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ベンチャー企業は採用広報に誰を抜擢すべきか?適任者の見極め方を解説

ベンチャー企業は広報担当に誰を選ぶべきか?
  • 公開日:2026/02/20
  • 更新日:2026/02/20

革新的な技術や優れたサービスがあっても、その価値が社会や潜在的な候補者に届かなければ、事業の成長は停滞します。

特にリソースが限られるベンチャー企業において、自社のストーリーを社外に発信し、優秀な人材を引き寄せる採用広報の役割は極めて重要です。

あなたも、用広報の重要性に気づき、社員の中から広報担当者を選ぼうとしているのではないでしょうか。

私たちミズサキは、これまでにベンチャー企業の採用広報を実務面から支援する中で、様々な課題に直面し、そしてどのような資質を持つ人物が広報として真の成果を出すのかを目の当たりにしてきました。

本記事では、ミズサキが現場を見てきた経験から、広報担当者の選び方について解説します。

遠藤真
この記事を書いた人

ミズサキ株式会社共同創業者。静岡県出身、慶応大卒。医療系IT企業での統括経験を経て、採用広報代行「リクルーティングPR-X」を創設。SEOやWebライティングの知見を掛け合わせた「採用ブランディング」と戦略的な「広報」支援に強みを持つ。企業の魅力を最大化する採用広報のスペシャリスト。

[ 目次 ]

  1. はじめに|なぜベンチャーの採用広報は人選で9割決まるのか?
    1. ベンチャー企業の採用広報に求められる突破力
    2. 資質とスキルに分けて選ぶ|広報担当者があらかじめ持っておくべき資質とは何か
  2. 広報の定義:経営者が再確認すべき「信頼の運用」
    1. 広報は露出ではなく信頼を増やす仕事
    2. 広報・広告の違いと共通点
  3. 資質1:社内を縦横無尽に動く「情報ハブ」の適性
    1. 社内交流の多さが「ストーリーの種」を掘り起こす
    2. 他職種からのジョブチェンジ:営業・CS・人事の親和性
  4. 資質2:フィルターとして機能する「リスク管理」の適正
    1. 経営者が最も懸念すべき「3大公開リスク」
    2. 社交性とトレードオフにしない「正当な倫理観」の見極め
  5. 採用広報を成功させる5つのスキル
    1. 文脈の翻訳力:経営者のDNAを候補者のインサイトへ接続する
    2. シナリオ設計力:候補者の「認知」から「応募」までの導線を描く
    3. データ・リテラシー:採用単価と認知の相関を読み解く
    4. ビジュアル・ディレクション:非言語情報の整合性を担保する
    5. マルチステークホルダーへの共感力:三方良しの着地点を見極める
  6. 完璧な人はいない:仕組みでカバーする不適性の補い方
    1. 広報担当に向いていない人材|完全NGと改善可能な境界線は?
    2. リスクを低減する仕組み化のポイント
  7. 抜擢後の成長ロードマップと評価指標
    1. 専門性を担保する学習ステップと資格(PRプランナー等)
    2. 評価指標(KPI)の設計:認知から「質の高い母集団形成」へ
    3. 広報から経営参謀へ:フェーズごとの役割の変化
  8. 採用広報の担当者選びについてよくある質問
    1. 社内に適任者がいない場合、未経験者を中途採用しても良いでしょうか?
    2. 創業期はリソースが限られています。人事や営業、社長室との「兼任」でも成果は出ますか?
    3. 適任者が見つかるまで、PR会社やフリーランスに「丸投げ」しても良いですか?
    4. 広報担当者のモチベーションを維持するには、どのようなキャリアパスを提示すべきですか?
  9. まとめ:経営者が最後に信じるべきはこの人に任せたいと思えるかどうか
    1. 適性を見極める最終チェックリスト
    2. 信頼関係の構築こそが採用広報のゴール

 

 採用広報ならリクルーティングPR-Xにお任せください

はじめに|なぜベンチャーの採用広報は人選で9割決まるのか?

