人口減少や少子高齢化の影響で、一部の大企業を除き多くの企業が人材不足に陥っています。
日本国内には約340万社の企業が存在しており、その中で大企業は全体の0.3%程。
99%の企業が中小企業です。
このごくわずかな大企業の求人に人が集まっているのも事実。
この中で優秀な人材を確保し、組織体制を強化するためには、社員が働きがいを感じられる企業であることが求められます。
本記事では、ホワイト企業の定義や特徴を明確化し、特に中小企業が求職者にアピールする際のポイントを解説します。
SNSや転職サイトでよく目にするホワイト企業という言葉。そもそもホワイト企業とは何でしょうか。
実は、ホワイト企業に明確な定義は定められていません。一般的に社員が働きやすい職場がホワイト企業とされます。
ホワイト企業という言葉自体は、労働法規を守らず、従業員を低賃金のままで長時間労働を強い、結果的に彼らを使いつぶす企業や組織を指す「ブラック企業」の対を成す言葉として誕生したと言われています。
ちなみに、「ブラック企業」の由来にも諸説あり、求人広告業界の隠語という説や、とある大学の就職課内で管理されていた、離職率が高く学生には勧められない、いわゆるブラックリストが当時の関係者からリークされ、「ブラックリストの企業」=ブラック企業となった説があります。
ブラック企業もホワイト企業同様に明確な定義はありませんが、厚生労働省のWebサイトには特徴として以下の項目が記されています。
① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③ 労働者に対し過度の選別を行う
④退職を申し出た際に「ノルマ」や「罰金」を理由に辞めさせない
⑤採用時に合意した以上のシフトを入れる
まとめると、劣悪な環境での労働を強いて改善しない体質を持ち、労働法に違反するような働き方を強制する企業がブラック企業です。
ホワイト企業はブラック企業の反対ですので、
①適正な労働時間
②社員の健康や労務管理などを重視している
③教育体制が充実している
④社員の職業選択の自由を保証している
⑤求人と仕事内容に相違がない
あたりが特徴といえます。
ホワイト企業は人気求人。皆さんが持っているイメージだと思います。
実際に株式会社ディスコが発表している「就活性の企業選びとSDGsに関する調査」によると、大学新卒学生が就職先企業に決めた理由として、上位に「職場の雰囲気」「待遇」「福利厚生」が挙がっています。
また、今の新卒学生や20代、30代の転職希望者は保護者をはじめとする自分のまわりの人物と相談をすることが当たり前になってきました。
「ホワイト企業」かどうかが、一つの就職先の判断基準になりやすくなったと言えるでしょう。
このことを理解し、「ブラック企業」ではないことと「ホワイト企業」に近い環境であることを求職者に対して適切にアピールすることができれば、採用活動のプラスになるのです。
前章でもふれましたが、この章ではホワイト企業に共通する特徴を詳しく解説します。
主に見るべきポイントは6つです。
あなたの会社の求人票作成時や説明会、面接でのトークに盛り込めるものがあればいれていきましょう。
また、新しく社内の環境を見直す参考にしていただければと思います。
1.ホワイト企業の年間休日
2.ホワイト企業の残業時間
3.ホワイト企業の人間関係
4.ホワイト企業の福利厚生
5.ホワイト企業の給与
6.ホワイト企業の教育体制
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年間休日の基準としては、日本の法律で定められた最低限の105日以上が求められますが、ホワイト企業ではさらに多く、120日以上の休日を提供することが一般的です。
また、一部企業では「生産性の向上」「離職率の低下」をねらいとした週休3日制の導入も行われています。
社員の休日の過ごし方は「疲労やストレスの解消」「プライベートの充実」「子育てや介護と仕事を両立」など様々です。
多様な願望を叶えるに十分な年間休日があることはホワイト企業の代表的な特徴です。
労働基準法では労働時間は1日8時間・1週間で40時間と決められています。
ホワイト企業の基準としては残業時間が月に20時間程度です。
1か月の勤務日数を20日前後とすると1日1時間程度の残業時間となります。
近年、長時間労働の常態化や過重労働による過労死などが社会問題となっている社会背景もあり、「働き方改革関連法」が2019年4月に施行されました。
働き方改革関連法によって有給の取得や残業などに対する規制が強化され、労働環境の抜本的な変革が行われています。
多様な人材が活躍できる企業であることもホワイト企業の共通点です。
そのため、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントをはじめとした働く社員のエンゲージメントを下げるような言動や行動を起こす社員がいないことも特徴です。
