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内定辞退が多い企業の特徴とは?学生の本音から導く「選ばれる企業」への改善マニュアル

内定辞退が多い企業の特徴とは?学生の本音から導く「選ばれる企業」への改善マニュアル
  • 公開日:2025/12/04
  • 更新日:2025/12/04
藤村俊太郎
この記事を書いた人
藤村俊太郎

愛知県知多市出身。愛知県立明和高校→慶應義塾大学卒業。高卒採用・大卒採用・中途採用のプロフェッショナル。年間4,000件以上の採用をマッチングさせる転職サービスの開発・運用を経験。自社採用部署における、新卒採用の立ち上げ・採用広報部署の立ち上げ・社員定着戦略/仕組みの構築を行う。採用戦略の構築とインハウス化が得意。

内定辞退が起きると、かけた時間と労力、そして期待が無駄になってしまいます。

「また一からやり直しか」「自分のフォローが足りなかったのではないか」と、自分を責めてしまう採用担当者の方も多いのではないでしょうか?

しかし、いま内定辞退が多発しているのは、採用担当者の努力不足だけが原因ではありません。現在の採用市場は、かつてないほどの「売り手市場」であり、どの企業も同じような構造的な課題に直面しているのです。

この記事では、最新の市場データに基づいた「学生が辞退する本当の理由」から、明日からすぐに使える「コピペ可能な返信テンプレート」、そしてミスマッチそのものをなくす「根本的な採用戦略」までを網羅的に解説します。

リクルートなどの最新データや、RJP理論(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)といった専門的な知見をもとに、現場ですぐに役立つノウハウを凝縮しました。

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藤村
読み終える頃には、辞退の連絡に怯える「受け身の姿勢」から、自社に本当に合う人材を確実にグリップできる「攻めの採用担当者」へと、意識も行動も変わっているはずです。
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  • 実は現代の求職者は、「〇〇〇な情報」を求めている
  • 内定辞退が増えているのは、「〇〇〇」が根本的に変わったから
  • 求職者は、企業の「〇〇〇」を見て、応募をためらったり、辞退するケースが増えている

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なぜ今、「内定辞退が多い」のか?最新データで見る採用市場の現実

「以前より内定辞退が増えた気がする」という感覚は、決して間違いではありません。

まずは、なぜこれほどまでに内定辞退が頻発するのか、客観的なデータを用いて市場の現実を紐解いていきましょう。

売り手市場の加速と「1人平均2社以上」の複数内定

結論から言うと、現在の学生が「選ばれる立場」ではなく「選ぶ立場」にあることが原因です。

株式会社インディードリクルートパートナーズが発表した『就職プロセス調査(2026年卒)2025年10月1日時点 内定状況』によると、10月時点での内定率は93.9%を超え、学生一人あたりの内定取得平均社数は2.5社以上にのぼります。

出典元:就職プロセス調査(2026年卒)2025年10月1日時点 内定状況(インディードリクルートパートナーズ)
10月1日時点
内定保有数
1社 2社 3社 4社 5社 6社以上 平均内定取得数(社)
2026年卒 33.1% 27.8% 17.9% 9.1% 5.5% 6.6% 2.58
2025年卒 34.0% 28.5% 16.0% 10.2% 5.3% 6.0% 2.52
2024年卒 37.4% 25.0% 17.3% 9.6% 6.7% 4.0% 2.40

つまり、あなたの会社が内定を出したその学生は、すでに他社からも1〜2社の内定を持っている可能性が極めて高いのです。

学生の手元には複数の「内定カード」があり、その中から最も条件や印象が良い1枚を選び、残りをすべて捨てる(辞退する)という行動をとります。この「複数内定」が常態化している以上、どれほど魅力的な企業であっても、一定数の辞退が発生するのは避けられない構造になっているのです。

平均値よりも重要!「辞退が起きやすい」3つの構造的要因

「業界平均は何%なのか?」と他社の数字が気になるかもしれませんが、実は平均値を知ることにあまり意味はありません。なぜなら、内定辞退率は「企業の知名度」「採用時期」「職種」によって大きく変動するからです。

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藤村
一概に「多い・少ない」を判断することは危険です。

数字に一喜一憂するのではなく、自社が「構造的に辞退が起きやすい状況にあるか」を客観的に判断することが重要です。一般的に、以下の3つの要素に当てはまる場合、内定辞退率は高くなる傾向にあります。