ベンチャー企業における採用広報は、整った環境で行われる定型業務ではなく、不確実な状況下で道を切り拓く「事業開発」に近い性質を持ちます。

そのため、誰を担当に据えるかが、そのまま採用力やブランド構築の成否を分けることになります。

ベンチャー企業の採用広報に求められる突破力

ベンチャー企業には、大手企業のような「黙っていても人が集まる」ブランド資産がありません。

このフェーズで求められるのは、受け身のプレスリリースや採用サイトの作成ではなく、自らメディアや候補者のコミュニティに飛び込み、自社の存在を認知させる「突破力」です。

ベンチャー企業の採用広報では以下の3要素が必要だということを覚えておいてください。

POINT:ベンチャー採用広報の必須要素

 無関心からの脱却
市場の膨大な情報の中に埋もれないよう、独自の切り口で自社のニュース価値を創出する。

 ストーリーの構築
経営者の抽象的な想いを、候補者が自分事化できる具体的な魅力へと変換する。

 能動的なチャネル開拓
既存の媒体に頼らず、SNSやnote、イベントを通じて接点を自ら作り出す。

endo
遠藤
このような攻めの採用広報を実現するためには、ただ作業適性やスキルがあるだけでは不十分です。
事業に対する深い理解と熱量を持つ人物をでなければ、ベンチャー企業の採用広報を完遂できません。

資質とスキルに分けて選ぶ|広報担当者があらかじめ持っておくべき資質とは何か

広報実務において、ブログ記事の書き方やSNSの運用手法といった「スキル」は、後天的に習得が可能です。

しかし、広報として本質的に重要な「資質」は、短期間の教育で変えることはできません。

広報担当者を選ぶときは、資質とスキルを見る

項目

習得の難易度

創業期における重要性

ライティングスキル

低(訓練可能)

情報伝達の手段として必要

メディアとの接点

中(活動次第で構築可)

露出経路の確保に有効

情報感度・好奇心

高(資質に依存)

ニュースの種を見つけるために必須

正当な倫理観・慎重さ

高(性格に依存)

炎上や情報漏洩を防ぐ最後の砦

経営者が人選を行う際、目先の「広報経験」の有無以上に、その人物が「社内の小さな変化に気づけるか」「公の場で自社を代表するに足る規律を持っているか」という根源的な特性を見極める必要があります。

広報の定義:経営者が再確認すべき「信頼の運用」

広報担当者を指名する前に、経営者が広報活動の本質を正しく定義しておく必要があります。

ここを誤ると、担当者に不適切なKPIを課し、結果として組織のブランドを損なうリスクがあるからです。

広報は露出ではなく信頼を増やす仕事

広報(PR)の語源である「パブリック・リレーションズ」は、組織とその生存を左右するステークホルダーとの間に、相互に利益のある関係を築き、維持するマネジメント機能です。

メディアに露出し、認知度を上げることは手段に過ぎません。

真の目的は、社会や候補者から「この企業は信頼できる」「応援する価値がある」というレピュテーション(合意)を獲得することにあります。

そのため、採用広報の運用においても以下の3点を抑えておく必要があります。

POINT:ベンチャー採用広報の必須要素

 情報のファクトチェック
誇張した表現を避け、事実に基づいた誠実な発信を行う。

 双方向の対話
一方的な通知ではなく、社会の反応を経営にフィードバックする。

 長期的な資産化
短期的なバズではなく、数年後に効いてくる「企業の格」を積み上げる。

広報・広告の違いと共通点

広報と広告は「情報を届ける」という点では共通していますが、その目的と評価基準は明確に異なります。

比較 広告 広報
対象 顧客 社会全体
目的

売上・利益の最大化

メッセージは自社がコントロールし、枠を「買う」。

信頼・関係性の構築

メディアという第三者の視点を介して「獲得する」。

採用広報においては、マーケティング的な「集客」の視点も必要ですが、それ以上に「第三者(メディアや社員の口コミ)からどう見えているか」という客観的な視点が不可欠です。

