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【2025年】小規模・中小企業の人事必見!デキる社員を採用できる採用フローの作り方

【2025年】小規模・中小企業の人事必見!デキる社員を採用できる採用フローの作り方
  • 公開日:2025/06/09
  • 更新日:2025/06/12

2025年、採用市場はかつてないほどの変化を迎えています。少子高齢化による労働人口の減少、働き方や価値観の多様化、デジタル技術の進展により、従来の採用手法だけでは十分な人材確保が難しくなっています。

特に小規模・中小企業では「求人を出しても応募が来ない」「若手が集まらない」「せっかく採用しても早期離職が多い」といった悩みが深刻です。
こうした状況下で求められるのが、“最適な採用フロー”の設計と運用です。

採用フローとは、募集から応募、選考、内定、入社までの一連の流れのこと。
これを最適化することで、採用活動の効率化、ミスマッチ防止、コスト削減、企業ブランディングの強化など、さまざまなメリットが得られます。

本記事では、採用フロー最適化の具体的なメリットや設計ステップ、小規模・中小企業ならではの工夫まで、実践的なノウハウを徹底解説します。
人材獲得競争を勝ち抜きたい経営者・人事担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

藤村俊太郎
この記事を書いた人
藤村俊太郎

愛知県知多市出身。愛知県立明和高校→慶應義塾大学卒業。高卒採用・大卒採用・中途採用のプロフェッショナル。年間4,000件以上の採用をマッチングさせる転職サービスの開発・運用を経験。自社採用部署における、新卒採用の立ち上げ・採用広報部署の立ち上げ・社員定着戦略/仕組みの構築を行う。採用戦略の構築とインハウス化が得意。

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1.採用フロー設計の基本概念

採用フローとは?採用戦略との違い

採用戦略が「どんな人を、どのように採用するか」という全体方針であるのに対し、採用フローは募集から入社までの一連の流れのこと。
採用フローを設計することで、各プロセスの進捗や課題が可視化され、関係者全員で状況を共有しやすくなります。

採用戦略と採用フローの違い【図表】

項目

採用戦略

採用フロー

定義

どんな人を、どのように採用するかという全体方針

募集から入社までの一連の具体的な流れ

目的

採用活動の方向性・方針を決める

採用活動の進捗を管理し、各プロセスを可視化する

主な内容

・ターゲット人材像の設定

・採用手法の選定

・採用人数や予算の決定

・募集

・選考

・内定

・入社までの具体的プロセス

関与メンバー

経営層・人事責任者など

経営層・人事担当者・現場社員・面接官など

活用タイミング

採用活動の計画段階

採用活動の実行・運用段階

採用フロー最適化のメリット

採用フローを最適化することで得られる具体的なメリットは下の通り。

メリット

内容・具体例

進捗管理・情報共有が容易になる

各選考プロセスの進捗や応募者の状況が可視化され、関係者間の連携ミスや確認の手間を削減できます。

ボトルネックの早期発見・改善

各工程の歩留まり(通過率)を分析し、離脱や滞留が多いポイントを特定しやすくできます。

採用活動の効率化・生産性向上

無駄な工程や手戻りを減らし、スムーズな進行を実現。採用コスト・工数の削減にも直結します。

ミスマッチ防止・定着率向上

ターゲット人材像や評価基準を明確化し、適切な人材を選抜することで、入社後のギャップや早期離職も減らすことができます。

振り返り・改善が容易になる

採用活動の結果や課題をデータで振り返り、PDCAサイクルを回しやすくなります。

企業ブランディングの強化

候補者体験向上により、企業イメージがアップし、優秀な人材から選ばれやすくなります。

採用コストの最適化

効果的なチャネル選定やプロセス短縮により、広告費や人件費などのコストを抑制できます。

このように、採用フローの最適化は単なる効率化にとどまらず、採用活動全体の質を高め、企業の成長や持続性を支える重要な経営施策です。

2. 採用戦略設計の5ステップ

ここではまず、採用戦略設計について解説します。
採用戦略は、以下の5つのステップで構築します。

WHY(採用目的の明確化)

WHO(求める人物像の明確化)

WHAT(自社の魅力の明確化)

WHEN(採用活動のスケジューリング明確化)

HOW(実施プロセスの設計)

それぞれのステップを実践しやすい形で解説します。

ステップ1:WHY(採用目的の明確化)

①事業・組織の成長戦略と連動した採用目的の整理
例:「新規事業拡大のため営業職を強化」
  「将来の工場管理者候補の育成」
  「事務部門の若返り」

②会社・社員の価値観や理念の言語化
例:「地域社会への貢献」
  「家族的な社風」
  「ものづくりへの誇り」

ポイント!
「なぜ今、この人材が必要なのか」を全社で共有できるように言語化し、求人票や面接で一貫して伝えることが重要です。

ステップ2:WHO(求める人物像の明確化)

①求める人物像(MUST/BETTER/OUT)の具体化

MUST(必須):誠実さ、協調性、基礎的なPCスキル、ものづくりへの興味 など
BETTER(あれば良い):リーダー経験、営業経験、工場勤務経験 など
OUT(不適合):遅刻常習、チームワークが苦手、指示待ち姿勢 など

②社内巻き込みによる人物像の精度向上
現場社員や管理職へのヒアリング
活躍社員の特徴分析

ステップ3:WHAT(自社の魅力の明確化)

①社内外ヒアリングやフレームワーク(SWOT/3C/VRIO)で強みを明確化
例:地域密着、少人数で風通しが良い、経営者と距離が近い、独自技術あり など

②求職者目線での言語化と差別化ポイントの発信
例:「若手でも裁量を持って働ける」「転勤なし」「家族的な雰囲気」「地元で長く働ける」など

ステップ4:WHEN(採用活動のスケジューリング明確化)

