あなたがカジュアル面談を担当したとき、求職者の志望度が上がっていると実感できていますか?
近年、書類選考や採用面接の前に「面談・カジュアル面談」を選考フローに取り入れる企業が増えており、2024年現在、3社に1社が面談を実施していると言われています。約6割の学生や求職者が、「面談を実施したことで企業への理解が深まり、志望度が上がった」と感じており、効果的な母集団形成の手段として注目を集めています。

このように採用担当者にとって「自社の志望度を上げること」がミッションになるわけですが、残念ながら「最近、他の企業がカジュアル面談を取り入れていると聞いて、自社でも選考フローに取り入れてみました!」と、面談という形だけを導入して、実際には採用活動の成果には貢献していないケースが頻発しています。
この記事では、カジュアル面談で聞くべき14の質問事例をもとに、企業と求職者がお互いの理解を深め、結果的に学生・転職者の志望度を高めるための考え方・ノウハウをお伝えします。
実際の面談で展開される会話の流れに沿って解説していくので、この記事に書いてある質問事例の通りに進めていくことで、カジュアル面談で求職者との理想的なコミュニケーションを設計することができます。
こんな方におすすめの記事です
- 求職者とのコミュニケーションに課題を感じている
- 面談のときにどんな質問をしたら効果があるのか、どうやって求職者の志望度を上げられるのか知りたい
- 求職者とのミスマッチを減らしたい
- 初めて面談を実施するから全体的な流れを確認したい
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採用活動における面談とは、主に企業の人事担当者が求職者と相互理解を深めるために、情報を共有することです。
求職者に自社の弱みや強みを再認識してもらい、今後のキャリア形成(選社のための情報整理)に役立てたり、求職者に会社のことをよく知ってもらい、選考に進んでもらうことを目的として行います。
「カジュアル面談」「選考前面談」「リクルーター面談」と呼ばれます。
下の採用フローの中では、求職者との最初の接触時(応募や書類選考前)にカジュアル面談を設けることが多いです。
募集活動(求人掲載など)→『カジュアル面談』→ 応募 →書類選考 → 適性テスト → 面接 → 内定 → 入社

面談は基本的に1対1で行います。
時間は30分~1時間程度が一般的です。
対面での話し合いになると緊張感が増したり、「面接感」が出てしまいますので、面談者と求職者が丁度90度の角度になるくらいで座り、「語り合う」イメージで進めていくことをおすすめします。
今回ご紹介する面談の質問、トーク内容を踏まえることで、求職者の正しい情報を得ることができれば、採用したいターゲットを採用できる確率が非常にあがります。
また、求職者からしても、この面談を通して自身の考え方が把握できることで、就職や今後の人生における情報が整理され、自身が歩むべき道が明確になります。
会社と求職者の双方にメリットのある面談を行えることが、採用への近道となります。
それでは、面談の流れと必ず聞くべき質問について、まずは全体像を見ていきましょう。
カジュアル面談の流れ・全体像
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01. 空気づくり - ”面接”ではないことを伝える
02. アイスブレイクを兼ねたお互いの自己紹介
03. 人生のイメージ・将来像
04. 5年後・10年後の具体的な将来のイメージ
05. 就職活動の軸
06. 挫折経験・それを乗り越えたエピソード / 楽しいと思う瞬間・成功体験
07. 会社・事業紹介
08. 他に見ている会社は?
09. 求職者は自社のどこに惹かれているのか?
