料を読んだ上で応募してきた人は、自社のカルチャーをあらかじめ深く理解している」という状態を目指します。

ただし、これらの指標は結果が出るまでに数ヶ月単位の時間を要します。

そのため、ゴールコンテンツが完成し、ある程度の水準(後述の必須要素を網羅している状態)に達したら、KPIの確定を待たずに次のステップ(資産型コンテンツの作成)へ進んでください。

運用しながら、長期的に内容をブラッシュアップしていくことが重要です。

ゴールコンテンツの必須要素

ゴールコンテンツには、求職者の疑問や不安を解消するために、以下の7つの要素を必ず盛り込んでください。これらが欠けていると、応募への心理的ハードルが下がりません。

ゴールコンテンツの必須要素チェックリスト

ここでは、それぞれの必須要素について解説します。

1. ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)

会社名や代表名だけでなく、なぜその事業を行うのかという存在意義や、会社が目指す未来を語ります。

MVVは、既に用意されたものがあるかもしれませんが、そのまま載せるだけではなく、その理念を掲げる理由や、きっかけとなった出来事とセットで提示してください。

endo
遠藤

もし、MVVの理由や背景を述べることができないのであれば、時間を取って代表や上司に確認しましょう。ここを広報担当者がわかってないと、求職者に会社の理念を共有することはできません。

MVVって何?

MVVって何?」「どういう意味だっけ?」という方は、以下の記事を先に確認してください。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?図解と事例でわかる策定・浸透の教科書

2. 事業内容・ビジネスモデル

専門用語を避け、業界未経験の家族にも伝わるレベルで図解します。

具体的には、以下の3つの要素に分解して整理してみてください。

事業内容・ビジネスモデルの要素

誰のどんな課題か

成果が出ておらず「形だけの採用広報」になってしまっている企業、またはこれから始める企業の広報担当者が抱える、「採用広報の正解が見つからない」という課題。

どう解決しているのか

成果に裏打ちされた採用広報の戦略構築と技術で、立ち上げやテコ入れから実務までトータルサポート。

どう収益を得ているか

AIやスペシャリストではない社員には代替できない高品質な記事の入稿を続けることで、リピート率90%以上を維持している。また、読者のニーズを的確にとらえる記事制作の技術を、コンテンツマーケティングに発展させ、検索エンジン経由の新規集客による広告費の抑制により利益を創出している。

3. 市場環境・成長性

信頼できる客観的なデータや過去の売上推移を用い、会社が成長フェーズにあることの「安心感」と「期待感」を醸成します。

市場規模などの客観的なデータを調べるときは、Googleで「〇〇業界 市場規模」と検索して最新のデータを参照してください。

ニッチな業界によっては調査機関や公的機関の市場規模などの調査データが存在しない場合もあります。その場合は、ChatGPTやGeminiなどの生成AIのDeepResearch機能を使用して、以下のプロンプトを入力してください。

ただし、生成AIからアウトプットされたデータは、必ずしも正しいものとは限らないので、必ず自分自身、あるいは上司と共に参照元の情報をチェックしてください。

市場リサーチに使用するプロンプト

# 指令

あなたは市場規模調査に優れた一流のデータアナリストです。

{〇〇}業界の市場規模を正確に計算してください。

市場規模を調査し、必ず参照元のURLと共に提示してください。

4. 組織・チーム・カルチャー

所属メンバーの人数や平均年齢などのデータに加え、オフィスの写真やイベントの様子を掲載し、職場の空気感を可視化します。

カルチャーを発信するとき、広報担当者の大半は「実際よりも良く見せよう」と工夫していますが、入社後の社員が「書いてあった内容と違う…」とギャップを感じてしまっては意味がありません。