条件・待遇 内定辞退の理由
選考スケジュールの「後手」要因 初任給が他社より2万円低い
採用競合との「バッティング」要因 希望勤務地(都心など)への配属が確約されていない
知名度と「親ブロック」要因福利厚生 家賃補助や年間休日数で見劣りする

もし自社がこれらに当てはまる場合、辞退率が高いのは人事担当者の責任というよりは、「構造上の課題」です。

「うちは辞退されやすい立ち位置にいる」と認識した上で、平均値を目指すのではなく「自社のターゲット層における歩留まりをどう上げるか」という独自の目標設定に切り替える必要があります。

オンライン面接の普及による「企業理解」の希薄化

もう一つ、近年の大きな要因として見逃せないのが「採用活動のオンライン化」です。

Web面接は効率的ですが、画面越しでは「オフィスの活気」「社員同士の何気ない会話」「すれ違った時の挨拶」といった“温度感”が伝わりません。その結果、内定が出ても学生の心の中に、次のような迷いが生じやすくなっています。

  • 「内定はもらったけれど、本当にこの会社でやっていけるのかな?」
  • 「画面越しの優しい面接官しか見ていないけれど、実際の職場はもっと殺伐としているのでは?」

このように、企業理解が浅いまま・解像度が低いままの状態で内定に至ってしまうため、入社決断の土壇場で不安が増幅し、「内定ブルー」から辞退へと繋がってしまうのです。

人事担当者の約8割がオンライン選考のほうが入社後ミスマッチが多いと回答

引用元:オンライン面接での採用前後のギャップに関する実態調査(moovy)

また、採用コンサルティング事業を行うプレシャスパートナーズの調査によると、オンライン面接では自分の良さが伝わらないと考えている学生が42.3%いることがわかっています。

リアルな接点が減った分、意図的に信頼関係を築くためのタッチポイントを設計しなければ、学生の心は簡単に離れてしまいます。

学生が本音で語る「内定を辞退した理由」4選

学生から辞退の連絡が来る際、「他社とのご縁がありまして」や「一身上の都合」といった定型的な理由を伝えられることがほとんどではないでしょうか。

しかし、これらはあくまで建前です。その裏側にある「本当の辞退理由」を理解しなければ、有効な対策を打つことはできません。

ここでは、学生が内定辞退を決断する際に決定打となりやすい、4つの本音を解説します。

【理由1】条件・待遇の見劣り(給与・勤務地・福利厚生)

最も現実的かつシビアな理由は、競合他社と比較した際の「条件面の差」です。

前述の通り、今の学生は複数の内定を持っています。「第一志望の企業の選考が進むまでの滑り止め」として受験していた場合、本命から内定が出れば、当然条件の良い方を選びます。

条件・待遇 内定辞退の理由
給与額 初任給が他社より2万円低い
勤務地 希望勤務地(都心など)への配属が確約されていない
福利厚生 家賃補助や年間休日数で見劣りする

これらは企業規模や経営方針に関わるため、人事担当者の一存ですぐに変えることは難しい部分です。しかし、実は条件面で負けていても、後述する「人への魅力」や「働きがい」で逆転できるケースは多々あります。「条件が悪いから仕方ない」と諦める前に、他の要因で減点されていないかを見直す必要があります。

【理由2】面接官・人事の対応への不信感(レスポンス・態度)

学生の志望度を一瞬で下げてしまうのが、「企業の顔」である人事や面接官の対応です。

特に学生が敏感になるのは、以下の3点です。

面接官・人事の対応 内定辞退の理由
レスポンスの遅さ 質問メールの返信に3日以上かかる、選考結果の連絡が予定より遅れる。
事務的な対応 内定通知が定型文のメール1通のみで、フィードバックや熱意が感じられない。
高圧的な態度 面接官が腕を組んで話を聞く、否定的な発言をする(圧迫面接の名残)。