10. 仮にその求職者が入社した場合の具体的なイメージ
11. 入社するにあたって不安に思うこと・懸念材料
12. 保護者や周囲の考え・意見
13. 現在の志望度合いの点数
14. 就職活動の終了条件
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次にそれぞれの具体的な質問・トーク内容と、その狙いを詳しく紹介していきます。

カジュアル面談がスタートしたらまず行いたいことが空気づくり。
はじめまして。当社に来てくださってありがとうございます。
今日は一般的な”面接”のような、〇〇さんを評価するような場ではなく、あくまでも〇〇さんの就職活動や今後の人生でプラスになるような場にしたいと思っていますので、リラックスしてくださいね。
一緒に考えていけたらと思っています。
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という感じで空気を作りましょう。
求職者から真の情報を引き出し、情報を整理して自社へ導いていくためには、このリラックスした環境と「なんでも話していい」という空気感が大切になってきます。
選考に関係していると思ったら誰だって「少しでもよく見せよう」と思って本性は隠してしまうもの。
面談は会社ー応募者の双方にとってためになる時間で、一緒につくりあげていくものという共通認識を持ってもらえるようにします。
カジュアル面談が面接ではないことを伝えたあとに行うのはアイスブレイク。
互いに2~3分ほど自己紹介をし合うことをおすすめしています。
この自己紹介は、まず面談担当者から行います。
面談担当者からお手本として自己紹介をすることで、あとに続く求職者は似たような自己紹介を行うようになります。
そこで、求職者に合わせて、求職者から引き出したい情報を想定した自己紹介を見せるのがベスト。
私が面談を担当する際には、以下の内容の自己紹介を行っています。
・学生時代/前職で力をいれていたこと ・趣味 ・就職/転職理由とその決断にいたったエピソード ・現在の仕事内容とやりがいに感じていること ・今後の自分のキャリアの展望 |
この自己紹介で情報を引き出すことはもちろん、本来の目的であるアイスブレイクの役割もしっかりと意識します。
オンラインでの面談や、パソコン画面を見せることのできる環境の場合には、実際に目の前で検索をしたり資料を見せながら自己紹介をすると、求職者に興味を持ってもらいやすくなります。
これまでの自分の経験や異動などを、グーグルマップを開きながら説明していくのもイメージが持ちやすくなり効果的です。
面談の空気を作ることができたら最初に聞くのが、求職者の理想の人生。
〇〇さんの今後の人生で、こうなりたい、これがしたい、というような成し遂げたいイメージ。
夢や志があれば聞かせてください。
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求職者が会社を選択するということは、自分の実現したい未来に対する、戦略的な1歩目の決断です。
自分の今後の人生が良くなるか、自分の理想に近付けるかということに対する確信度合いで決まります。
求職者が「今後どうなりたいか」を把握することで、その実現のために私の会社であれば「このような働き方、人生が作れそうだな」という風に、会社と求職者とが一体となることができます。
求職者にとっての将来と会社が密に繋がっていくことが、最終的な入社のイメージに大きく作用しますので、このゴールをまずお互いに確認します。
この際に「夢」と「志」を分けてすり合わせることができると、求職者にとっての解像度はより高まります。
夢とは、「自分のためにやりたいこと」。
For me の要素です。
例えば家族で過ごしたい、立派な車を持ちたい、お金持ちになりたい等。
志とは、「自分を通して第三者(社会や人)に影響を与えたいこと」。
For you の要素です。
例えば誰かを楽しませたい、社会のこの課題を解決したいなど。

新卒の学生の場合、社会人経験はまだないか浅いので、話しやすいのは夢(For me)になります。
ただ、会社の仕事を通して実現しやすいのがこの志になりますので、求職者が話す内容が夢に偏っている場合には、
自分のために何をするか・どうなりたいか、というお話を聞くことができました。
逆に、自分という存在を通して周りにこんなことをしたい、果たしたいという未来/理想だと、どんなものがありますか?
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と志(For you)の部分も聞いていきます。
人生の理想のイメージ/将来像で聞き出すことのできた話で、求職者の大まかな将来への方向性を把握することができます。
次に行いたいのが、5年後、10年後の具体的なイメージを持っている場合には、それを確認すること。
大学新卒の場合には、
今21歳、22歳ぐらいだと思うけど、ちょうど20台後半になる25歳や一つの節目になる30歳くらいで、こうなっていたいという目標はありますか? |
と聞きます。
5年後、10年後のイメージを持っていない求職者は多いので、なくても構いません。
この時点でない場合には、
この面談が具体的なイメージを持つきっかけになるよう話していけたらなと思います。 |
と伝えましょう。
直近の新卒入社した先輩社員のキャリアを伝えることでイメージを膨らませることもできます。
ただ、私の経験上、ベンチャー企業、中小企業を選んで入社する資質を持っているような求職者は、この5年後、10年後のイメージを持っているケース多いです。
その場合には話を聞き、求職者が持つ具体的なイメージの実現のために、自社がどう関わることができるのかを話します。
ここまでに聞くことのできた求職者の理想の将来のイメージをより正確に確認していくために、現時点での求職者の「考え方/価値観」を把握します。
そこで使えるのが「選社基準」「就活の軸」。
たとえば下のような感じで聞いていきます。
今、色んな会社を見たり、受けたりしていると思いますが、どのような軸で会社を見ていますか?