この視点が欠けた担当者を選んでしまうと、独りよがりの「宣伝」になり、かえって候補者の警戒心を強めてしまいます。

endo
遠藤

ここまでは、広報担当者を選ぶうえで知っておいていただきたい前提知識を解説しました。
ここからは、採用広報に必要な「資そして伸ばすべき6つの「スキル」を見ていきましょう。

資質1:社内を縦横無尽に動く「情報ハブ」の適性

採用広報のネタはデスクの上にはありません。

エンジニアのこだわり、カスタマーサクセスが受け取った顧客の感謝、経営者がふと漏らした将来の展望。これらを求職者に向けて翻訳し、発信する情報となります。

これら「組織の熱量」をすくい上げるには、社内を縦横無尽に動き回るフットワークの軽さが不可欠です。

ここでは、広報担当者に不可欠な情報を集める適性について解説します。

社内交流の多さが「ストーリーの種」を掘り起こす

広報担当者に向いているのは、ただお喋り好きな人ではなく、「社内の各部署から自発的に情報が集まってくる人」です。

ミズサキでは、これを「情報ハブ適性」と呼びます。具体的には、次の3つの特性を指します。

社内交流からストーリーの種を発見する「情報ハブ」の資質

1. 現場の「温度感」を掴む力

経営者が把握しきれない現場の苦労や成功体験を、雑談の中から発見する力です。採用候補者が最も知りたいのは、綺麗に整えられた会社概要ではなく、「現場で何が起きているか」という生の情報です。

2. 心理的安全性による「一次情報」の獲得

社内での信頼が厚い担当者には、社員も本音を話しやすくなります。「あの人に話せば、自分の仕事をいい形で発信してくれる」という期待感が、採用広報を促進するエンジンとなります。

3. 情報の「目利き」としての機能

膨大な社内情報の中から、どの情報が「社会の関心(メディア価値)」や「候補者の関心(採用価値)」に合致するかを見極める必要があります。これは日頃から全方位の社員と対話している人物にしかできない高度な判断です。

他職種からのジョブチェンジ:営業・CS・人事の親和性

既存の社員から広報担当者へ抜擢する場合、あるいは中途採用で未経験者を検討する場合、以下の職種で成果を出した人物は、広報への転用可能性が非常に高いと言えます。

前職種

広報に転用できるコアスキル

採用広報におけるメリット

営業職

相手のニーズを汲み取る力、突破力

自社の魅力を言語化し、メディアや候補者に「売り込む」攻めの姿勢。

カスタマーサクセス

顧客の声を聴く力、課題解決能力

求職者が何を求めているかを正確に把握し、共感を生む発信ができる。

人事・採用担当

組織理解、マッチングの視点

どの情報を出せば「自社に合う人材」が惹きつけられるか、採用要件に基づいた情報発信。

これらの職種に共通するのは、「異なる利害関係者の間に立ち、情報を調整しながら合意形成を行ってきた」という点です。

社内調整と社外発信を同時にこなさなければならない広報活動において、この「調整能力」は実務経験以上に価値があります。

endo
遠藤

広報担当者を任命するときは、「社内の誰からも話しかけやすく、かつ各部署のキーマンと良好な関係を築いているか」を評価基準の筆頭に据えましょう。

資質2:フィルターとして機能する「リスク管理」の適正

社内交流が活発で、誰とでも良好な関係を築ける人物は広報に適していますが、その「境界線の緩さ」が企業にとって致命的なリスクを招くことがあります。

経営者は、社交性の裏側に潜む「規範意識」と「倫理観」を、スキル以上に厳格に評価しなければなりません。

ここでは、採用広報のリスクと、担当者に必要な「リスク管理適正」の見極め方について解説します。

経営者が最も懸念すべき「3大公開リスク」

ベンチャー企業は、一度の失態がブランド失墜だけでなく、事業継続そのものを危うくします。

広報担当者の「うっかり」や「独断」が招くリスクは主に以下の3つです。これらを踏まえて広報担当者を選出します。

リスク1|機密情報・未公開情報の流出

社内コミュニケーションが円滑すぎるがゆえに、「どこまでが公開可能か」の線引きが曖昧になり、NDA(秘密保持契約)に触れる情報や、開発中の新機能をSNS等で漏らしてしまうリスク。

