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【選考を行う際の考え方】採用選考で重視すべきポイント:採用担当者が知っておくべきこと

【選考を行う際の考え方】採用選考で重視すべきポイント:採用担当者が知っておくべきこと
  • 公開日:2025/07/07
  • 更新日:2025/07/08
藤村俊太郎
この記事を書いた人
藤村俊太郎

愛知県知多市出身。愛知県立明和高校→慶應義塾大学卒業。高卒採用・大卒採用・中途採用のプロフェッショナル。年間4,000件以上の採用をマッチングさせる転職サービスの開発・運用を経験。自社採用部署における、新卒採用の立ち上げ・採用広報部署の立ち上げ・社員定着戦略/仕組みの構築を行う。採用戦略の構築とインハウス化が得意。

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「ようやく採用できたと思ったのに、すぐに辞めてしまった…」
「面接では良いと思ったのに、入社後のパフォーマンスが期待と違う…」
「そもそも、魅力的な候補者から応募が来ない…」

これは、多くの採用担当者、特に限られたリソースの中で奮闘されている中小企業の皆様が抱える、切実な悩みではないでしょうか。

採用は、企業の未来を創る最も重要な投資活動です。
しかし、その正解が見えず、孤独に悩みを抱えている方も少なくありません。

本記事は、そんな皆様のための「採用バイブル」です。
単なるテクニックの羅列ではありません。採用活動の「思想」をアップデートし、貴社にとって本当に必要な人材を見抜き、惹きつけ、そして長く活躍してもらうための「視点」と「具体的な武器」を提供します。

採用を「一方的に選ぶ場」から、「相互に理解し、選び合うパートナー探しの場」へと転換させましょう。
この記事が、貴社の採用活動を成功に導く一助となれば幸いです。

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選考の思想をアップデートする3つの視点

 

効果的な選考を行うには、まずその前提となる「考え方」を整えることが不可欠です。
ここでは、採用活動の質を根本から変える3つの重要な視点をご紹介します。

視点①:候補者を「ファン」にする候補者体験(Candidate Experience)の設計

採用は、応募があった瞬間から始まっています。
候補者が貴社を認知し、応募し、選考を受け、結果を知るまでの一連の体験を「候補者体験(Candidate Experience)」と呼びます。

この体験の質こそが、候補者の入社意欲を大きく左右します。
特に知名度で大企業に劣る中小企業にとって、候補者一人ひとりに向き合う丁寧な対応は、何よりの魅力付け(アトラクション)になります。

採用選考の初期段階では、求職者に自社の魅力を理解してもらい、入社意欲を高めることが不可欠です。
企業理念やビジョン、事業内容、社風、待遇、キャリアパスなどを具体的に伝え、求職者が入社後のイメージを描けるようにしましょう。

企業のウェブサイトや採用サイト、説明会、社員インタビュー記事など、様々な情報源を活用して、多角的に企業の魅力を発信することが重要です。
特に、求職者が共感できるストーリーや、社員のリアルな声を発信することで、企業の魅力をより効果的に伝えることができます。

競合他社との差別化ポイントを明確にすることも、求職者の入社意欲を高める上で大切な要素です。
自社の強みや独自性を明確にし、求職者にとって魅力的な選択肢となるようにアピールしましょう。

また、採用担当者は、求職者からの質問に丁寧に答え、疑問や不安を解消する役割を担っています。
求職者とのコミュニケーションを通じて、相互理解を深め、良好な関係を構築することが、採用成功につながります。

【実践のヒント!】

・スピードと誠実さ: 問い合わせや応募には、24時間以内に一次返信するルールを設ける。迅速な対応は、候補者の「自分は歓迎されている」という感覚を高めます。

・面接官は「会社の顔」: 面接官の態度は、そのまま会社の印象になります。威圧的な態度は論外ですが、候補者の話を真摯に聞き、共感する姿勢を見せることが重要です。面接官向けのトレーニングを実施し、評価基準だけでなく「会社の魅力を伝えるアンバサダー」としての役割を共有しましょう。

・社長、役員を巻き込む: 中小企業の最大の武器は、経営層との距離の近さです。「最終面接は社長が自社のビジョンを熱く語る場にする」「現場のキーパーソンとの座談会を設ける」など、大手には真似できない「人」の魅力で惹きつけましょう。