ここでは3カテゴリーに分けて具体例を挙げておきますので、偽りのない実態を紹介するコンテンツにしてください。


1. 人・組織の解像度を上げる要素

項目 NG:ありがちな掲載 OK:魅力に変える伝え方
社員紹介

プロフィールと趣味だけ


人柄は伝わりますが、「仕事のレベル感」が見えづらく、優秀な層ほど物足りなさを感じます。

「直面した壁」と「乗り越え方」を書く


「入社後にどんな苦労があり、どう成長できるか」というストーリーを添えることで、自分事として捉えてもらえます。

組織図

部署名の羅列のみ


自分が組織のどこに配置されるのかイメージできません。

「あなたの席」を明示する


募集中ポジションを赤枠で囲み、連携する他部署を矢印でつなぐと、入社後に関わる人たちがわかり、イメージの醸成につながります。

部署紹介

「仲が良い」アピール


雰囲気の良さは大切ですが、それだけだと「仕事の中身」が見えず、プロフェッショナル志向の人に響きません。

チームの「ミッション」を語る


「何を目指しているチームか」「どんなツールを使っているか」「会議の頻度」など、具体的な働き方を可視化します。

役員・部門長

華麗な経歴の羅列


すごい経歴だけを並べると、「トップダウンが強そう」「雲の上の人」と距離を感じさせてしまいます。

「組織の弱み」と「助けてほしいこと」


「今、我々にはこの力が足りない。だからあなたの力を貸してほしい」と誠実に語ることで、当事者意識を刺激します。

2. 数字を「会社の意思」に翻訳する

項目 NG:ありがちな掲載 OK:魅力に変える伝え方
平均年齢・構成

数字だけを記載すると置く


高いと「古い体質」、若いと「教育体制が不安」と、勝手にネガティブな想像をされてしまいます。

数字の背景にある「強み」を添える


高い場合:「ベテラン層が厚く、育成環境が整っています」


若い場合:「年功序列がなく、早期にリーダーへ抜擢されます」

男女比率

偏りがあるグラフのみ


男性が多いと「女性は働きにくい?」、女性が多いと「男性の肩身が狭い?」と誤解されがちです。

「環境整備の具体例」をセットにする


「現在は男性が多いですが、女性も働きやすいように、生理休暇の整備など環境整備を進めています」と具体的な取り組みを紹介します。

未経験比率

「未経験歓迎」の文字だけ


研修制度や教育体制の具体的な裏付けがないと、未経験の人にとって信用できる会社ではありません。

「育成のロードマップ」を見せる


「入社3ヶ月でここまで教えます」というカリキュラムをセットにすることで、未経験歓迎の言葉に責任と重みが生まれます。

職種比率

円グラフのみ


自分が少数派の職種(例:営業会社でのエンジニア)の場合、「肩身が狭そう」と不安になります。

「少数派」の重要性を補足する


「エンジニアの人数は少ないですが、事業の核として社長直下で裁量を持っています」など、数値だけでなく職種ごとのメリットを伝えます。

新卒・中途比率

データのみ


新卒が多い会社に対し、中途入社者は「疎外感」や「馴染みにくさ」を懸念します。

中途社員の「活躍実績」を添える


「中途入社1年目の社員がマネージャーに昇格」などの実例を出し、フェアな評価制度があることを証明します。

3. 環境の「リアル」を見せる

項目 ありがちな掲載(NG) 魅力に変える伝え方(OK)
オフィス紹介

誰もいない綺麗な共有部


モデルルームのような写真は綺麗ですが、「実際にそこでどう働くか」の体温が伝わりません。

「生活感」のある執務エリア


デュアルモニターのデスク、ホワイトボードに残った議論の跡など、「仕事に熱中できる環境」であることを伝えます。

イベント紹介

飲み会の集合写真


「飲み会が多い=強制参加?」と警戒する人も増えています。楽しさの押し売りは逆効果になることも。

「目的」のある交流風景


勉強会やランチ会など、業務に関連するイベントを中心に。飲み会や社員旅行などを紹介するときは、「※参加は任意です」という一言を添えましょう。実際の参加率を提示すると尚良いです。

5. 制度・働き方・福利厚生

給与体系、評価制度、リモートワークの可否、残業時間など、生活に直結する条件を包み隠さず記載します。

その他には、システムエンジニアリングの会社であれば開発環境開発フロー、運送業であれば車両設備配達ルートなど、自社の業界特有の切り口で紹介し、求職者が持つイメージを可能な限り具体化していきます。