リスク2|コンプライアンス・権利侵害

著作権の軽視や、不適切な引用、あるいは「面白ければ良い」という安易なコンテンツ制作による法的トラブル。

リスク3|価値観の押し付けによる「炎上」

採用広報において、自社の文化を美化するあまり、多様な価値観を否定したり、無自覚な差別的表現を含めたりすることで、SNSを中心とした大規模な批判を招くリスク。

社交性とトレードオフにしない「正当な倫理観」の見極め

「口が上手い」「人脈が広い」だけの人物は、広報として半分失格です。

経営者が抜擢時にチェックすべきは、社交性と共存する情報のフィルターとしての資質です。

以下の4つのポイントを見て、社員の中から最適な人物を選出してください。

見極めポイント

評価すべき具体的な行動

1. 正確性への執着

雑談の中でも数字やファクトの誤りをそのままにせず、正確に正そうとするか。

2. 情報の守秘義務

「ここだけの話」を他所で漏らさないか。社内の噂話に加担せず、一線を画しているか。

3. 社会の潮流への感度

現代のジェンダー観や労働倫理など、社会的な「地雷」を知識として理解しているか。

4. ルールの遵守

既存の社内ルールやワークフローを軽視せず、面倒な手続きも着実に実行できるか。

endo
遠藤
特にベンチャー企業は「スピード重視」でルールが後回しになりがちですが、広報だけは「ルールを自ら作り、それを自ら守る」という生真面目さが求められます。

採用広報を成功させる5つのスキル

ここまで、広報担当者の資質について解説してきました。

前述の通りベンチャー企業の採用広報は、整った環境での定型業務ではありません。られソー採用果をためには、自洗的なスキルも必要になります。

この章では、広報担当者が備えておくべき「実戦的スキル」を5つの視点で紹介します。

endo
遠藤

網羅的に解説しますが、全てのスキルセットを備えた社員は、おそらくベンチャー企業にはいません。あくまで上述の「資質」を重視したうえで、プラスαとして以下のスキルを部分的にでもる人物が、広報担当者として活躍しやすいです。

また、「今後以下のようなスキルを身につけられるか」という視点をもって、担当者を選ぶことも重要です。

1. 文脈の翻訳力:経営者のDNAを候補者のインサイトへ接続する

単に「文章が上手い」ことと、広報としての「筆力」は別物です。

広報に求められるのは、経営者の抽象的なビジョンを、候補者が抱える悩みや願望(インサイト)に合致する言葉へ変換する「翻訳能力」です。

この翻訳能力は、以下の3つのスキルによって決まります。

文章の翻訳力3つのスキル 解説
情報の構造化 経営者の熱量をそのまま出力するのではなく、5W1Hに基づいて論理的に整理し、読み手の納得感を醸成する。
トーン&マナーの制御 企業のフェーズや求める人材像に合わせ、親しみやすさか、プロフェッショナルな厳格さか、最適な語り口を選択・維持する。
ベネフィットの提示 「自社が何をしたいか」ではなく、「候補者のキャリアにどう寄与するか」という視点でストーリーを再構築する。