学生は、「選考中の対応=入社後の社員への扱い」と捉えます。「入社しても大切にされないのではないか」という不信感は、内定辞退の強力なトリガーとなります。

【理由3】入社後の働き方に「リアリティ」を感じられなかった

「社風が良い」「成長できる環境」といった抽象的なアピールばかりで、具体的な業務内容や日常の風景が見えない場合も、辞退につながります。

学生にとって、就職は人生を左右する大きな決断です。情報が不足している状態では、「入社後に想像と違ったらどうしよう」という恐怖心が勝ってしまいます。

  • 「1日のスケジュールが具体的にイメージできない」
  • 「配属部署の先輩がどんな人か知らされていない」
  • 「残業の実態や繁忙期の様子がわからない」

このように解像度が低い状態のまま放置されると、より情報開示が進んでいる、働くイメージが明確な他社へと心が傾いてしまいます。

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藤村
「イメージできない会社には入社できない」というのが、学生の正直な心理です。

【理由4】「オヤカク」親や家族からの反対

特にBtoB企業や中小・ベンチャー企業で頻発するのが、親や家族からの反対、通称オヤカク課題です。

学生本人はその企業に入社したいと考えていても、いざ親に報告した際に以下のように言われてしまい、説得しきれずに辞退するケースです。

  • 「そんな聞いたこともない会社で大丈夫なの?」
  • 「せっかく大学を出たのだから、もっと安定した大手企業にしなさい」

学生は社会経験がないため、親の言葉を重く受け止めます。また、親を説得するための企業の「将来性」や「安定性」を示すデータなどを持っていないことも多く、辞退を選択することになります。

この場合、敵は学生本人ではなく「学生の背後にいる家族」であると認識し、適切なフォローを行う必要があります。

【即効性あり】内定辞退を防ぐための具体的フォロー施策(戦術編)

学生の本音が見えてきたところで、ここからは「明日からすぐに実践できる」具体的な対策について解説します。

採用担当者がコントロールできる最大の変数は、内定出しから入社までの「コミュニケーションの質と量」です。学生の不安を先回りして解消し、心理的な結びつきを強化するための3つのアクションを実行しましょう。

コミュニケーションの「頻度」と「質」を見直す(LINE活用・メンター制度)

最も避けるべきは、内定通知後に事務的な書類のやり取りだけで数ヶ月間放置してしまうことです。学生は「連絡がない=自分に関心がない」と受け取ります。

まず、連絡手段を見直しましょう。堅苦しいメールではなく、LINEやチャットツールを活用することで、心理的な距離を一気に縮めることができます。

また、人事担当者だけでなく、年齢の近い若手社員を「メンター・相談役」としてつけるのも非常に効果的です。

「上司や人事には聞きづらいけれど、給与の手取り額や残業の実態について知りたい」という学生のリアルな疑問に応えることで、入社後の不安を払拭できます。これは、「ナナメの関係」を作ることで孤立を防ぐテクニックです。

【コピペOK】内定者フォローメッセージのテンプレート

定期連絡を入れたいけれど、「何を話せばいいかわからない」「催促だと思われたくない」と悩む担当者向けに、学生に負担をかけず、かつ好印象を与えるメッセージを用意しました。状況に合わせて調整してご活用ください。

LINE・チャットツール向け(フランクなトーン)
【件名:最近いかがお過ごしですか?(株式会社〇〇 採用担当)】

〇〇さん、こんにちは!
株式会社〇〇の採用担当、△△です。

その後、大学生活はいかがでしょうか?
卒論や最後の学生生活で忙しい時期かと思いますので、無理のない範囲で読んでくださいね。

今日は事務的な連絡ではなく、単純に〇〇さんが元気にされているかなと思い、ご連絡しました!

もし就職に向けて「今のうちに準備しておいた方がいいことあるかな?」など、
ふと気になることがあれば、どんな小さなことでも気軽にスタンプやメッセージをくださいね。

季節の変わり目ですので、体調には気をつけて。
またご連絡します!
メール向け(丁寧なトーン)
件名:【近況のお伺い】季節の変わり目ですが、いかがお過ごしでしょうか?