6. 自社の課題・今後の挑戦

良いことばかりではなく、現状抱えている壁不足しているリソースを正直に伝え、「だからあなたに助けてほしい」というメッセージを発信します。

ここで提示する課題は、労働環境に関する内容である必要はありません。

例えば、リピーター獲得率が低いことが事業の課題であれば、その改善のために各部署で行っている施策を公表します。

部署 記載例
経営企画部 リピート率を向上させる仕組みとして、コールセンター部署の創設を検討し、現在設置に向けて動き出しています。
カスタマーサクセス部 最新のオペレーティングシステムの導入を検討しています。本当にサポートを必要としている既存顧客への対応時間を確保することが目的です。
営業部 営業を通したリピート率改善の現場の声を収集。カスタマーサクセス部署への連携を実施しています。
製造部署 品質向上のため、QA(品質管理)を専門で実施する部門を創設します。

このような情報を開示したうえで、品質管理に精通している人材が必要であることを記載します。

7. 採用情報・選考フロー

具体的な選考ステップ(面接回数や課題の有無)や、求める人物像を明記します。

プロセスを透明化することで、応募の心理的ハードルを下げます。

ステップ②:認知と応募をつなぐ「資産型コンテンツ」を蓄積する

ステップ①で、求職者が最終的に判断するためのゴールコンテンツを整備しました。

次に取り組むのは、求職者をそのゴールまで誘導するためのパイプ役となるコンテンツ群、すなわち資産型コンテンツの蓄積です。

endo
遠藤

ここでは、SNSのような流れて消えるフロー型との決定的な違いである、ストック性(資産性)に焦点を当て、一度作れば自動的に集客し続ける仕組みについて解説します。

資産型コンテンツとは「消えずに残り続ける」情報

資産型コンテンツとは、一度公開すればWeb上に蓄積され、検索エンジンやリンク経由でいつでもアクセス可能な情報を指します。

XやInstagramの投稿は、タイムラインとともに流れてしまい、数日後にはほとんど誰の目にも留まらなくなります。

一方、ブログ記事やYouTube動画は、公開から数年が経過しても、特定のキーワードで検索されるたびに求職者の目に触れ続けます。このように、時間の経過とともに価値が積み上がり、企業の資産として機能し続けるのが特徴です。

資産型コンテンツの目的

このコンテンツの目的は、求職者の温度感を「その会社、名前は知ってる」というレベルから、「この会社に応募したい」というレベルまで引き上げる、いわゆる「ナーチャリング(育成)」です。

求職者にとって、いきなり採用ピッチ資料や詳細な募集要項を読み込むのは心理的なハードルが高い行為です。まずは興味本位で読めるコンテンツを通じて、企業の魅力やカルチャーを深く知ってもらう必要があります。

資産型コンテンツは、まだ応募を迷っている層に対し、より深い情報を提供することで、最終的なゴールコンテンツへの到達率や遷移率を高める架け橋としての役割を担います。

資産型コンテンツの具体例

各媒体の特性を活かし、以下のような切り口でコンテンツを制作します。

資産型コンテンツの媒体 コンテンツの切り口

記事(note / Wantedly / オウンドメディア)

  • 費用:note 0円~ / Wantedly 月5万円~
  • 必要人数:広報担当1人+資料内の登場人物

テキストで深く読ませる内容に適しています。

「なぜこの会社に入社したのか」という社員インタビューや、プロジェクトの裏話、具体的なカルチャー紹介などを掲載します。

YouTube(長尺・解説動画)

  • 費用:内製可能 / 外注する場合 1本数十万円~
  • 必要人数:広報担当1人+資料内の登場人物+動画編集者

テキストや静止画では伝わりにくい「オフィスの雰囲気」や「社員の熱量」を伝えます。

事業の詳しい解説や、オフィスツアー、社員同士の座談会などを通じて、会社の空気感を疑似体験させます。

スライド資料(SpeakerDeck等)

  • 費用:0円
  • 必要人数:広報担当1人

採用ピッチ資料とは別に、勉強会で使用した登壇資料や技術解説資料を公開します。

特定の専門領域における知見をアピールすることで、エンジニアや専門職からの信頼獲得に繋がります。

ステップ②におけるKPI

資産型コンテンツの運用においても、PV数自体は最重要指標ではありません。

最も重要なKPIはゴールコンテンツへの送客数(遷移率)です。

例えば、1万回読まれた記事からゴールコンテンツへの遷移がゼロであれば、採用広報としての価値は低いと言わざるを得ません。逆に、閲覧数が100回でも、そこから10人が採用ピッチ資料へ移動していれば、非常に優秀なコンテンツです。