2. シナリオ設計力:候補者の「認知」から「応募」までの導線を描く

断発的なSNS発信や記事広告では、本来の目的である採用への効果はほとんどありません。

広報担当者には、候補者が自社を認知してから応募に至るまでの感情変化を設計する力、つまり以下の3つのスキルが必要です。

シナリオ設計力3つのスキル 解説
カスタマージャーニーの策定 未認知層には「共感」を、検討層には「信頼(実績や技術力)」を届けるなど、段階に応じたコンテンツを配置する。
チャネルの最適化 note、X、Wantedly、プレスリリース等、それぞれのプラットフォーム特性を理解し、情報の流動性を最大化させる。
CTA(行動喚起)の設置 記事を読んだ後に「カジュアル面談に進む」「資料をダウンロードする」といった、次のアクションを自然に促す設計。

3. データ・リテラシー:採用単価と認知の相関を読み解く

広報活動を「やったつもり」で終わらせないために、定量的・定性的なデータを経営指標に紐付ける能力が不可欠です。

データ・リテラシー3つのスキル 解説
KPIの設計と追跡 PV数やいいね数といった「虚栄の指標」に惑わされず、最終的な「有効応募数」や「採用単価(CPA)の低減」への寄与度を計測する。
アトリビューション分析 どの記事や発信がきっかけで応募に至ったか、複数の接点を可視化し、投資判断の材料を経営層に提供する。
市場動向の数値化 競合他社のメディア掲載数やSNSでの言及数を分析し、自社の立ち位置を客観的に把握する。

4. ビジュアル・ディレクション:非言語情報の整合性を担保する

テキスト以上に、写真やデザイン、動画といった視覚情報は企業のブランドイメージを瞬間的に決定づけます。

ビジュアル・ディレクション3つのスキル 解説
イメージの言語化と指示 カメラマンやデザイナーに対し、「創業期の熱量」や「誠実さ」をどう視覚的に表現すべきか、一貫性のあるディレクションを行う。
著作権・肖像権の管理 素材利用における法的なリスクを完全に排除し、企業の信頼を損なわない運用を徹底する。
情報のアクセシビリティ 読みやすいフォント、レイアウト、スマホ視聴時の視認性など、ユーザー体験を考慮したビジュアル構築。

5. マルチステークホルダーへの共感力:三方良しの着地点を見極める

広報のメッセージは、候補者だけでなく、既存社員、投資家、競合他社など、あらゆる方面に届きます。多角的な視点で「誰かを傷つけないか」「誤解を招かないか」を予測する想像力です。

共感力3つのスキル 解説
全方位的なリスク察知 特定の層をターゲットにした発信が、既存顧客やパートナー企業の不快感を煽らないか、事前に感度高くチェックする。
社内調整の完遂 現場のエンジニアや営業が「自分たちの実態と違う」と感じないよう、発信内容の整合性を社内で事前に合意形成する。
エシカルな発信姿勢 誇大広告やステルスマーケティングを排除し、誠実な情報公開を通じて企業の「徳」を積む。

完璧な人はいない:仕組みでカバーする不適性の補い方

ベンチャー企業の経営者が陥りやすいミスは、一人の「スーパー広報」を求めて採用を遅らせるか、逆に「社交的だから」という理由だけで全権を委譲してしまうことです。

人選においては、教育で改善可能な「スキル不足」と、致命的なリスクとなる「資質の欠如」を峻別しなければなりません。

広報担当に向いていない人材|完全NGと改善可能な境界線は?

広報としての資質を評価する際、以下の表を基準に「投資・教育すべきか否か」を判断してください。

分類

特徴(リスク要素)