・お祈りメールこそ丁寧に: 残念ながら不採用となった方にも、テンプレートではない、心のこもった連絡を。応募への感謝と、今後の活躍を祈る一文を添えるだけで、企業の印象は大きく変わります。その候補者が、未来の顧客や取引先になる可能性もあるのです。

視点②:「素の姿」と「本音」を引き出す質問力

面接は、候補者が準備してきた「模範解答」を披露する場ではありません。
彼らの価値観や思考のクセ、ストレス耐性といった「素の姿」を見極める場です。
そのためには、候補者がリラックスし、つい本音で語りたくなるような雰囲気作りと、核心に迫る質問力が求められます。

選考過程においては、応募者の表面的なスキルや経験だけでなく、内面的な価値観やキャリアビジョン、企業への志望度などを深く理解することが重要です。
そのためには、面接などの場で、応募者が本音を語りやすい雰囲気を作り出す必要があります。

例えば、アイスブレイクを取り入れたり、応募者の緊張をほぐすような質問をしたりすることで、リラックスした状態で話せるように促すことができます。
また、応募者の回答に対して、深掘りする質問を投げかけることで、より詳細な情報を引き出すことができます。
ただし、圧迫面接のような高圧的な態度は避け、応募者が安心して話せるように配慮しましょう。

応募者の本音を引き出すためには、質問の仕方だけでなく、聞き方も工夫します。
応募者の話を注意深く聞き、共感する姿勢を示すことで、信頼関係を築き、より深い情報を得ることができます。

さらに、応募者の言葉だけでなく、表情や態度などからも、本音を読み取ることが重要です。
非言語的な情報にも注意を払い、応募者の全体像を把握するように努めましょう。

【実践のヒント!】

・面接官の自己開示: 「私も最初は緊張しましたので、リラックスしてくださいね」「弊社のこういう部分はまだ課題でして…」など、面接官が先に自己開示することで、候補者の心理的な壁を取り払います。

・行動を深掘りする「STARメソッド」: 過去の行動について、具体的なエピソードを深掘りする質問手法です。

S (Situation) どのような状況でしたか?

T (Task) どのような課題や目標がありましたか?

A (Action) それに対して、あなたは具体的にどう行動しましたか?

R (Result) その結果、どうなりましたか?

(例)「チームで最も困難だったプロジェクトについて教えてください。その時、あなたの役割は何で、目標達成のためにどんな工夫をしましたか?」

・価値観を探る質問: 「仕事において、あなたが最も『喜び』を感じるのはどんな瞬間ですか?」「逆に、どんなことに『許せない』と感じますか?」といった質問は、候補者の根源的な価値観や仕事観を引き出します。

視点③:面接は「情報収集」、評価は「判定会議」と切り分ける

面接中に「この人は良さそうだな」と評価を下してしまうと、無意識にその評価を裏付ける情報ばかりを探してしまう「確証バイアス」に陥りがちです。

これでは、客観的な見極めはできません。
面接の目的は、あくまで評価の材料となる「客観的な事実(ファクト)」を収集すること。
そして、評価は、面接後に複数の関係者で事実を持ち寄り、議論して決定します。

この「分離の原則」を徹底しましょう。

採用選考においては、応募者の能力や適性を見極めるだけでなく、企業文化への適合性や、長期的なキャリアビジョンなども考慮する必要があります。
しかし、これらの要素は、定量的に評価することが難しく、どうしても主観的な判断に頼ってしまうことがあります。

そのため、選考プロセスにおいては、客観的な評価基準を設け、公平性を確保することが重要です。
例えば、面接においては、評価項目を事前に定め、各項目について具体的な評価基準を設定することで、評価のばらつきを抑えることができます。

複数人で面接を行うことで、より客観的な評価が可能になり、評価の時間を設けることで選考と評価を明確に区別することががしやすくなります。

選考は、応募者の能力や適性を見極めるためのプロセスであり、評価は、選考結果を基に、採用の可否を判断するプロセスです。
選考段階で、応募者を評価してしまうと、先入観や偏見が入り込み、公平な判断ができなくなる可能性があります。