記事を読んだ後にどれだけの人がリンクをクリックしたか、動画の概要欄から採用ページへ飛んだかという「具体的な行動」を計測し、ゴールへの誘導効率を高めていくことが求められます。

資産型コンテンツに迷ったら、まずはこの3本から作る

資産型コンテンツと一口に言っても、何から手をつければ良いか迷うかもしれません。

やみくもに量産するのではなく、求職者が抱く「3つの核心的な不安」を解消する記事を、それぞれ1本ずつ作成することから始めてください。

作るもの 内容 効果

1. 「誰と働くのか」への不安を解消する、現場のエース社員、またはチームの座談会記事

経歴ではなく、最近のプロジェクトで一番泥臭かったことや、チーム内の失敗談を語ってもらいます。 「入社後に馴染めるか」「レベルの高い同僚がいるか」という不安を払拭します。

2. 「何を成し遂げようとしているか」への不安を解消する、代表または事業責任者のロングインタビュー

創業ストーリーや過去の栄光ではなく、会社が直面している最大の課題と、これから目指す景色について語ります。 会社の方向性と個人のキャリアパスが重なるかを確認させ、ミスマッチを防ぎます。

3. 「自分は通用するか」への不安を解消する、具体的な業務フロー解説、または技術スタックや開発環境を紹介

1日の具体的なスケジュール、使用しているツール、会議の頻度、コードのレビュー体制などをマニュアルレベルで公開します。 入社後の具体的な動きをイメージさせ、「ここで活躍できそうだ」という自信を与えます。

ステップ③:最初の接点を作る「認知拡大型コンテンツ」の構築

ステップ①で「ゴール」を定め、ステップ②で「資産」を積み上げました。

ここで初めて、SNSやWeb広告といった認知拡大型コンテンツが登場します。

本セクションでは、準備が整った資産を最大限に活かし、効率よく認知を広げるための手法を解説します。

認知拡大型コンテンツの役割とタイミング

認知拡大型コンテンツの役割は、自社をまだ知らない潜在層との最初の接点を作ることです。

具体的には、XやInstagramなどのSNS、Web広告などがこれに該当します。

取り組むべき正しいタイミングは、ステップ①とステップ②で「受け皿」が完全に完成した直後です。

大事なことなので繰り返しますが、多くの企業が失敗するのは、受け皿となるステップ①②がほとんでできていない状態で、いきなり認知獲得に走ってしまうからです。

受け皿がない状態で拡散を行うことは、投資対効果を著しく下げ、貴重な広告費や運用リソースの無駄遣いに終わります。まずは受け皿を固め、流入したユーザーを逃さない体制を整えることが先決です。

認知拡大の具体的な手法

認知を広げるための具体的な手法は以下の通りです。自社のリソースと予算に合わせて選択してください。

認知拡大型コンテンツの種類 解説

SNS・ショート動画(X / Instagram / TikTok)

  • 費用:0円~
  • 必要人数:広報担当1人+必要に応じて動画編集者

無料で始められるため参入障壁は低いですが、アルゴリズムに乗るまでには継続的な投稿(目安として週1〜2本程度の投稿を半年間など)が必要です。

後述の「再利用戦略」が特に有効です。

Web広告(リスティング / SNS広告 / 動画広告)

  • 費用:月 数万円~数百万円(調整可能)
  • 必要人数:広報担当1人+Webマーケター1名

予算を投下すれば短期間で認知を獲得できますが、ターゲットに合わせたキーワード選定や、クリエイティブのA/Bテストなど運用には専門的な知識を要します。

実施している競合企業が少ないため、専属のマーケターが採用広報に参加できる場合は、実施を検討してください。

求人広告

  • 費用:月 数万円~数十万円
  • 必要人数:採用人事担当者1名

転職サイトへの求人情報の掲載も、顕在層を狙った認知拡大の手段の一つです。

現在、求人サイトの情報だけでなく、採用ブログやホームページの情報も確認する求職者が大半を占めるため、ステップ①②のコンテンツを整えておくことが重要です。

スカウトメール

  • 費用:月 数万円~数十万円
  • 必要人数:採用人事担当者1~3名
企業側から候補者に直接アプローチする「攻め」の手法です。ただし、メール文面だけで魅力を伝えるのは困難なため、リンク先となるステップ①②のコンテンツが整っていると返信率の向上が見込めます。