判断と対応

致命的な不適性

  • 虚言癖
  • 倫理観の欠如
  • 極度の主観性(独りよがり)
  • 事実確認への軽視

【抜擢禁止】

性格に起因する要素は教育での改善が極めて困難。組織の信頼を壊す。

改善可能な不適性

  • 文章力の低さ
  • メディア人脈の欠如
  • SNS操作の未経験
  • データ分析の知識不足

【教育・仕組みで解決】

スキルは経験とツールで補完可能。意欲と基本資質があれば採用・抜擢可能。

グレーゾーン

  • 極度のあがり症
  • 内向的すぎる性格

【配置の工夫】

社外広報(メディア対応)は不向きだが、ライティング主体の社内広報や戦略立案で強みが出る場合がある。

endo
遠藤
「改善可能な不適正」の人材を広報担当に選出する場合は、次に解説する仕組みでリスクを低減してください。

リスクを低減する仕組み化のポイント

採用広報において懸念される「炎上リスク」や「情報漏洩」は、個人の倫理観だけに頼るのではなく、ワークフローで物理的に防ぐ体制を構築すべきです。

特にベンチャー企業はスピードが優先されがちですが、広報に関しては以下の「ブレーキ」を意図的に組み込みます。

1. 情報の「公開区分」の明確化とラベリング

社内で共有される情報の機密レベルを、具体的な基準で3段階に分類します。

公開区分ラベル 具体例
全公開OK
  • 導入事例
  • 社内イベントの様子
  • 公開済みの機能アップデート
採用候補者限定(面談時など)
  • 組織の生々しい課題
  • 具体的な離職理由
  • 給与テーブルの詳細
完全社外秘
  • 未発表の資金調達情報
  • 開発中の新機能
  • 顧客の非公開データ

社内ドキュメントツールを利用する際、タイトルに【社外秘】等のタグ付けを義務化し、広報担当者が「どこまで書いて良いか」を感覚で判断させない運用ルールを定めます。

2. ツールを活用した承認経路の固定

プレスリリースや公式ブログ、SNSの高インパクトな発信については、必ず経営者またはリスク管理担当者が「第三者の目」でレビューするフローを徹底します。

口頭やチャットでの曖昧な「OK」出しを防ぐため、タスク管理ツール等を活用し、「誰が・いつ・どの原稿を承認したか」のログを必ず残します。

また、日常的なSNS発信は事業責任者、プレスリリースは経営者など、発信内容のリスク度合いに応じて承認経路を設計します。

3. AI校正ツールと機密情報検知の導入

誤字脱字を目検でチェックするだけでなく、朝日新聞社が提供する「Typoless」など、不適切な表現や機密単語を自動検知する校正ツールを活用します。

個人の「注意不足」を技術でカバーすることで、担当者の心理的負担を軽減しつつ、品質を担保します。

また、生成AIを活用し、「この文章に未公開の数字が含まれていないか」「誇大表現がないか」をチェックする運用も、手軽かつ強力な防衛策となります。

抜擢後の成長ロードマップと評価指標

広報は成果が可視化されにくい職種と言われますが、適切なKPIを設定し、専門性を高める機会を提供することで、その貢献度は明確になります。

経営者は、短期的な「バズ」を求めるのではなく、中長期的な「資産」としての広報を評価すべきです。

専門性を担保する学習ステップと資格(PRプランナー等)

実務経験が浅い人材を抜擢した場合、感覚に頼った発信を継続させると、いずれ限界が来ます。

公的な資格取得を推奨し、体系的な知識をインプットさせることは、担当者の自信に繋がるだけでなく、社内の「情報発信のプロ」としての立場を確立させます。

PRプランナー資格認定制度

 日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が認定する資格です。広報・PRの理論からプレスリリースの作成、時事問題まで網羅されており、広報の共通言語を学ぶのに最適です。

IRプランナー

上場を見据えるフェーズであれば、投資家向け広報(IR)の視点も不可欠です。財務・経営の基礎を学ぶことで、広報発信が株価や資金調達に与える影響を理解できるようになります。

商品プランナー

 「自社の商品・サービスをどう市場に適合させるか」というマーケティング的視点を強化し、広報企画の精度を向上させます。

評価指標(KPI)の設計:認知から「質の高い母集団形成」へ

経営者は、広報担当者が追うべき数値目標を「事業成長に直結する指標」とリンクさせる必要があります。

具体的には、以下の評価軸で広報担当者を評価することをおすすめします。

評価軸

具体的なKPI(例)