内定者 〇〇様

お世話になっております。
株式会社〇〇 採用担当の△△です。

内定のご承諾から1ヶ月が経ちましたが、その後いかがお過ごしでしょうか?
卒業研究や旅行など、学生生活最後の時間を充実させていらっしゃることと存じます。

本日は事務的なご連絡事項はございません。
入社まで少し期間が空きますので、もし何か不安な点や、
「先輩社員にこれを聞いておきたい!」といったご希望があれば、
いつでも調整しますので遠慮なくおっしゃってくださいね。

私たちは〇〇さんと4月からご一緒できることを、心から楽しみにしています。
返信は不要ですので、引き続き学生生活を楽しんでください。

「同期・先輩」と会わせるリアルイベントの開催(懇親会・社内見学)

オンライン選考が中心だった企業ほど、内定後は意識的に「対面・リアル」の接点を作るべきです。

人は理屈・条件で会社を選びますが、最終的には感情・人を入社を決めます。

「この会社に入りたい」という気持ちを、「この同期たちと一緒に働きたい」「あの先輩のようになりたい」という具体的な「人」への愛着に変換させることが重要です。

施策 具体例
内定者懇親会 同期との横のつながりを作る。
「自分だけじゃない」という安心感を醸成する。
社内見学・ランチ会 実際に働くオフィスを見せ、社員が食べているランチを共にする。
「自分がここで働いている姿」を具体的にイメージさせる。

これらを実施することで、他社から条件の良いオファーが来ても、「仲良くなった同期を裏切りたくない」という心理的ハードルが働き、辞退の抑止力となります。

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藤村
選考とは関係のないところで、候補者と深いコミュニケーションを取ることが重要です。

家族へのフォロー(オヤカク対策・親向けパンフレット)

前述した「親ブロック」を防ぐためには、学生本人だけでなく、その背後にいる保護者を「安心」させるアクションが不可欠です。

特に知名度が高くない企業の場合、保護者は「ブラック企業ではないか」「すぐに潰れないか」と心配しています。この不安を取り除くには、以下のような「誠意の可視化」が有効です。

施策 具体例
内定通知にお祝いの手紙を
同封する
社長や採用責任者の名義で、「〇〇さんのような素晴らしい方を採用できて光栄です」と、親御さん宛のメッセージを添える。
会社案内・パンフレットを送る 企業の安定性、福利厚生、研修制度などが詳しく書かれた資料を実家に送付する。
保護者向け説明会
(オンライン可)
希望者向けに、会社の方針や待遇を説明する場を設ける。

「わざわざ親にまで?」と思うかもしれませんが、「従業員の家族まで大切にしてくれる会社」という印象は、親にとって何よりの安心材料となり、入社を後押しする存在になってくれる可能性が高まります。

マイナビの「2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査」によれば、45.2%の保護者が子供の内定先から「オヤカク」を受けたと回答しており、企業からオヤカクの連絡を受けること対して、7割以上の保護者が「良い印象を受けた」と答えています。

辞退率を根本から下げる「採用構造」の変革(戦略編)

ここまでは、内定を出した「後」の対策についてお話ししました。しかし、どれだけ丁寧にフォローをしても、そもそも「自社に合わない学生」ばかりに内定を出していては、辞退率を劇的に下げることはできません。

内定辞退が多い企業の多くは、フォロー不足ではなく、「集客」や「見極め」の段階に構造的な欠陥を抱えています。

小手先のテクニックではなく、採用活動そのものの基盤をアップデートし、「辞退されない自社に強くマッチした人材」を採用するための4つの戦略変革について解説します。

RJP理論(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)でミスマッチを事前回避

「優秀な学生を逃したくない」という一心で、自社の良いところばかりをアピールしていませんか?

実は、これが入社直前の辞退や早期離職の最大の原因です。

採用心理学には「RJP理論(Realistic Job Preview)」という考え方があります。これは、仕事の厳しさやネガティブな情報も含めて「ありのままの現実」を事前に伝えることで、定着率を高める手法です。

RJPは直感に反するかもしれません。「厳しいことを言ったら、学生が逃げてしまうのではないか?」という懸念があることもわかります。

しかし、兵庫県立大学のRJPに関する資料によると、RJPが以下の4つの効果を通じて、結果的に定着率を高めることを示しています。 

項目 伝統的な採用手法(Selling) RJPを活用した採用手法
情報開示 ポジティブな情報のみ(魅力、特典) ネガティブな情報も含む(厳しさ、課題)
目的 応募者数を最大化する 適合者(Fit)を抽出する
学生の期待 入社時にピークに達し、過剰な期待を抱く 期待が調整され、現実的な見通しを持つ
入社後の反応 「話が違う」という失望 「聞いていた通りだ」という納得感
結果 入社直前・直後の辞退や離職が多い 定着率が高まり、組織適応が早い