運用を効率化する「切り抜き・再利用」戦略

認知拡大フェーズやにおいて、「毎回新しい文章を考える時間がない」という悩みに直面します。

これを解決する最善の手法が、コンテンツの切り抜き・再利用戦略です。ステップ②で作成した「資産型コンテンツ(記事や動画)」をSNSやスカウトメール、求媒体で再利用しましょう。

この手法を用いれば、1つの資産型コンテンツから複数のSNS投稿を作成できます。

発信するメッセージの一貫性が保たれるうえに、運用工数を大幅に削減できるため、少人数のチームでも継続的な運用が可能になります。

パターンA:SNS(X・Instagram)への転用

noteで執筆した「社員インタビュー記事(3000文字)」の要点を抜粋し、4枚の図解画像にまとめてSNSに投稿します。

ゼロからネタを考える必要はありません。「記事の見出し」がそのまま「投稿のネタ」になります。投稿の最後には「続きはこちら」と元記事のリンクを貼り、資産への誘導を行います。

デザイナーがいない場合は、Canvaのデザインテンプレートを使って自作してください。

パターンB:スカウトメールへの転用(返信率改善)

母集団形成のためにスカウトメールを送信している企業も多いでしょう。

スカウトメールの返信率を上げる有効な手段が、資産型コンテンツの添付です。ステップ②で作成した記事や動画のURLを、添付してスカウトを送信してください。

候補者のタイプに合わせて、添付する産型コンテンツ」をえるのがベストです。以下の例を参考にしてください。

候補者の属性 メッセージに追加する文章例
技術志向のエンジニア

▼現場のリーダーが語る、開発環境への本音。
プロジェクトリーダー〇〇さんのインタビュー記事をご覧ください。
(記事・動画のURL)

子育て中のマーケター ▼子育てと両立しながら部長職として活躍中!
〇〇さんの『1日のスケジュール』はこちらの記事をご覧ください。
(記事・動画のURL)

パターンC:求人媒体への転用

求人サイトの募集要項や求人票には文字数制限があり、すべてを伝えきることは不可能です。

そこで、募集要項の各項目に資産型コンテンツのURLを埋め込みます。

(求人サイトによっては、URLの埋め込みが禁止されていることもあるので、求人情報を編集する前に、担当者に確認するようにしてください。)

記載例

【職場環境】
全社会議が毎月行われ、年次関係なく意見が取り入れられる、風通しの良い職場です。

▼こちらの記事がおすすめ
社長も新人もフラットに議論!入社3年目〇〇さんから見た全社会議
(記事や動画のURL)

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【開発環境について】
■言語:Java, PHP, C#, Go, Python, Swift, C/C++など
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ステップ③におけるKPI

ここでの最重要KPIは、インプレッション(表示回数)や「いいね」の数ではありません。資産型コンテンツやゴールコンテンツへのリンククリック数(遷移率)です。

SNS上でどれだけバズったとしても、採用サイトや記事へのアクセスが増えなければ、採用広報としては不十分です。

「投稿を見た人がリンクをクリックしたか」「興味を持って次の情報を求めたか」という行動変容を指標とし、受け皿への誘導が機能しているかを常に監視してください。

戦略実行の鍵となる「採用ペルソナ」と「心理変容」の設計

ここまでコンテンツの種類と運用順序について解説してきましたが、どれほど質の高いコンテンツを作成しても、「誰に届けるか」という宛先が曖昧であれば、求職者の心には刺さりません。

採用広報の効果を最大化するためには、詳細なターゲット像である「採用ペルソナ」と、その人物が応募に至るまでの心の動きを表す「心理変容」の設計が不可欠です。

デモグラフィックよりも「サイコグラフィック」

採用ペルソナを設計する際は、年齢や性別といったデモグラフィック情報よりも、価値観やライフスタイルといったサイコグラフィック情報を重視してください。

なぜなら、働き方が多様化した現在、同じ年齢・同じ職種であっても、仕事に求める価値観は人によって大きく異なるからです。属性だけでは、その人の本質的な欲求を見抜くことはできません。