この会社に入ろう!と決める時の判断材料は、会社のどの部分ですか?
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選社基準には様々なものが出てきます。
経営理念、事業内容、社員の人柄、福利厚生、出世のスピード、会社の規模感、ネームバリュー、所在地、勤務時間、給与、休み等々...
選社基準の把握でのポイントは、選社基準に優劣はないということ。
あくまでこの質問の目的は、求職者の理想の将来のイメージをより正確に確認することです。
求職者の現時点での等身大の「考え方/価値観」を知るものですので、様々あって然るべきです。
選社基準を聞くとまず1つ回答が来る場合が多いです。
そこで聞くのが、「どうしてその要素(基準)を大事にしているのか」。
挙がってきた選社基準が大切な理由は、求職者から”エピソード”を伴って聞くことができるケースが多いです。
ここで求職者の過去や、大切にしている価値観の形成に至った背景まで知ることができるのです。
次に大切なのが、1つ目以外の選社基準を聞くこと。
私の場合は3つ目まで聞くようにしています。
もう一つ挙げるとしたら、どのようなものですか?
その基準が大事な理由を教えてください。
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多くの求職者の価値観、判断基準は、複合的に決まっています。
例えばあなたが車を買うとして、ブランドが一番の要素として判断基準になるかも知れませんが、その他にも色や値段、エンジンの性能や車の大きさなど、購入という意思決定をするまでには様々な要素が第一要素に絡まってくるかと思います。
同様に会社選びの基準も、複合的であることが多いのです。
選社基準や就活の軸を聞いた際に、その価値観が形成されたエピソードが拾えるはずです。
エピソードが出てきた場合には深堀を行い、「挫折経験」「成功体験」まで確認ができるまで求職者の本質を探るようにします。
エピソードが出てこなかった際には、以下のように質問をします。
・会社を選ぶ軸を今教えてくれたのですが、その価値観が作られたきっかけになるようなものはありますか?
・たとえば、これまでで一番の失敗と、それをどう乗り越えましたか?
・自分が楽しいと思う瞬間や、成功体験などを教えてください。
・価値観をつくった強烈な思い出がきっとあるのかなと思うのです。是非その話を聞かせてください。
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この質問をすると、
「過去にこういったことがあったから、自分はこのような環境に身を置きたい」
「自分にはこのような性質があるから、自分に合う会社は〇〇の要素を持っているのだと思う」
といったように具体的な話を聞くことができます。
就活の軸がどのようにしてできたかを正確に捉えることができれば、求職者へのアプローチの精度が高まります。
また、求職者が話すエピソードから、求職者が仕事に対してどのような点でモチベーションを持つかを推測することもできます。
たとえばモチベーションの源泉は以下の3タイプに大まかに分類されます。
・影響を与えたい動機(コミュニティ内/コミュニティ外)
・協調したい動機(周囲と仲良くしたい)
・達成したい動機(数字を追いかけることが好き)
このあとの求職者とのやりとりで、訴求しやすい内容を準備するのに役立ちます。
ここまでを通して、求職者の志向性や、この面談で求めていることを大方把握できていると思います。
このタイミングで、会社の紹介・説明を行います。
紹介は資料を使いながらがベスト。
以下の内容を求職者に伝えると良いでしょう。
・会社のミッション、ビジョン、バリュー
・会社の歴史
・従業員数
・サービス内容
・サービスの独自性、強み
・募集背景(なぜ”今”、”あなた”に入社してもらいたいか)
・社風、文化、社員紹介
・質問受付
・選考フローの紹介
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会社紹介時には、これまでの求職者の話から「求職者が特に知りたそうな情報」を予測し、その内容を重点的に説明していくと効果的です。