【実践のヒント!】

・面接評価シートの活用: 事前に定めた評価項目について、「評価欄」だけでなく「事実(候補者の具体的な発言・エピソード)を記述する欄」を設けます。

・評価すり合わせ会議の実施: 面接後、各面接官が記録した「事実」を基に、「なぜそう評価したのか?」を議論します。これにより、一人の面接官の主観やバイアスが排除され、多角的な視点での評価が可能になります。

ブレない採用軸を作る:ペルソナとコンピテンシーの設計

「良い人」という曖昧な基準で採用を続けると、担当者によって評価がブレ、ミスマッチが起こりやすくなります。
採用選考の精度を高めるためには、明確な採用人物像と行動特性を設定することが不可欠です。
採用人物像とは、企業が求める理想的な人材の人物像であり、年齢、性別、学歴、職務経験、スキル、価値観などを含みます。

行動特性とは、採用人物像が示す具体的な行動パターンであり、仕事への取り組み方、コミュニケーションスタイル、問題解決能力などを含みます。

採用人物像と行動特性を明確にすることで、選考基準が明確になり、採用担当者間の評価のばらつきを抑えることができます。
また、応募者にとっても、企業が求める人物像が明確になるため、ミスマッチを防ぐことができます。

採用人物像と行動特性を設定する際には、企業の経営戦略や事業計画、組織文化などを考慮する必要があります。
さらに、現場の社員やマネージャーの意見を聞き、現実的な人物像を設定することがポイント。

この採用人物像と行動特性は、定期的に見直し、企業の状況に合わせて更新する必要があります。
市場の変化や競合他社の動向などを考慮し、常に最適な人物像を追求するようにしましょう。

この採用人物像と行動特性を基に、選考プロセスを設計していきます。
例えば、行動特性を評価するための質問項目を作成したり、行動シミュレーションを取り入れたりすることで、より精度の高い選考が可能になります。

採用人物像(ペルソナ)の作り方

貴社で活躍するために必要なスキル、経験、価値観、志向性などを具体的に描き出した人物像が「ペルソナ」です。
理想を詰め込むだけでなく、現時点で貴社で高いパフォーマンスを発揮している社員(ハイパフォーマー)を分析するのが効果的です。

【実践のヒント!】

・分析の視点: なぜ彼/彼女は活躍できているのか?どのような行動特性があるか?
(例:指示待ちでなく自ら課題を見つける、新しいことを学ぶ意欲が高い、部署を超えて周囲を巻き込める)

・作成プロセス: 経営層、人事、現場のマネージャーやエース社員を集め、「どんな人と一緒に働きたいか」「どんな行動を称賛したいか」をディスカッションし、共通言語としてペルソナを策定します。

採用人物像の作成については下の記事もご確認ください↓

行動特性(コンピテンシー)の定義と評価

ペルソナが示す具体的な行動特性を「コンピテンシー」と呼びます。
成果を出す人に共通して見られる行動、能力のことで、具体的には、スキルや知識だけでなく、思考パターン、価値観、行動様式など、目に見えない要素も含めて、仕事で高い成果を出すために必要なものを指します。
これを定義し、面接で測るための質問をセットで用意することで、評価の客観性が格段に向上します。

中小企業で特に重要であると考えるコンピテンシーと質問例をご紹介します。

コンピテンシー 定義 面接での質問例
自律性 指示がなくても自ら課題を発見し、主体的に行動できる力。

上司からの指示が曖昧だったり、前例がなかったりする業務に取り組んだ経験はありますか?

その際、どのように仕事を進めましたか?

学習意欲 未知の領域や新しいスキルを積極的に学び、成長し続ける力 この1年間で、ご自身の業務のために新しく学んだことは何ですか?どのように学び、それをどう仕事に活かしましたか?
柔軟性・変化対応力 急な計画変更や予期せぬ事態にも、臨機応変に対応できる力 これまでで、最も予期せぬトラブルに見舞われた経験を教えてください。その時、どのように状況を乗り越えましたか?
当事者意識  自分の仕事の範囲を限定せず、チームや会社の課題を自分事として捉える力 あなたの担当業務外で、チームや会社の問題に気づき、改善のために行動した経験があれば教えてください。

フェーズ別:具体的な評価ポイント

書類選考:どれくらいマッチしているか

書類選考において、最も重視すべきポイントは、応募者が求人案件の応募条件を満たしているかどうかです。
応募条件とは、企業が求めるスキル、経験、資格、学歴などであり、求人広告や募集要項に明記されています。
応募者が応募条件を満たしているかどうかを判断するためには、履歴書や職務経歴書を注意深く確認する必要があります。