例えば、「30代、男性、エンジニア、都内在住」というデモグラフィック情報だけのペルソナ設定で考えてみましょう。これだけでは、以下のAさんとBさんのどちらに向けたメッセージを発信すべきか判断できません。

  • Aさん(安定志向): 家族との時間を最優先したい。「残業時間の少なさ」や「リモートワーク制度」に魅力を感じる。
  • Bさん(成長志向): 多少忙しくても技術力を高めたい。「開発環境への投資」や「ハイレベルな同僚」に魅力を感じる。

Aさんに「圧倒的な成長環境」をアピールしても響きませんし、Bさんに「ワークライフバランス」を強調しても興味を持たれません。

「どのような価値観を持ち、仕事に何を求めているか」というサイコグラフィック(心理変数)を詳細に設定して初めて、ターゲットの心に深く刺さるメッセージを作成できます。

【実践編】価値観で惹きつけるサイコグラフィック採用ペルソナの作り方

では、具体的にどうやって「サイコグラフィック」なペルソナを作ればよいのでしょうか。

想像や妄想で作る必要はありません。答えは、自社ですでに活躍している「エース社員」の中にあります。

以下の3ステップで、自社のカルチャーにフィットする人物像を言語化してください。

対象者(N=1)を決める

社内で「この人のような人をあと10人採用したい」と思える、最も自社らしい活躍をしている社員を1名選定してください。

平均的な社員の集合体ではなく、特定の個人の解像度を極限まで高めることがポイントです。

「感情の源泉」をヒアリングする

その社員に対して、以下の観点でインタビューを行います。聞くべきは「スキル」ではなく、過去の意思決定における「感情の動き」です。

ヒアリング項目 質問例
転職のきっかけ(不満) 「前の会社で一番許せなかったことは何ですか?」
入社の決め手(期待) 「数ある会社の中で、なぜうちを選んだのですか? 他社にはなくて、うちにあったものは何ですか?」
現在のやりがい(充足) 「最近の仕事で、一番アドレナリンが出た瞬間はいつですか?」

「インサイト」を定義する

インタビューから見えてきた「その人が仕事に求めている根源的な欲求」をペルソナとして定義します。

▼ ペルソナ定義の比較例(エンジニア採用の場合)

項目 【NG】デモグラフィック(属性) 【OK】サイコグラフィック(価値観)
人物像 30代前半 / 男性 / 経験5年以上 「技術で事業の改革をしたい」野心家
スキル Java, Python / リーダー経験あり 「新しい技術選定の裁量」を何より重視する
悩み 給与を上げたい、残業を減らしたい 「大企業の歯車」になることに恐怖を感じている
訴求点 年収600万〜 / 完全週休2日 「CTO直下で、技術選定から参画できる」

endo
遠藤

このように書き出すと、発信すべきメッセージがガラリと変わります。

デモグラフィックなペルソナでは「好待遇」や「安定」しかアピールできませんが、サイコグラフィックなペルソナならば「裁量権」や「技術的挑戦」という、ターゲットに突き刺さる鋭利なメッセージを作ることができます。

3つのフェーズで描く求職者の心理変容

ターゲットを設定したら、次は彼らが自社を認知してから応募に至るまでの心理プロセスを設計します。求職者の心理状態は一定ではなく、時間の経過とともに変化します。

効果的な採用広報を行うには、以下の3つのフェーズごとに、求職者が抱く疑問や不安を先回りして解消するコンテンツを配置する必要があります。

認知段階(受動的)

SNSなどで偶然自社の情報を目にした状態です。この段階では「面白そうな会社があるな」程度の認識しかありません。

ここでは、詳細な説明よりも、直感的に興味を引く「オフィスの写真」や「インパクトのあるキャッチコピー」を含んだショートコンテンツが有効です。

選択段階(主体的)

興味を持ち、自ら検索して情報を集め始めた状態です。「自分に合いそうか?」「ブラック企業ではないか?」と、疑いの目を持って厳しくチェックしています。

この不安を解消するために、ステップ②で解説した「資産型コンテンツ(社員インタビューや座談会動画)」を提供し、社内のリアルな実情を伝えて信頼を獲得します。

決定段階(決断)