①他社(大手、外資、ベンチャー)の動向を踏まえた通年採用の計画

<留意すべき点>
・新卒:インターンや説明会で早期アプローチを行うこと
・中途:通年で求人を出し、タイミングを逃さないこと
・求人サイト、リファラル、SNS、合同説明会など、チャネルごとに応募が集まりやすい時期を把握すること

 

ステップ5:HOW(実施プロセスの設計)

①応募~内定~入社までの全体像とCX(候補者体験)最適化

ポイント!
候補者体験(CX)の向上が、内定承諾率や定着率に直結します。プロセス全体を見直し、改善を続けましょう。

この流れを一貫して設計・運用することで、採用活動の質と成果が大きく向上します。
採用フロー設計の5ステップは、各プロセスを具体的に言語化・可視化し、採用担当者間で共有・運用することが成功のカギです。

3. 成功する採用フロー設計

繰り返しになりますが、採用フローは、企業が募集情報を公開してから採用活動が終了し、入社に至るまでの一連の流れを指します
一般的な採用フローは、「募集→会社説明→書類選考・筆記試験→面接→内定→内定者フォロー→入社」という7つのステップで構成されます。

それぞれの段階で押さえるべき内容とアクションを整理し、下記の図表にまとめます。

ステップ

主な内容・アクション

1. 募集

・自社HPや求人媒体、SNSを活用し、魅力的な情報発信を行う

・ターゲット人材像を意識した募集文を作成する

2. 会社説明

・説明会や動画、Webページなどで企業文化や働き方を具体的に伝える

・求職者の疑問や不安を解消する工夫をする

3. 書類選考・筆記試験

・履歴書・職務経歴書の内容を丁寧に確認し、評価基準を統一する

・筆記試験・適性検査は業務に直結する内容を重視する

4. 面接

・複数回の面接で人柄・スキル・企業文化との相性を多面的に評価する

・面接官間で評価基準を共有し、公平な選考を徹底する

5. 内定

・内定通知は迅速かつ丁寧に行う

・条件提示や入社意思確認を明確にし、双方の不安を払拭する

6. 内定者フォロー

・定期的な連絡や懇親会、現場体験の機会を設け、入社への期待感と安心感を高める

・家族向けの情報提供を行う

7. 入社

・入社手続きやオリエンテーションを円滑に実施し、早期離職防止のためのサポート体制を整える

このように、各段階での工夫や注意点を明確にし、採用フロー全体を可視化することで、関係者間の認識統一や進捗管理がしやすくなります。
特に中小企業では、限られたリソースを最大限に活用しながら、応募者にとっても企業にとっても納得感の高い採用活動を実現することが重要です。

4. 成功する採用フロー設計のポイント4点

成功する採用フロー設計には押さえるべき4つのポイントがあります。

デジタルツールの活用
採用管理システム(ATS)、AIスクリーニング、オンライン面接、チャットボットなどの導入で、業務効率と候補者体験が大幅に向上します。

一貫した選考基準と評価体系の整備
面接官トレーニングや評価シートの標準化で、選考の属人化やミスマッチを防止できます。

候補者体験(CX)向上の工夫
応募手続きの簡素化、進捗状況の可視化、タイムリーな連絡、社員との交流機会の提供などで、内定承諾率を高めることができます。

効果測定とPDCAサイクルを回す
各工程の歩留まりやKPI(応募数、面接数、内定数など)を定期的に確認し、課題があれば即改善しましょう。

5. 小規模・中小企業ならではの工夫と具体的アクション3選

採用において、昔から人気のある大企業や最近人気のあるベンチャー企業に比べると、小規模・中小規模の募集に応募が集まりづらいのは事実です。
しかし、すべての求職者が大企業やベンチャー企業への入社を希望しているなんてことももちろんありません。
この章では、小規模・中小企業への入社を検討している求職者に知ってもらう・入社してもらうためのおすすめのアクションをお伝えいたします。


1. 少人数組織の強みを活かす面談設計
アクション例
・社長や現場リーダーが一次面接に参加し、会社のビジョンや文化を直接伝える。
・面接では「なぜこの会社で働くのか」「どんな成長ができるのか」をストーリーで語る。
・社員インタビュー動画や職場見学会を実施し、リアルな職場の雰囲気を伝える。

2. 柔軟な意思決定・風通しの良さをアピール
アクション例
・少人数だからこそできる「現場の声が経営に届く」事例を具体的に紹介する。
・若手社員が新規プロジェクトをリードした実績や、社員の提案が即実行されたエピソードを求人情報や面接で共有する。
・社内チャットやフラットな会議体制の様子をSNSや採用ページで発信する。

3. 内定者フォローや「オヤカク」対策の強化
アクション例
・内定者向けの懇親会や現場体験会を定期開催し、入社前から会社への安心感と期待感を醸成する。
・内定者の家族向けに会社説明資料を用意し、社長からの手紙や動画メッセージを送付する。
・入社後も定期的な1on1面談やメンター制度を導入し、早期離職を防ぐ仕組みを整備する。

6. まとめ・次のアクション

採用フローの最適化は、単なる業務効率化にとどまらず、企業の成長と持続性を支える経営の根幹です。
WHY(目的)からHOW(手法)まで一貫性を持って設計し、効果測定を通じて常に改善を続けることが、優秀な人材獲得の近道となります。
まずは「自社の採用フローを可視化し、現状を分析する」ことから始めましょう。

現場の声を取り入れ、採用活動の全体像を見直すことで、次の一手が見えてくるはずです。
人材獲得競争が激化する今こそ、最適な採用フロー設計で“デキる社員”を迎え入れる第一歩を踏み出しましょう。

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