会社紹介・説明を終えたら、まずは率直な感想を求めると良いでしょう。
実際今日まで詳しくは知らない会社だったと思うのですが、話を聞いみた率直な感想をお聞きしたいです。 |
ここで出てきた感想は、プラスのものもマイナスのものも今後の選考時、内定後まで使える求職者の考えになります。
「魅力に感じたところ」や「ここが知りたい」「これは不安」といった要素が出てきますので、記録に取るようにします。
情報が不足していた場合には補足をしたうえで、再び面談に戻っていきます。
次に聞く質問は、「自社以外でどの会社に興味を持っているか?」
就活をしている求職者は、あなたの会社を含めた多くの企業を見ています。
内閣府の「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査(令和4年度)」によれば、就活生が実際に選考を受けた数(エントリーシートを提出した企業数)は、例年10~19社の人が最も多く、就活生全体の約3割を占めています。
少なくとも、5~10社ほどは選考に進もうか検討していると思っていた方が良いです。
あなたの会社だけを受けているということは稀です。
それを踏まえて下のように、ほかに受けている会社を、具体的な社名と共に聞いていきます。
自社以外に、どういう会社を受けていますか?具体的な社名も教えてください。 |
社名を聞くの?社名を聞けるの?と思う方もいるかも知れません。
この面談自体は、選考ではありません。
したがって求職者の合否をつける時間ではありません。
面談が求職者の就職活動において、後悔のない意思決定ができるようにするためのサポートの位置づけであることを求職者にきちんと認識してもらえていれば、問題なく聞くことができます。
求職者の志向性と現状を深く知り、面談者からの話やアドバイスの観点がずれないようにするために、他の会社の具体的な社名まで把握することが大切です。
さらに、求職者の現在の状況を深堀りしていくために、選考を受けている企業の順番を以下のような質問で確認します。
今挙げていただいた会社で、良いなと思う順番をつけるとしたら、どうなりますか?
この場は面接ではなく、あなたの状況と考えていることを整理するための質問なので、正直に答えていただいて構いません。
自社が一番でなくても大丈夫ですよ。
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選考中/見ている企業の順番が確認できたら、
と1番目またはその他の会社(あなたの会社以外)を選んだ理由を聞いていきます。
ここで重要なのが、これまでに整理した選社基準や就活の軸と、今回の軸が一致しているかどうか。
基本的には選社基準や就活の軸と今回出てきた志望度の高い企業を選んだ理由は一致します。
一致していない場合には、
先ほど就活の軸で〇〇を挙げてくれていましたが、今話していると、先ほどの軸とは異なっていますね。
実際、どちらの要素(基準)の方が優先順位が高いですか?
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と確認していきます。
求職者にとっての”本当”の就活の軸・選社基準が、ここで浮き彫りになります。
私が面談をしている時には、「言われてみれば、選社基準はこう!と思っていたけれど、本当はこれだったかも知れない」と求職者自身が気付きを得られる場面によく出会います。
このことは、求職者にとっても、自分が本当に会社に対して求めているものが整理される瞬間で、有意義なものになります。
ここまで求職者側の情報の整理を進められたら、次は求職者側に、自社が人生に関わってくる場合をイメージしてもらうようにします。
そこで使える質問が、
様々な会社を見られている所で、その中でも自社に興味を持ってくれたからこそ、こうして話を聞きに来てくれているのだと思います。
実際のところ、我々の会社のどんな所に、魅力を感じてくれて、今回面談に来てくれたのですか?