特に、職務経歴書においては、応募者が過去にどのような業務に携わってきたのか、どのようなスキルや経験を習得してきたのかを見ます。

応募条件とのマッチ度を評価する際には、応募者の潜在能力や、今後の成長可能性も考慮します。
例えば、応募条件を完全に満たしていなくても、ポテンシャルが高いと判断される場合には、面接に進む機会を与えることも検討しましょう。

ただし、応募条件を著しく満たしていない場合には、書類選考で不合格とするのが一般的です。
応募条件とのマッチ度は、書類選考における最初の関門であり、応募者のスクリーニングを行う上で大切な要素です。

【書類選考のポイント!】

・書類選考:経歴の裏にある「再現性」を見抜く。

・応募条件とのマッチ度: 必須条件を満たしているかは大前提です。

・職務経歴書の読解: 単なる業務の羅列ではなく、「どのような課題に対し、どう工夫・行動し、どんな成果(数字や変化)を出したか」が具体的に書かれているかを見ます。成果を出すための思考プロセスが再現可能か、という視点が重要です。

・志望動機の「本気度」: 企業のウェブサイトを読めば分かるような内容ではなく、「なぜ同業他社ではなくウチなのか」「自分のどの経験が、当社のこの事業に活かせると考えたか」など、深く企業研究した上で、自分事として語られているかを見極めます。使い回しの志望動機は、すぐに見抜けます。

【さらに言うと...ビジネスマナー】

書類選考では、応募者のスキルや経験だけでなく、基本的なビジネスマナーも評価の対象となります。
なぜなら、ビジネスマナーは、社会人として働く上で不可欠な要素であり、企業の印象を左右する可能性もあるからです。

例えば、履歴書や職務経歴書の書き方、言葉遣い、誤字脱字の有無などから、応募者のビジネスマナーを判断することができます。
丁寧で分かりやすい文章で書かれているか、誤字脱字がないか、敬語が正しく使われているかなどを確認しましょう。

また、履歴書や職務経歴書のフォーマットが適切であるかどうかも、ビジネスマナーを判断する上で重要な要素です。
指定されたフォーマットがある場合には、それに従って作成されているか、写真が適切に貼られているかなどを確認しましょう。

さらに、応募書類の提出期限を守っているかどうかも、ビジネスマナーを評価する上で重要なポイントです。
期限内に提出することは、社会人として当然のマナーであり、期限を守れない応募者は、自己管理能力に欠けていると判断される可能性があります。

基本的なビジネスマナーは、社会人としての基礎的な能力を示すものであり、書類選考において、応募者を評価する要素となります。

【さらに言うと...自己PRと志望動機】

書類選考において、自己PRと志望動機の具体性は、応募者の個性や熱意を判断する上で非常に重要な要素です。
自己PRでは、応募者が自分の強みやスキル、経験をどのようにアピールしているかを確認します。

単にスキルや経験を羅列するだけでなく、具体的なエピソードを交えながら、そのスキルや経験がどのように活かせるのかを説明しているかどうかをみます。

また、志望動機では、応募者がなぜその企業で働きたいのか、その企業でどのようなことを成し遂げたいのかを確認します。
企業の理念や事業内容に共感しているか、自分のスキルや経験がどのように貢献できるのかを具体的に説明しているかどうかが重要です。

自己PRと志望動機は、単に文章が上手いかどうかだけでなく、応募者の個性や熱意が伝わってくるかどうかがポイント。
抽象的な表現や一般的な言葉遣いではなく、自分自身の言葉で、具体的に表現されているかを確認しましょう。

自己PRと志望動機の具体性は、書類選考において、応募者の熱意や個性を見極める要素となります。

面接:対話を通じて「未来の活躍」をイメージする

面接において、コミュニケーション能力は、応募者の対人スキルや意思伝達能力を評価する上で最も重要なポイントの一つです。
コミュニケーション能力とは、相手の話を正確に理解し、自分の考えを分かりやすく伝える能力のことです。
面接では、応募者の話し方、聞き方、表情、態度などから、コミュニケーション能力を総合的に評価します。