経営上の意味

認知・露出

指名検索数の増加、有力メディアへの掲載数

広告費をかけずに自社のプレゼンスを高めているか。

採用インパクト

採用単価(CPA)の低減、有効応募数の増加

自社媒体(SNS/ブログ)経由の応募が増え、マッチング率が向上しているか。

社内エンゲージメント

社内報の読了率、リファラル採用(社員紹介)数

社員が自社を誇りに思い、周囲に推薦したくなる土壌を作れているか。

リスク回避

炎上や重大な誤報のゼロ継続、SNS運用のルール遵守

企業の社会的信頼を維持し、有事の際も迅速に収束させているか。

広報から経営参謀へ:フェーズごとの役割の変化

ベンチャー企業の採用広報は、会社が成長するにつれてその役割を柔軟に変えていく必要があります。

経営者は担当者に対し、以下のキャリアパスを提示することで、長期的なモチベーションを維持させましょう。

立ち上げ期(1名体制)

「現場監督」として、自ら取材・執筆・発信する。経営者の想いを最も理解する伝道師としての役割。

成長期(チーム形成)

「ディレクター」として、外注先やメンバーをマネジメントし、一貫したブランドイメージ(トーン&マナー)を管理する。

成熟・拡大期(戦略広報)

「経営参謀」として、社会の情勢を先読みし、経営判断に対して「広報的視点(社会からどう見えるか)」のアドバイスを行う。

採用広報の担当者選びについてよくある質問

経営者が採用広報の担当者を決める際、よく直面する疑問についてまとめました。

Q. 社内に適任者がいない場合、未経験者を中途採用しても良いでしょうか?

A. はい、問題ありません。

ただし、採用基準は「広報の実務スキル(プレスリリースの執筆経験など)」よりも、本記事で挙げた「社内外とのコミュニケーション能力(情報ハブ適性)」と「倫理観」を優先してください。

実務スキルは入社後にツールや学習で補完できますが、自社のカルチャーを深く理解し、体現できるスタンスを持っているかどうかが、未経験者採用の成否を分けます。

Q. 創業期はリソースが限られています。人事や営業、社長室との「兼任」でも成果は出ますか?

A. 立ち上げの初期フェーズであれば、兼任でも十分に成果を出せます。

特に人事や営業との兼任は、候補者のインサイトを直接拾えるため親和性が高いです。

ただし、広報業務は「緊急ではないが重要な業務」になりやすいため、兼任させる場合は「週の〇%を広報業務に充てる」といった明確なリソースの確保と、経営陣の理解が不可欠です。

Q. 適任者が見つかるまで、PR会社やフリーランスに「丸投げ」しても良いですか?

A. 「丸投げ」は推奨しません。

創業期の魅力である「現場の熱量」や「経営者の生の声」は、外部の人間だけでは抽出が難しいからです。

外部のプロフェッショナルを活用する場合は、戦略立案や記事の執筆といった「実務の支援」を依頼し、社内には必ず彼らと現場を繋ぐ「窓口(情報ハブ)」となる社員を配置してください。

Q. 広報担当者のモチベーションを維持するには、どのようなキャリアパスを提示すべきですか?

A. 単なる「記事を書く人」として扱わないことが重要です。

「採用単価を〇円下げる」「自社の認知度を〇倍にする」といった事業成長に直結するミッションを与え、将来的には「CHRO(最高人事責任者)」や「広報・PR責任者」として経営ボードに参画する道筋を示すことで、視座の高い活動を促すことができます。

まとめ:経営者が最後に信じるべきはこの人に任せたいという直感

採用広報は、ただの情報の告知ではなく、企業の信頼を積み上げる経営そのものです。

これまで見てきた通り、理想的な広報担当者は「社内を動かす外交性」と「社会を俯瞰する倫理観」という、一見矛盾する二面性を備えている必要があります。

適性を見極める最終チェックリスト

人選に迷った際、経営者は以下の3点に立ち返って自問自答してみてください。

チェックリスト

 その人物は、あなたの「言葉にならない想い」を面白がって聴いてくれるか?
(=経営者のDNAを抽出する好奇心と抽出能力)