例えば、「残業はほとんどない」とあいまいに濁すのではなく、以下のように伝えます。

「基本的には18時退社を推奨していますが、繁忙期の3月だけは全員で協力するため、20時頃まで残業が発生します。その分、4月には長期休暇を取得しています」

このように「厳しさ」と「その背景・対価」をセットで正直に伝えることで、学生は「この会社は誠実だ」「自分でもやっていけそうだ」と納得感を持ちます。

逆に、この説明で去っていく学生は、入社してもすぐに辞めてしまう層ですので、お互いのために事前のミスマッチを防げたとポジティブに捉えるべきです。

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藤村

期待値とのギャップは、内定辞退や早期退職の原因になりやすいです。

【採用ブランディング】発信力強化で「見込み客のファン化」を促す

条件比較で競合他社に負けないためには、学生を「条件で選ぶ客」から「会社そのものを愛するファン」に変える必要があります。これが採用ブランディングの本質です。

採用広報とは、単に「募集要項」や「綺麗なオフィス写真」を載せることではありません。「企業のカルチャー」を伝えることです。

おすすめ媒体 使い方の例
オウンドメディア
(note・ブログ)
社員の「成功談」だけでなく「失敗談」や「苦労話」を発信する。
SNS
(X・Instagram)
飾らない日常のランチ風景や、部活動の様子を見せる。

人間味のある情報を継続的に発信することで、学生は応募前から「この会社の人たちが好きだ」という感情的な結びつき(エンゲージメント)を持つようになります。

「給料はA社の方が高いけど、私が働きたいのはB社(御社)の人たちだ」と思わせることができれば、条件競争から脱却し、辞退率は劇的に下がります。

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藤村
求職者向けの情報発信をしたことがない場合は、まずはnoteの無料アカウントで、社員インタビューの記事を投稿してみることをおすすめします。

 

弊社ミズサキも、採用広報代行サービスを提供しています。

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「待ち」から「攻め」へ:ダイレクトリクルーティング・リファラル採用の導入

もし、ナビサイトからの「一般応募」経由の辞退率が異常に高いのであれば、母集団の形成方法そのものが間違っている可能性があります。

不特定多数に向けたナビサイトは、多くの学生を集められますが、その分「とりあえずエントリーした」という志望度の低い層(記念受験組)も大量に含まれます。

内定辞退を減らすには、「待ち」の採用から「攻め」の採用への転換が急務です。

攻めの母集団形成 説明
ダイレクトリクルーティング 自社のカルチャーに合いそうな学生に、スカウトメールで直接アプローチする。
リファラル採用 自社をよく知る社員からの紹介で採用する。

ダイレクトリクルーティングやリファラル採用で出会った学生は、最初から「あなただから声をかけた」という特別感があり、かつマッチング精度が高いため、内定辞退率は極めて低くなる傾向にあります。

求める人物像(ペルソナ)の再定義とターゲットの修正

最後に、「誰を採用するか」というターゲット設定(ペルソナ)の見直しです。

内定辞退が多い企業は、ターゲットを「なんとなく優秀な人(高学歴・コミュ力高い)」に設定しがちです。しかし、そのような「万能な人材」は、大手企業を含めたすべての企業が欲しがるため、当然競争倍率は跳ね上がり、辞退率も高くなります。

戦略的に辞退を減らすには、ターゲットを「自社の価値観に強く共感してくれる人」へと絞り込む必要があります。

Before After
MARCH以上で、コミュニケーション能力が高い学生 学歴不問だが、〇〇という当社の泥臭いビジョンに共感し、行動力がある学生

ターゲットを鋭く絞れば、母集団の数は減るかもしれません。しかし、最終的な入社数と定着率は向上します。「全員に好かれようとしない」ことが、結果として相思相愛の人材を獲得する近道なのです。

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自社には合わない人「アンチ・ペルソナ」を決めるのも、ターゲット設定では効果的です。

それでも辞退が発生してしまったら?「次」につなげる対応方法

どれほど完璧な対策を講じても、学生の価値観やタイミングによっては、内定辞退をゼロにすることはできません。

しかし、重要なのは「辞退されたこと」そのものではなく、「その後の対応」です。ここで感情的にならず、プロとして振る舞えるかどうかが、企業のブランド価値を左右します。

辞退を単なる「損失」で終わらせず、将来の資産に変えるための対応方法について解説します。

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藤村
「神対応」を目指しましょう。

辞退連絡への返信マナー(将来の顧客・取引先として扱う)