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この質問では、求職者が考えるあなたの会社の魅力、求職者の将来と照らしてマッチするあなたの会社の要素が挙がってくるはずです。
面談者はとにかく聞きに徹するようにします。
挙がってきた魅力、興味のある要素については、④で把握している選社基準とマッチしているかを確認していきます。
求職者がこの時点であなたの会社に興味を持ったり魅力を感じている要素が、選社基準と合致していると、採用できる可能性が高いです。
逆に言うと、合致していなかった場合には、求職者の選社基準のうちあなたの会社の魅力として出てこなかった要素を補うことで、志望度合いを高めることができます。
たとえば、選社基準に「企業理念」「社員の人柄」「成長環境」が出てきたとして、あなたの会社の魅力的なところとして挙がったのが「企業理念」「社員の人柄」「給料」だったとします。
この場合には、選社基準を満たしていくために情報を与えるべきなのは「成長環境」。
⑤で整理した選考中の会社情報で、あなたの会社が他社よりも下の場合は、この「成長環境」で負けている可能性があるのです。
そこで、「成長環境」(選社基準と合致しなかった部分)について、新たに面談者の言葉で、情報提供をしていきます。
このプロセスを通して、求職者の安心感が増し、戦うべき基準で他社に勝っていくことができるのです。
ここまでの面談内容で、俯瞰的に自身の将来像や価値観、会社に求めているものを整理することができているはずです。
ここからは、さらに求職者に対して、”当事者”として会社を見たり、判断したり、考えてもらえるようにしていきます。
求職者にとっては、求人を見たりHPを見たりしている段階から一貫して、ここまでは会社を第三者の視点で見てきています。
明確な意思決定をするためには、当事者意識を持ってもらえるように切り替えを促すトークが必要になるわけです。
そこで、”入社をした前提”を作って話していきます。
このような質問をしていきます。
・もし自社に入社するという意思決定をした上で、自社であなたのキャリアを作っていくとしたら、どのようなキャリアを作りたいですか?
・先ほど話してもらったように、たくさん他にも見ていた会社がある中で、仮に自社に入社を決めたとしたら、自社を選ぶ決め手はなんだと思いますか?
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この質問に対して返ってくる答が、求職者が現時点であなたの会社に対して感じている最も強力な魅力ポイントです。
この際には、求職者が考えている、あなたの会社の入社後のイメージや入社を決めた理由を補強する情報提供をしていきます。
この時点で、求職者は理想の将来が整理され、自身の価値観や考え方を踏まえることができて、自身の夢や志の実現のために最適な方法としてあなたの会社に入社するイメージを持つことができているはずです。
求職者があなたの会社を通した将来を”楽しみにできている”状態を作り出せていれば、採用力はぐっと高まっているはずです。
この時点で、求職者はあなたの会社に入社するメリットとイメージを強く持っているはずです。
この状態をより強固にしていくために、求職者の不安・懸念材料を把握し、解消していきます。
そのための質問は以下のもの。
自社に入社して働くということを考えた時に、不安なことや懸念する点があれば遠慮なく教えてください。
思いつかない場合でも、1つか2つ、なんとか出してみてください。
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ここで出てくる不安・懸念材料を解消するような説明をしていきます。
また、この不安・懸念材料は、確実に把握しておくことがポイント。
今後求職者が選考に進んでいく中で、選考離脱や内定辞退が起こるのは、この不安・懸念材料によることが多いからです。
もっと言うと、入社後の早期退職やエンゲージメントの低下についても、この時の不安・懸念材料が原因となる場合が多いのです。
面談時にこの不安・懸念材料を確認して解決できていれば、選考離脱や内定辞退、入社後のエンゲージメント低下を防ぐことができるのです。
私が面談をする際には、この不安や懸念材料で「教育環境(私でもできる...?)」「人間関係(実際のところ合わない人がいるかも...?)」が挙がるケースが多いです。
会社ごとに、この面談時に求職者から聞かれる不安・懸念事項は様々あるでしょう。
面談を重ねればあなたの会社の傾向がつかめるはずです。
「この質問が多いな」と思ったら、求職者に響く回答を用意しておきましょう。
今の世代の大学生は、就活に際して親の影響多く受けがちです。