また、人間関係においても多様性を尊重することが重要です。
「会社の人とプライベートで仲良くしたい」と言う社員もいれば、「仕事上で円滑にコミュニケーションが取れていれば、プライベートはしっかり分けたい」と言う社員もいます。
制度やルールで縛りすぎず、柔軟な対応ができる組織であることも、ホワイト企業の特徴です。
ホワイト企業の共通点として、 福利厚生の充実も必ず挙げられます。
ここでいう福利厚生とは、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険など、法で義務付けられている「法定福利厚生」が整備されていることを前提とし、社員やその家族の健康・生活向上のために企業が任意で提供している「法定外福利厚生」の充実を指します。
主な法定外福利厚生
- 財産形成
- 食事補助・健康管理
- 休暇制度
- 余暇・レクリエーション
- 自己啓発
- 慶弔・災害に関する制度
- 住宅補助
- 働き方支援
ホワイト企業の特徴として、平均年収が高いことも重要です。
平均残業時間が短かったとしても、平均年収も低いと生活が難しくなってしまいます。
労働に対して対価がしっかりと払われるか、継続的に安定した給与が支払われるかといった給与制度も働きやすさにつながります。
また、新卒大学生向けの就活情報サイト「就活の教科書」を運営する、株式会社Synergy Careerの調査によると、就活生がホワイト企業だと思う年収で最も多かったのは「400万円以上」(25.2%)「500万円以上」(25.2%)で、平均は「533万円」でした。
上記の調査は残業時間も調査していますが、年収のアンケートへの回答に関しては、残業時間は加味されていません。
したがって、固定残業代や残業代を加味しない企業であれば400万円〜500万円程度が就活生が考えるホワイト企業の年収と言えそうです。
社員の成長のため、教育制度にも重きを置いてるのがホワイト企業の共通点です。
社員の成長には非常に多くのコストを必要としますが、研修制度を整備するということは、目先の利益ではなく、長期的な視点では組織体制の強化に繋がります。
教育体制の充実は、社員の使い捨てが多いとされるブラック企業にはない、ホワイト企業の大きな特徴といえます。
ホワイト企業であると認識されることは就職活動中の学生や転職活動中の求職者へ向けての大きなアピールになります。
この章では、就職活動中の学生や転職活動中の求職者ホワイト企業と認知される具体的なアピール方法について解説します。
冒頭でもお伝えした通り、ホワイト企業に明確な定義はありません。
そのため、就職活動中の学生や転職活動中の求職者へ向け、ホワイト企業と認知される事は難易度が高めです。
そのため、すぐにホワイト企業であることをアピールしたい場合、公的な認定を取得することがオススメです。
一例を挙げるならば下記のもの。
厚生労働省の安全衛生優良企業公表制度や経済産業省の健康経営優良法人認定制度があります。
安全衛生優良企業公表制度について - 厚生労働省
健康経営優良法人認定制度(METI/経済産業省)
ホワイト企業であることを就職活動中の学生や転職活動中の求職者へ向けアピールしたい場合、この機会にブランディング戦略を取り認知拡大を狙うことも効果的です。
採用におけるブランディングとは、採用活動において自社を「ブランド化」し、他社と差別化する戦略を意味します。
求職者向けに企業理念やビジョン、理想の社員像、実際に働く社員の人柄、職場の雰囲気などを、戦略的に情報発信していくことを指します。
具体的な施策としては、
・面接前に実際に働く社員との面談の設定
・OB OG訪問の積極的な受け入れ
・現在働く社員に自社の良い面をヒアリングし、多かった意見かつ他者と差別化できる意見を求人や説明会の場でアピールすること
などが挙げられます。
ミズサキでも戦略策定の支援を行っています。無料でご相談を承っておりますので、是非お問い合わせください。
・ホワイト企業は「ブラック企業」の対を成す言葉として誕生した言葉で明確な定義はない。
一般的に社員が働きやすい職場がホワイト企業。
・ホワイト企業に共通する特徴は、「年間休日が多い」「残業時間が少ない」「人間関係が良好」「福利厚生の充実」「給与が高い」「教育体制の充実」など。
・採用担当が行うべき求職者へのアピール方法は、認定制度の利用・ブランディング戦略を使った認知拡大。
ここまで、ホワイト企業の定義や特徴を明確化し、求職者にアピールする際のポイントを解説しました。
ミズサキでは、こうした採用担当が抑えておくべき情報の提供や採用、フォローアップの支援を行っています。
無料でご相談を承っておりますので、是非お問い合わせください。