辞退の連絡を受けた際、怒りを露わにしたり、無視したりすることは厳禁です。

今日、辞退したその学生は、数年後には「貴社の顧客」や「取引先の担当者」になっているかもしれません。あるいは、SNSで「あの会社の人事は酷かった」と拡散されれば、翌年以降の採用活動に甚大な悪影響を及ぼします。

逆に、ここで温かいエールを送ることができれば、「良い会社だったな」という好印象を残せます。近年では、他社に入社したものの合わずに辞めた人材が、対応の良かった会社に再応募してくる「出戻り(アルムナイ採用)」の事例も増えています。

「去る者は追わず、しかし拒まず」の精神で、将来の可能性を残す対応を心がけましょう。

【コピペOK】辞退メールへの返信テンプレート(神対応版)

感謝を伝え、相手の新たな門出を応援しつつ、「いつでも戻ってきていい」というニュアンスを含めた、リスク管理としても完璧なテンプレートです。

辞退返信メールの文例
件名:選考辞退のご連絡につきまして(株式会社〇〇 採用担当)

〇〇様

お世話になっております。
株式会社〇〇 採用担当の△△です。

この度は、丁寧にご連絡をいただき誠にありがとうございます。
内定ご辞退の件、承知いたしました。

私たちとしても、〇〇さんとご一緒できることを楽しみにしておりましたので、
正直なところ非常に残念ではございます。

しかし、〇〇さんが悩み抜いて出された結論だと思いますので、
その決断を私たちは尊重し、心から応援したいと考えております。

就職活動を通じて、数ある企業の中から弊社に関心を持っていただき、
貴重な時間を割いてくださったことに、改めて感謝申し上げます。

これからの社会人生活が、〇〇様にとって実り多きものになることを
心よりお祈りしております。

もし今後、何かご縁がございましたら、その際はぜひ気軽にお声がけください。
〇〇様の今後のご活躍を楽しみにしております。

--------------------------------------------------
株式会社〇〇 人事部
採用担当:△△
--------------------------------------------------

「本音の辞退理由」を聞き出し、PDCAを回す

辞退を受け入れた後、最後に一つだけやるべき仕事があります。

それは「なぜ自社を選ばなかったのか」という本音のヒアリングです。

辞退者の声は、自社の採用プロセスの欠陥を教えてくれる「宝の山」です。

「給与が低かったのか」「面接官の印象が悪かったのか」「他社の何が魅力的だったのか」。これらを知ることは、痛みを伴いますが、次年度の採用成功率を高めるための最強の武器になります。

ただし、詰問調(「なんで辞退するの?」)で聞いても、本音は引き出せません。以下のように、あくまで「今後のための勉強」という低姿勢で聞くのがポイントです。

辞退理由の聞き方
「〇〇さんのような優秀な方に選ばれなかったということは、弊社に至らない点があったのだと思います。もし差し支えなければ、今後の採用活動の改善のために、他社様を選ばれた決め手を教えていただけないでしょうか?(もちろん、聞いたからといって引き止めたりはしません)」

このように切り出せば、「実は、福利厚生のこの部分が……」と正直に話してくれることもあります。

このフィードバックを社内で共有し、「来年はここを改善しよう」とPDCAを回せる組織だけが、内定辞退という壁を乗り越え、採用力を高め続けることができるのです。

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内定辞退の理由は、早期退職や離職率の改善にも直結していることが多いです。人事だけでなく、社内全体で共有して改善していきましょう。

内定辞退に関するよくある質問(FAQ)

最後に、内定辞退の対応において、現場の採用担当者が抱きがちな疑問にQ&A形式で回答します。

Q. 内定承諾書を提出した後の辞退は損害賠償請求できますか?

A. 現実的には困難であり、推奨されません。

法律上、職業選択の自由(日本国憲法第22条)が保障されており、民法でも労働契約の解約の自由が認められています。内定承諾書の提出後であっても、学生が辞退すること自体に違法性はありません。

損害賠償を請求するには、「内定辞退によって具体的な実損が出たこと」などを企業側が立証する必要がありますが、これまでの判例を見ても認められるケースは稀です。むしろ、強硬な態度に出ることで「学生を脅す企業」という悪評が広まるリスクの方が遥かに大きいため、冷静に対応することをおすすめします。