例えば、質問に対して的確に答えられているか、論理的に話を進めているか、相手の目を見て話しているか、笑顔で話しているかなどを確認します。
また、応募者からの質問内容や、質問の仕方からも、コミュニケーション能力を評価することができます。

質問が的を射ているか、分かりやすい言葉で質問しているか、相手に失礼のない態度で質問しているかなどを確認しましょう。
コミュニケーション能力は、どのような職種においても必要とされる能力であり、特に、顧客対応やチームワークが求められる職種においては、不可欠な要素となります。

面接では、応募者のコミュニケーション能力を十分に評価し、自社の求める人物像に合致するかどうかを判断しましょう。

さらに、面接において、問題解決能力は、応募者が困難な状況に直面した際に、どのように考え、どのように行動するかを評価する上で重要なポイントです。
問題解決能力とは、問題を分析し、解決策を考え、実行する能力のことです。
面接では、過去の経験の中から、困難な状況に直面したエピソードを語ってもらい、その際に、どのように考え、どのように行動したのかを詳しく聞きます。

例えば、どのような問題が発生したのか、問題を解決するためにどのような情報を収集したのか、どのような解決策を考えたのか、どのような行動をとったのか、その結果、どのような成果が得られたのかなどを確認します。

また、応募者が問題解決のために、どのようなスキルや知識を活用したのか、周囲の人々とどのように協力したのかも聞いてみましょう。

問題解決能力は、変化の激しい現代社会において、企業が成長していく上で不可欠な能力であり、面接では、応募者の問題解決能力を十分に評価し、自社の求める人物像に合致するかどうかを判断しましょう。

【さらに言うと...カルチャーフィット】

面接において、企業文化への適合性は、応募者が自社の文化や価値観に共感し、組織の一員として活躍できるかどうかを評価する上で重要なポイントです。

企業文化とは、企業が共有する価値観、信念、行動規範、習慣などのことであり、企業の個性や特徴を形成するものです。
面接では、応募者の価値観、キャリアビジョン、仕事に対する考え方などを聞き、自社の企業文化と合致するかどうかを判断します。

例えば、自社の理念やビジョンに共感しているか、チームワークを重視しているか、チャレンジ精神を持っているか、自己成長意欲が高いかなどを確認します。

また、応募者が過去にどのような企業で働いてきたのか、どのような組織文化の中で働いてきたのかも聞いてみましょう。

企業文化への適合性は、長期的な視点で見た場合に、応募者のパフォーマンスや定着率に影響を与える可能性があります。
面接では、応募者の企業文化への適合性を十分に評価し、自社の求める人物像に合致するかどうかを判断しましょう。

【面接のヒント!】

・コミュニケーション能力:「質問の意図を正確に理解し、結論から分かりやすく話せるか」「相手の話を傾聴し、対話をキャッチボールできるか」を見ます。

・問題解決能力: 先述の「STARメソッド」を用いて、困難な状況における思考プロセスと行動の具体性を確認します。

・危険性も認識する: 「カルチャーフィット」を重視しすぎると、似たような人材ばかりが集まり、組織が硬直化するリスクもあります。

・「カルチャーアド(Culture Add)」の視点: むしろ、「自社の文化に新しい風を吹き込み、良い影響を与えてくれるか」という視点も持ちましょう。多様性は組織の強さに繋がります。

【面接で見極める質問】

「あなたが仕事で最も大切にする価値観は何ですか?」
「どんな雰囲気のチームで働くと、最もパフォーマンスが上がりますか?」

といった質問で、候補者の価値観と自社の文化のマッチ/アドの可能性を探ります。

【逆質問にこそ現れる本質】

 候補者からの質問は、彼らの本気度、思考の深さ、視座の高さを測る絶好の機会です。
「良い逆質問」(例:事業の課題、入社後の活躍への期待、チームの構成や文化に関する質問)か、「準備不足な逆質問」(例:調べれば分かること、待遇面のみの質問)かを見極めましょう。

採用担当者が陥りがちな罠と対策

採用担当者は、選考を行う上で、先入観や偏見を排除し、公平な視点を持つことが非常に重要です。
先入観や偏見とは、性別、年齢、学歴、出身地、人種、宗教、思想などに基づいて、応募者を不当に評価したり、差別したりすることです。