応募を真剣に検討し、最後の一押しを求めている状態です。「入社後の待遇は?」「キャリアパスは?」といった具体的な条件を確認したがっています。

ここでステップ①の「ゴールコンテンツ(採用ピッチ資料や募集要項)」を提示し、入社後のイメージを明確にさせることで、迷いなく応募ボタンを押せるように導きます。

このように、求職者の心理フェーズに合わせた適切な情報を、適切なタイミングで提供することが、応募への転換率を高める鍵となります。

媒体選びのポイント|流行りではなく相性と役割で選ぶ

「他社がTikTokで採用に成功したらしいから、ウチもやろう」

「とりあえずInstagramのアカウントを作ろう」

このように、流行を理由に媒体を選んでしまうと、採用広報は失敗します。なぜなら、その媒体に「自社が欲しい人材」がいなければ、どれだけ発信しても届かないからです。

媒体選びで重要なのは、流行かどうかではなく、「ターゲットとの相性」と、前述したステップ②③の「役割(資産型か認知型か)」の2軸で判断することです。自社のリソースとターゲットの行動様式に合致した媒体を選定しなければなりません。

ミズサキが推奨する基本構成

これから採用広報を本格化させる企業に対し、推奨する媒体構成は以下の通りです。リソースが限られている場合でも運用しやすい、最も効率的な組み合わせです。

採用広報段階 推奨媒体
ゴールコンテンツ 採用ピッチ資料(SpeakerDeck等)
資産型コンテンツ note(既に環境があるなら自社オウンドメディア)
認知拡大型コンテンツ

X

※動画制作リソースがある場合のみ:YouTubeショート、TikTok(BtoBでは優先度が低いため、リソースに余裕がある場合のみ推奨)

最終的にはこの3つを連携させることを目標にしてください。

特にXとnoteは親和性が非常に高いため、ステップ③に進んでいる企業は、noteで記事を書きながらXで拡散していきましょう。この手法はビジネス層へのリーチに優れています。

動画メディアは制作コストが高いため、リソースが少ない企業はテキストベースのこの構成で基盤を作ることを推奨します。

資産型と認知拡大型のバランス

媒体運用で陥りがちなミスは、全てのSNSに手を出してリソースがパンクすることです。媒体には明確な優先順位があります。

まずは資産型(note / Wantedly / YouTube)を固め、その後に認知拡大型(X / Instagram)へと広げてください。

中身のある記事や動画がない状態で、SNSなどを運用しても、求職者の理解は深まりません。

認知拡大型のメディアは単体で運用するのではなく、あくまで資産型・ゴールへの誘導装置として機能させるのがポイントです。

Xの投稿には必ずnoteや採用ピッチ資料へのリンクを設置し、関心を持った層をより深い情報へと誘導してください。この連携があって初めて、認知拡大型メディアは真価を発揮します。

認知拡大ではターゲット職種ごとの生息領域が重要

どれだけ良いコンテンツを作っても、ターゲットが日常的に利用していない場所に置いていては意味がありません。

ターゲットとなる職種が、普段どこで情報収集しているかを把握し、そこへピンポイントでコンテンツを届ける必要があります。

職種ごとの相性の良い媒体例は以下の通りです。

ターゲット層

資産型コンテンツ(深く知る場所)

認知拡大型コンテンツ(出会う場所)

エンジニア層

Zenn, Qiita

X (旧Twitter)

ビジネス・セールス層

Wantedly, note

Facebook, LinkedIn, X (旧Twitter)

新卒・若手層

note, YouTube(社員インタビュー)

Instagram, TikTok, YouTubeショート

全方位に手を出すのではなく、自社のターゲットが最も多く生息する媒体に一点突破することから始めてください。エンジニア採用なら技術ブログとX、新卒採用ならInstagramと動画、といった具合にリソースを集中させることが成功への近道です。

運用リソースに見合った媒体を選ぶ

最後に、媒体選びで最も重要な原則は継続できるかどうかです。

採用広報において最も避けるべき事態は、更新が止まることです。

求職者が企業のSNSやブログを見た際、最終更新日が半年前や1年前だと、「この会社は採用活動をしていないのではないか」「社内の雰囲気が停滞しているのではないか」と不安になり、応募を躊躇してしまいます。