Q. 内定辞退のメールには返信すべきですか?

A. はい、必ず丁寧に返信すべきです。

「どうせ入社しない相手だから」と無視をするのは、ビジネスマナーとして不適切ですし、企業ブランディングの観点からもマイナスです。

前述の通り、辞退者は将来の顧客や取引先になる可能性があります。「丁寧に対応してくれた」という最後の印象が、巡り巡って貴社の評判を守ることにつながります。定型文でも構いませんので、連絡をくれたことへの感謝と、今後の活躍を祈る旨を返信しましょう。

Q. 電話で辞退された場合、理由をしつこく聞いてもいいですか?

A. 「しつこく」はNGですが、「今後の参考のために」と低姿勢で聞くのは有効です。

辞退を引き止めるために理由を問い詰める(オワハラと受け取られる行為)は絶対に避けるべきです。しかし、「今後の採用活動をより良くするために、差し支えなければ教えてほしい」というスタンスであれば、多くの学生は協力してくれます。

あくまで「教えてもらう」という姿勢を崩さず、学生が話しにくいようであれば無理に深掘りしない配慮が必要です。

まとめ:内定辞退は「自社の採用力」を進化させるチャンス

内定辞退の連絡を受けることは、採用担当者にとって辛い経験です。しかし、それは同時に「自社の採用プロセスにおける課題」を浮き彫りにし、組織を強くするチャンスでもあります。

今回の記事のポイントを改めて整理します。

  1. 市場の現実を知る: 売り手市場で「複数内定」は当たり前。一定数の辞退は構造的に避けられないと割り切る。
  2. 戦術(フォロー)を見直す: 事務連絡だけで放置せず、LINEや懇親会を通じて「人との繋がり」を強化する。
  3. 戦略(構造)を変革する: RJP理論でリアルを伝え、採用ブランディングで「ファン」を作り、ミスマッチそのものをなくす。

内定辞退への特効薬は存在しませんが、「誠実な情報開示」と「丁寧なコミュニケーション」の積み重ねは、決して裏切りません。

今日からできる「メール一通の改善」「ターゲットの見直し」から始めてみてください。その小さな変化が、来年の採用活動で「御社だから入社したい」と熱望する学生との出会いにつながるはずです。

あなたの採用活動が実りあるものになることを、心から応援しています。

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ハローワーク求人票作成のコツ|記載項目別のポイントと例文を紹介

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ハローワークの求人票には50項目以上の記載欄がありますが、その中でも特に求職者の心をつかむ重要な6項目を取り上げ、作成ポイントを紹介していきます。各例文を記載していますので、是非参考にしてみてください。 あなたの会社の求人情報をリッチ化し、応募につながる求人票に仕上げることが可能になります。

応募者との連絡にそのまま使えるメッセージテンプレート集・応募者に好かれるために必要な考え方

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採用選考では、面接の日程調整、合否通知、書類提出の案内など、応募者とのメッセージのやり取りが多く発生します。 これらのやり取りは、応募者の企業に対する印象に関わるので、気を抜くのは禁物。 すぐに使えるテンプレートを用意しておくことで、適切なタイミングを逃さず、質の高いコミュニケーションを取ることができます。

高校新卒採用における求人の出し方|ハローワークへの求人票登録が必須

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高校に求人を出すための手順・やり方を解説しています。高校に求人を出すには、ハローワークで高卒専用の求人票を作る必要があります。申請方法と気を付けるポイントを併せて説明。求人票の他にも高校に送付するべき採用PRコンテンツについても解説しています。

ハローワークの文字数、行数に対応!ハローワーク求人票用の文字数カウンター&表記調整ツール

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ハローワーク求人票の作成時に困るのが、ハロワ独特の文字数と行数の制限。 項目ごとに縦の行数や横の文字数、全体の文字数が決まっています。 「ハローワークの求人票の作成」がより効率的にできればと想いを込めて、ハロワ求人票専用の文字数カウンター&表記調整ツールを作成しました。 是非ご活用ください!

2025年の転職市場動向予測!今知っておくべき採用市況感

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2025年の転職市場や中途採用の市況感について知りたい企業の人事担当者や経営者の方に向けて執筆しています。 最新の市場動向や注目トレンド、業界別・地域別の採用事情、今後の採用戦略や成功のポイントまで解説します。 2025年の採用・転職市場で成功するために、今知っておくべき情報を網羅した記事です。