企業が学生に内定を出す際に、保護者の確認を事前に取っておくことを意味する「オヤカク(親確)」という言葉が生まれるほど。
新卒の場合にはご両親、中途の場合にはパートナーや友人が、あなたの会社への入社に対してどのような反応をしているのかを把握しておきます。
求職者の就職活動に影響を与えている人物の把握と、その影響を与えている人物を「納得させられる」材料を求職者に渡すことが目的です。
たとえば下のように質問します。
自社の選考に進む/入社するにあたって、ご両親/パートナー/ご友人はどう思っていますか? |
ここで具体的に確認しておきたいのは、求職者は”誰の”影響を最も受けているのか。
保護者であれば父、母、どちらなのか。
求職者が安心して意思決定を行うために重要になる人物を把握することで、打ち手を用意することができるのです。
求職者に対して、どのように影響のある人物へ説明をしていくかについても一緒に考え、提示できることがベストです。
「オヤカク」についての詳細は下の記事から↓
求職者があなたの会社に入ることに対してワクワクし、不安材料がなくなってきている状況のこのタイミングで、後押しとして入社意思レベル、志望度合いを”点数”で確認します。
そのために、下のように質問します。
もし自社から〇〇さんに内定を出したとしたら、迷うことなく入社するが100点として、今何点ですか? |
この質問を通して、求職者があなたの会社に対して感じている最後の不安材料、知りたい情報を把握していきます。
求職者からの回答で「90点」と返ってきた場合には、
入社を決めきるための残りの10点は、何が要因ですか? |
と深堀していきます。
さらに、ここまでの質問で把握している選考中の他社についても、志望度の点数を確認していきます。
ここで、⑤の時の志望順位からあなたの会社が上がっていることが理想。
志望度合いの変化がどれくらいであるかを確認しましょう。
大学新卒採用であなたの会社が中小企業の場合には、
大手企業か、中小・ベンチャー企業でいうと、志望度合いはそれぞれ何点ですか? |
と質問をするのも良いでしょう。
そもそもの求職者の資質として「ベンチャー志向」「中小企業志向」がどれくらいあるのかを把握すことができます。
経験上、この100点までに届かない要素は、求職者からの要望である場合が多いです。
たとえば、「もっと社員の人を知りたい」「仕事内容を詳しく知りたい」など。
他社との差、そしてあなたの会社に入社を決めきるまでに必要になってくる要素が見えてくるはずです。
この要素についてはしっかりと記録をし、今後の面接や選考後のフォロー時に解消していくようにします。
最後に、何をもって就活を終えるかを確認します。
ここまでで、求職者の現時点での将来像、就職活動を詳しく把握できているはずです。
これが”今後変化するかもしれない可能性”を確かめます。
現時点で他社よりもあなたの会社への志望度が高いとしても、”もっと自分に合う”会社と求職者が考える出会いがあるかもしれません。
または、求職者が現状に”満足”はしておらず、さらに何か別のものを求めて就職活動をしていくかも知れません。
求職者の最終的な意思決定は、どのような状態になるとなされるかを把握することで、最後の求職者へのフォローの方法が決まってきます。
例えば以下のような質問をします。
人によって就活を終える条件って様々ですよね。
時期で決めていたり、この会社まで受けきったら就活を終えるなど。
この就活の終了条件は、〇〇さんの場合どう設定していますか?
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この質問に対する回答で、求職者の最終的な意思決定の時期や最後のライバルとなる企業を把握することができます。
あらかじめ就活の終了条件を知ることができていれば、打ち手を前もって用意しておくことができるようになります。
ここまで、カジュアル面談で抑えておくべき14の質問事例をもとに、企業と求職者の相互理解を深めるためのノウハウを解説してきました。抑えておくべきポイントは次の3点です。
①アイスブレイクまでに「選考ではない」という空気を作る ②面談の前半で求職者の将来のビジョンを明確にする ③求職者の将来のビジョンを軸に話を展開していく |
相手が話しやすい空間を作り、求職者の将来設計を言語化して、そのビジョンを実現するために自社がどういった形で力になれるのか…
14の質問通りに面談が進まないこともありますので、まずはこの全体像に沿って進めていくということを抑えておきましょう。
ミズサキでは、このような面談、面接の設計や支援を行っています。
無料でご相談を承っておりますので、是非お問い合わせください。