動画編集のスキルがないのにYouTubeに手を出したり、写真素材がないのにInstagramを始めたりするのは危険です。

自社のチームで無理なく継続できる媒体を選び、週1回でも月1回でも、定期的に動き続けていることを可視化してください。継続こそが、信頼を生み出します。

採用広報の戦略に関するよくある質問

記事を読み終える前に、弊社が頻繁にお問い合わせいただく質問と、その回答をご紹介します。

Q. 採用広報で成果が出るまでどれくらいの期間が必要ですか?

A. 資料改善による成果は配信直後から期待できますが、Web上での認知獲得には時間がかかります。

成果が出るまでの期間は、どのフェーズの施策を行うかによって異なります。

もし、ステップ①の「ゴールコンテンツ(採用ピッチ資料など)」を改善する場合、配信直後から反応が変わる可能性があります。スカウトメールに添付する資料が魅力的になれば、その瞬間から返信率や応募への転換率(歩留まり)が改善するからです。

一方で、ステップ②・③の「認知拡大(SEOやSNS)」による成果を待つ場合は、最低でも3〜6ヶ月の継続が必要です。

一般的に、Googleの検索エンジンやSNSのアルゴリズムに評価され、検索上位に表示されたりファンがついたりするには、物理的な時間がかかるからです。

したがって、「まずは資料を整えて目の前の候補者への歩留まりを高めつつ、長期視点でWebからの流入増加を待つ」という二段構えのスケジュール感を持つことが重要です。

Q. 専任の担当者がいなくても採用広報に取り組めますか?

A. 採用広報業務に使える時間によっては、戦略を絞り込んでください。

兼務であることを前提に、リソース別のおすすめの運用方法をまとめたので、参考にしてください。

リソース

推奨運用方法

月に記事1本ほど制作可能(月4時間程度)

  • 本記事で紹介したステップ①(ゴールコンテンツ)からステップ②(資産型コンテンツ)までを実施
  • 運用リソースが増加したらステップ③(認知拡大型コンテンツ)に進む
  • またはステップ②や③を外注する

1日1時間を採用広報に確保可能

  • ステップ①~③の通りに実行可能
  • ステップ②は外注し、ステップ③へのリソースを拡大する

リソースが限られている兼務の担当者こそ、一度作れば効果が持続する資産型コンテンツの作成に注力すべきです。

毎日SNSに張り付く必要はありません。例えば、月に1本、候補者が懸念しがちな「残業の実態」や「評価制度」について本音で語るインタビュー記事を書き、それをスカウトメールに添付したり、人材紹介エージェントに共有したりするだけでも、立派な採用広報活動です。

Q. 外部パートナー(運用代行)にはどこまで任せるべきですか?

A. 「制作・作業」は任せて良いですが、「戦略・想いの言語化」は社内でコミットすべきです。

外部パートナー活用の失敗例として最も多いのが、戦略設計や発信内容の企画まで丸投げしてしまうケースです。

企業の核となる「ビジョン」や「熱量」は、当事者である社内の人間にしか語れません。ここを外部に任せると、表面的な言葉が並ぶだけの、心に響かないコンテンツになってしまいます。

外部に任せるべき領域と、社内で担うべき領域の線引きは以下の通りです。

  • 社内(コア): 誰に何を伝えるか(戦略設計)、なぜやるのか(想い・ビジョンの言語化)。
  • 外部(ノンコア): 記事のライティング実務、動画の編集作業、SNSの投稿代行などの「制作・作業」工程。

コアとなる部分は自社で握り、不足している制作リソースを外部で補うという体制が、最も成功確率の高いパートナーシップです。

成果を出すための採用広報戦略の鉄則

本記事では、採用広報の戦略について解説しました。

採用広報で成果を出すための鉄則は、多くの企業が陥りがちな「認知拡大」から始めるのではなく、「ゴールコンテンツ」から逆算して構築することです。

改めて、成功へのロードマップを整理します。

3ステップ 方針
1. ゴールコンテンツの作成 採用ピッチ資料やLPを整備し、求職者の受け皿を作る。
2. 資産型コンテンツの蓄積 ブログや動画で、企業の魅力を深く伝える情報をWeb上に残す。
3. 認知拡大型コンテンツの展開 最後にSNSや広告を活用し、整った受け皿へ集客する。

本記事で紹介した戦略と具体例を参考に、今後の施策を実施してみてください。

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