先入観や偏見は、客観的な判断を妨げ、優秀な人材を見逃してしまう可能性があります。
例えば、「若い人は経験が少ないから」といった先入観は、応募者の能力を正当に評価することを妨げます。

採用担当者は、自分の先入観や偏見に気づき、それらを排除するように努めなければなりません。
そのためには、多様な価値観を理解し、異なるバックグラウンドを持つ人々と積極的に交流することが重要です。

また、先述した通り、採用選考においては客観的な評価基準を設け、複数人で評価を行うことで、先入観や偏見の影響を最小限に抑えることができます。

先入観や偏見を排除することは、企業の社会的責任であり、公平な採用選考を行うことは、企業の信頼性を高めることにもつながります。

【ポイント!】

無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス): 学歴や性別、経歴などで「この人はこうだろう」と無意識に判断してしまうことです。これを防ぐには、評価基準を明確にし、複数人で評価する体制が不可欠です。

応募者への不誠実な対応: 選考結果の連絡が遅い、不採用理由を伝えない(サイレントお祈り)といった対応は、企業の評判を著しく損ないます。

応募者は未来のお客様という意識を持ち、最後まで誠実に対応しましょう。

【中小企業向け】選考プロセスの効率化アイデア

選考プロセスを効率化するために、採用ツールの導入は有効な手段です。
採用ツールとは、応募者の管理、選考の進捗管理、面接のスケジュール調整、評価の集計など、採用活動をサポートする様々なツールを指します。
例えば、ATS(採用管理システム)を導入することで、応募者の情報を一元管理し、選考状況を可視化することができます。

また、オンライン面接ツールを導入することで、応募者との面接を効率よく行ったり、評価のブレをなくすことができます。
近年は応募者ごとの特性に合わせた魅了付けのサポートをしてくれるツールもあります。

さらに、適性検査ツールやスキルテストツールを導入することで、応募者の能力や適性を客観的に評価することができます。採用ツールを導入する際には、自社の採用規模やニーズに合わせて、最適なツールを選択することが重要です。

興味があればこちらの記事もご確認ください↓

 

また、ツールの導入だけでなく、運用方法を明確にし、担当者を配置することも重要です。
採用ツールの導入は、選考プロセスを効率化し、採用担当者の負担を軽減するだけでなく、応募者にとっても、スムーズな選考体験を提供することにつながります。

リソースが限られる中小企業こそ、賢くテクノロジーや外部サービスを活用していきましょう。

【ポイント!】

・採用管理システム(ATS): 応募者情報を一元管理し、選考の進捗を可視化します。無料や低価格で始められるツールも多数あります。

・日程調整ツール: 面接の日程調整は想像以上に工数がかかります。候補者が空き時間を選べるツール(TimeRex, YouCanBook.meなど)を導入するだけで、劇的に効率化できます。

・採用代行(RPO)/アウトソーシングの活用: 「スカウトメールの送信」「日程調整」など、ノンコア業務を外部に委託することで、担当者は「候補者との対話」という最も重要な業務に集中できます。すべてを自社で抱え込む必要はありません。

まとめ:採用は、会社の未来を創る「戦略」である

採用選考は、企業にとって将来を左右する重要なプロセスです。
本記事では、選考フェーズで重要なこと、書類選考と面接で重視するポイント、採用担当者が注意すべき点、選考プロセスの効率化について解説しました。

これらのポイントを踏まえ、自社にとって最適な人材を獲得するために、戦略的な採用活動を展開していくことが重要です。

採用活動は、常に変化する市場や社会のニーズに合わせて、改善を繰り返していく必要があります。
採用担当者は、常にアンテナを張り、最新の情報やノウハウを収集し、自社の採用活動に活かしていきましょう。

また、採用活動は、企業全体の協力体制が不可欠です。
経営層、人事部門、現場部門が連携し、一体となって採用活動に取り組むことで、より効果的な採用活動を実現することができます。

採用活動は時に困難で、孤独を感じることもあるかもしれません。
しかし、貴社の情熱と工夫は、必ずや素晴らしい出会いを引き寄せます。

私たちは、そんな想いを持って採用に取り組む中小企業の皆様を、全力でサポートすることをお約束します。
この記事が、貴社の明るい未来を創る一助となることを心から願っています。

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