その人物は、社内の誰からも「あの人に聞けばわかる」と頼られているか?
(=ストーリーの源泉にアクセスできる情報ハブ適性)

 その人物は、たとえあなたに対しても「それはリスクがある」と進言できるか?
(=組織を炎上から守る強固な倫理観と自律性)

信頼関係の構築こそが採用広報のゴール

広報担当者を抜擢した後に経営者がすべき最大の仕事は、適切な「権限委譲」です。

広報は、機密情報や今後の戦略に触れる経営の最も深い部分に触れるポジションです。

情報を隠さず共有し、対等なパートナーとして扱うことで、担当者は初めて「会社の顔」としての自覚を持ち、候補者の心を動かす真実味のあるストーリーを語り始めます。

ベンチャー企業のブランドは、洗練されたロゴやWebサイトによって作られるのではありません。そこで働く「人」の熱量と、その熱量を正しく社会へ翻訳する「広報」の対話によって形作られます。

「この人なら、わが社の未来を安心して預けられる」そう思える人物を社内交流や倫理観の視点で見定め、抜擢すること。

その決断こそが、最強の採用ブランドを作り上げる第一歩となります。

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高卒採用の二次募集|スケジュールとポイント

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実は高校新卒採用には「一次募集」と「二次募集」が存在します。 高校生は9月に学校を通して応募、選考に進み内定を得ます。 この時期が「一次募集」。 そして一次募集期間終了後に、予定採用人数に足らずさらに募集を継続するか、または追加で採用活動を行うのが「二次募集」です。 今回は二次募集について解説します。

ハローワーク求人票作成のコツ|記載項目別のポイントと例文を紹介

ハローワーク求人票作成のコツ|記載項目別のポイントと例文を紹介

ハローワークの求人票には50項目以上の記載欄がありますが、その中でも特に求職者の心をつかむ重要な6項目を取り上げ、作成ポイントを紹介していきます。各例文を記載していますので、是非参考にしてみてください。 あなたの会社の求人情報をリッチ化し、応募につながる求人票に仕上げることが可能になります。

応募者との連絡にそのまま使えるメッセージテンプレート集・応募者に好かれるために必要な考え方

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採用選考では、面接の日程調整、合否通知、書類提出の案内など、応募者とのメッセージのやり取りが多く発生します。 これらのやり取りは、応募者の企業に対する印象に関わるので、気を抜くのは禁物。 すぐに使えるテンプレートを用意しておくことで、適切なタイミングを逃さず、質の高いコミュニケーションを取ることができます。

ハローワークの文字数、行数に対応!ハローワーク求人票用の文字数カウンター&表記調整ツール

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ハローワーク求人票の作成時に困るのが、ハロワ独特の文字数と行数の制限。 項目ごとに縦の行数や横の文字数、全体の文字数が決まっています。 「ハローワークの求人票の作成」がより効率的にできればと想いを込めて、ハロワ求人票専用の文字数カウンター&表記調整ツールを作成しました。 是非ご活用ください!

高校新卒採用における求人の出し方|ハローワークへの求人票登録が必須

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高校に求人を出すための手順・やり方を解説しています。高校に求人を出すには、ハローワークで高卒専用の求人票を作る必要があります。申請方法と気を付けるポイントを併せて説明。求人票の他にも高校に送付するべき採用PRコンテンツについても解説しています。

トルトルくん完全ガイド|料金・評判・導入のコツから分かる採用支援の新常識

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StockSun株式会社の採用代行サービス「トルトルくん」の料金や評判、導入のコツを徹底解説。トルトルくんは、月10万円からの低価格で利用でき、専門性の高いフリーランス人材による13種類もの採用施策を提供。コストパフォーマンスに優れた、中小企業・スタートアップに最適な採用支援サービスとして注目を集めています。